人生黄昏時

 老いを心身ともに感じ

  日々の生活で思った事を記す
  

ノロ 【5】

2020年12月25日 00時00分27秒 | 日記

  聞得大君は

首里城内の10の御嶽と斎場御嶽を

掌管し全国の「ノロ」たちを支配していたが

 

ノロの任命辞令は国王が行っていた

 

聞得大君の下には

それ以前から有力な神女である

阿応理屋恵佐司笠などの「君」や

 

首里の三間切をそれぞれ掌管する

3人の大阿母良礼(おおあもしられ)がおり

その下に各地方を統括する「大阿母」たち

 

さらにその下に各地域の祭祀掌管する

「ノロ」を配する階層構造を形成していた

 

なお、高級神女たちを総じて「三十三君」と呼んでいた

33人ではなく(三十三は大勢と言う意味)

 

そのほとんどは首里に存在し

王家となんらかの血縁関係にあったと考えられている

 

この神女体制は17世紀中ごろ形骸化し

ほとんどの高級神女職は廃職された

 

ちなみに、この時期に残った三十三君は

今帰仁の阿応理屋恵

(一度廃職後18世紀に復活現在は廃職)

 

伊平屋の大阿母(昭和5年廃職)

久米島の君南風(チンペー)の三職のみで

いずれも首里に上らない地方在住の「ノロ」である

 

しかしその後も各地域の「ノロ」職は存続を続け

多くが現在まで各地に残っている

 

なお聞得大君職は王国滅亡後も長く存続し

太平洋戦争中の1944年就任した

 

第18代・恩戸金翁主を最後に

大戦後に廃職となっている

 

現在三十三君にあたる高級神女では

久米島の君南風(チンペー)職が

久米島最高位の「ノロ」として存続している

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ノロ 【4】

2020年12月20日 00時00分15秒 | 日記

  聞得大君とは

尚真王の治世に、全国の神女体制を整理し

 

沖縄の信仰と

統治機構を一体化した全国的な祭政一致を確立した

 

「ノロ」という呼称はその時に

神職の正式名称として制定されたものだが

 

祭祀制度そのものはそのとき初めて

制定されたものではなく

 

以前から各地域に女司祭がおり

各地域の祭祀を行っていたと考えられている

 

尚真王はすでにあったものを整備し

中央集権的に階層化したのである

 

ノロにあたる女祭司を総称して便宜上「神人」と通称される

 

尚真王時代に

全国のノロの頂点として制定されたのが

「鳴響む精高子(とよむせだかこ)」

(名高き霊力溢れる君)の

異名を持つ聞得大君だった

(聞得大君は「最も名高い君」と言う意味)

 

聞得大君は琉球王国を

守護する国王の「おなり神」であり

王国守護し豊穣をもたらす「おなり神」とされた

 

事実、初代の聞得大君は

尚真王の妹である

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ノロ 【3】

2020年12月15日 00時00分16秒 | 日記

  ノロは豊穣を願い

災厄を払い、祖先を迎え

 

豊穣を祝うといった時期にある数多くの

祭祀において神を自身に

 

憑依させる依り代になることが

存在意義であるため

 

戒律や経典はなく

他の宗教のように民衆に啓蒙する

神の教えなどはない

 

また、偶像崇拝はしない

御嶽にあるイビ石などが神体として崇拝されるが

いわゆる「依り代」に対する尊崇である

 

特に処女性は問わないが

既婚か独身か

年齢要件などは現在も確認される

 

琉球国の最高位のノロである

聞得大君の2代目までが

生涯独身であったことや

 

聞得大君以前からの由緒あるノロである

阿応理屋恵職が生涯独身だったという記録もあり

 

以前には処女性が要求されたと考える説もある

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ノロ 【2】

2020年12月10日 00時00分15秒 | 日記

  ノロは、世襲制で

ノロ殿内(どぅんち)の家系から出ることになっている

 

ノロの多くは、王府より任命され

各地域を統治する按司(あじ)の

肉親(妹、姉、妻)と考えられている

 

これは、沖縄の信仰の背景にある

「おなり神」信仰に由来すると考えられている

 

新たなノロの就任に当っては

久高島のイザイホーに代表されるように

それぞれの地域で認証儀礼があった

 

ノロは原則として終生職であるが

三代後(祖母から孫娘)に霊格である霊威(セジ)が

引き継がれると考えられている

 

ノロには決まった服装はないが

着流しの白装束であることが多い

 

また草の冠(神カムリ)などの草装も見られる

そうした異形の装束は神が憑依していることを

意味している

 

また装身具として

勾玉を身に着けることも多く見られる

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ノロ 【1】

2020年12月05日 00時00分18秒 | 日記

   ノロとは

沖縄の信仰における女司祭、神官、巫(かんなぎ)

 

地域の祭祀を取り仕切り

御嶽を管理する、ヌール、ヌルとも言う

 

琉球国王尚真王(1477年~1526年)の

時代に制定されたと言われている 神職

 

沖縄の信仰はアニミズムと

祖霊信仰を基本とするもので

 

海の彼方のニライカナイと

天上のオボツカグラの他界概念を想定する

 

これらの他界に太陽神(ティダ)を

始めとする多数の神が存在し

 

また生者の魂も死後にニライカナイに渡って

肉親の守護神になるとされる

 

こうした神々は

時を定めて現世を訪れて豊穣をもたらし

人々を災難から守護すると考えられている

 

宗教概念上「ノロ」はこれら沖縄の神々と

交信することが出来る存在であり

 

また祭祀の間はその身に神を憑依し

神そのものになる存在とされている

 

そのため、「ノロ」は

神人(かみんちゅ)とも呼ばれる

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おなり神【2】

2020年12月01日 00時00分16秒 | 日記

 男が政治を行い

神に仕える女がその男を霊的に守護し、神事を司り

 

信託を受けて霊的に

指導するという祭政一致制の基盤となり

この原則は集落から国王まで一貫されている

 

集落のもっとも古い宗家の主人は

根人(ニーッチュ)と呼ばれその妹は

集落の祭事を司る根神(ニーガン)となる

 

さらに領地を統治する按司(アジ)の妹は

その領地の祭事の司祭である「ノロ」となる

 

そして国王と

「ノロ」の最高位の

聞得大君もまた「えけり」と「おなり」の

強固な関係で結ばれて

 

「おなり神」の持つ霊的守護力の概念が

兄から家族、家族から集落、集落から地域

地域から国王へと拡張して行く

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする