伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

ザ・バックヤード 国立国会図書館

2024年03月06日 | テレビ



NHK Eテレで放送された「ザ・バックヤード 国立国会図書館」を
録画しておいたのを、やっと見た。
放送日は1月31日だった。
これはすごく面白かった。

「ザ・バックヤード」という番組は博物館や図書館、水族館などの裏側、
通常、公開されていないバックヤードにカメラが入り、
そこでの様々な活動を紹介する番組だ。


ザ・バックヤード 知の迷宮の裏側探訪
「本当の“知”は、裏にかくされている」ようこそ奥深いウラの世界へ!
https://www.nhk.jp/p/ts/17NP738N5R/episode/te/JM7R7JGZ26/
国立国会図書館
初回放送日: 2024年1月31日


ここは毎朝、大量の本が届く、蔵書数日本一の図書館。
どうして日本中の本が集まる?どうやって整理する?
その秘密を裏側で探ると、出版物をめぐる驚きの発見が!!




説明にあるとおり国立国会図書館には毎日、
日本で発売されている本の殆ど、というよりすべての本が届くそうだ。

蔵書数日本一、約4,700万点を所有し、
日本中の出版物が集まるという。
国会議事堂の隣りにある。
1948年以降の日本で発行されたすべての出版物を収集している、と…
気の遠くなる数だ。

国立国会図書館法というのがあり、
日本国内の全ての出版物について、
国立国会図書館に納める義務が出版社などにあると定められているらしいのだ。


単行本だけでなく、雑誌や週刊誌まで届いていたから、
1日だけでも膨大な数量になる。
本、新聞、雑誌、地図、CD、DVDなどが対象だからだ。
1日およそ3,000点が届くという。1年で約80万点。
どこにそれだけのものを保管する場所があるのだろうと思っていると、
図書館は地下8階まであり、そこがすべて書庫なのだ。
そこに所狭しとびっしりとあらゆる本が収蔵されていた。

東西約135m、南北約43m、約1800坪という広大さ。
室内の温度と湿度も資料の保存のため
年間を通じて同一温度、一定湿度に調整しているという徹底ぶりだ。
地下に保存している理由は地上より地震などによる揺れが少ないからだそうだ。
確かに理由を知るとなるほどと思う。
資料を守るため、徹底管理がされているのだ。

本が主役だから水漏れを防ぐため、トイレがないなどの事実は面白かった。
水分も持ち込み禁止など、厳しい制限がある。
すべては本を守るため。


そして、なんと女性週刊誌の「女性自身」が
ずらりと所蔵されていたのは驚いた。
古い、昭和時代の女性自身から保存されていたのだ。
継続して収集することによって時代の証を残す、ということなのだろうか。

紹介されていた初期の女性自身は上品だった。
まるでファッション誌のようで、外国人女性のスーツ姿が表紙である。
それのみで、文字は殆どない。
上品な表紙だった。今と大違いである。

どうして今はあんなに下品で煽るような、無駄に大袈裟な、
わざと誤解させるような見出しばかりの表紙になったのだろう。

そして身震いしたのはそんなゴシップ週刊誌が、
国立国会図書館に毎週、収蔵されてしまうという事実だった。
時代の証、とはいえ、
出鱈目な煽り文句で溢れているゴシップ誌が未来へと継がれてゆくなんて。
そうしたら、羽生結弦の嘘ばかりを並べ立てた週刊誌も保存されているのだ。
それを思うとぞっとした。

いや、令和の時代はそのような
軽薄なゴシップで溢れていたという証が残るのだろうか。


雑誌「ムー」が収蔵されているのを紹介していたが、
確かにUFOブームやオカルトブームだったあの時代を反映しているとは言えるし、
明治時代の雑誌に掲載されている芸者さんのグラビア写真などは、
芸者さんがアイドルのような存在だったことが分かる…。


国立国会図書館は東京の本館だけでなく、
京都に関西館があるというのは初めて知った。
膨大に増え続ける資料を保管するためには、本館だけでは足りないのだろう。


そこには本だけでなく、博士論文も所蔵していると紹介されていた。
思わず、手塚治虫の博士論文もあるのかな?と思っていると、
ちょうどその時、これが手塚治虫の博士論文ですと紹介していた。
湯川秀樹の論文も所蔵しているという。
手塚の論文が国立国会図書館に納められていると知って、
うれしくなった。

知の財産を継承することが国立国会図書館の役割なのだと。
そのために近年ではデジタル化を進めている。
現在、約365万点のデジタル化作業が完了したという。
デジタル化すれば資料の劣化が防げ、インターネットで閲覧も出来る。
資料の保存と活用のため、日々作業を行っている。
資料を残し、次世代に伝える、
それが国立国会図書館の役割と使命だ。


なおさら、あのクズのようなゴシップ週刊誌を残すことにも
何か意味があるのかも、と思った。




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NHKアカデミア 山口晃

2024年01月28日 | テレビ

日本画家・山口晃が好きで、展覧会にも何度か行ったことがあるので、
「NHKアカデミア」に講師として山口晃が登場した回(前編)を見た。


「NHKアカデミア」はいろんな分野のトップランナーが講師となって、
自分の仕事や作品を解説しつつ、
オンライン(リモート)で生徒さんたちにレクチャー?するという番組で、
人選がかなりいいので時々録画して見ている。
(野村萬斎さんも予定あり)


NHKアカデミア
各界のトップランナーたちが“今こそ、共有したい”を語り尽くす
https://www.nhk.jp/p/ts/XW1RWRY45R/

https://www.nhk.jp/p/ts/XW1RWRY45R/episode/te/5Z96ZPX4GW/
山口晃(前編)過去から未知へ向かう
初回放送日: 2024年1月24日

バイクと馬が合体!東京と江戸が混在?
日本美術の影響を受け過去と未来が交差する世界を
ユーモラスに描く画家・山口晃。
繊細にして大胆な作品はいかにして生まれるのか?



山口晃といえば伝統的な日本画の手法を取り入れ、
屏風によくある俯瞰構図や、全体に覆われる金の雲、
源氏物語絵巻などの吹抜屋台法――
(本来ある壁や障子、屋根を取り払ってスケルトンで見せる様式)、
などを駆使して現代と過去が混在する、
独特で不思議な人物像や空間を作り出している魅力的な画風の画家である。

その山口晃が、
成田空港の出発ロビーの壁画を担当していたというのは知らなかった。
東京パラリンピックのポスターを描いていたことも知らなかった。

が、それらもいつもの山口晃らしい、
現代と過去(江戸時代風の)が入り混じったおなじみの作風だ。



成田空港のロビーに掲げられた壁画は飛行機の俯瞰図で、
あり得ない3階建てだったり、
その中に銭湯があったり、ちょんまげを結った江戸時代の人がいたりと、
山口晃らしいユーモアのある細密描写だ。

本人はロビーに絵があってもほとんどの人は見ないでスルーしてる、と
嘆いているが、成田空港に絵があるだけですごいことだ。
このように彼はいつの間にか重要な仕事を任されている、
日本絵画界において大きな存在になっていたのだ。
(自分が知らなかっただけ?)


東大寺戒壇院の四天王立像をモデルに新たに創作した、
四天王像も紹介されていた。


(四天王立像・広目天)

モデルを使ったそうだが、人物像として彼なりの拘りが伺える。
四天王立像をモダンな美少女像として描いた、
銅版画家の入江明日香を少し連想した。




最後の晩餐


また、電信柱は景観の邪魔をするから、現在は人々から嫌われている。
が、山口晃はそれを題材として描いている。
電信柱が好きなのだそうだ。
彼独特の繊細な線描で、しかも電信柱の中腹に屋根がついていて、
屋根の下の板張りに人がくつろいでいたりする。
電信柱は他の作品にも頻繁に登場する。
現代の景観として、欠かせないものという認識があるのかも。
題材といい、ユーモアが感じられる作品だった。




東京パラリンピックのポスター「馬からやヲ射る」では、
馬が車いすに乗っていたり、
背景の俯瞰図がいつものように不思議な光景を描いていたりするが、
主人公の美しさが際立つ真摯な作品に仕上がっている。


山口晃の作品は細部まで細かいので時間をかけて見ていたい。
また、彼の展覧会へ行きたくなった。

NHKアカデミアの山口さんはとても若くて、童顔のよく喋る人だった。


画像はこちらより↓
ミヅマアートギャラリー
https://mizuma-art.co.jp/artists/yamaguchi-akira/



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バックヤード・マンガミュージアム

2023年11月03日 | テレビ
NHK Eテレで放送した「ザ・バックヤード/京都国際マンガミュージアム」

「ザ・バックヤード」という番組は
博物館や美術館、図書館などの裏側を探訪する番組。
今回は京都にある「京都国際マンガミュージアム」を取り上げていた。


NHK
https://www.nhk.jp/p/ts/17NP738N5R/
ザ・バックヤード 知の迷宮の裏側探訪
「本当の“知”は、裏にかくされている」ようこそ奥深いウラの世界へ!

京都国際マンガミュージアム 第2弾
京都国際マンガミュージアムの第2弾。
紫綬褒章も受章した竹宮恵子が登場!
原画の色合いを正しく伝える原画ダッシュのほか、
教育や医療の現場で活用される実用漫画も紹介。





見逃し配信
https://plus.nhk.jp/watch/st/e1_2023110121270
配信期限 :11/8(水) 午後10:59 まで


京都国際マンガミュージアムは京都市中京区烏丸御池の北西門にある。
元小学校の跡地を京都市と京都精華大学が共同で、
マンガミュージアムとして整備した。
館長は荒俣宏である。


もとは小学校だから校庭・グラウンドがあり、
広々した芝生では、今は客がそこに座ったり寝たりして
借り出した漫画を読んだり休んだりしている。

建物は校舎だったので教室がそのまま残されていて、
閲覧室だったり紙芝居の部屋だったりに使われている。


一度行ったことがあるが、ミュージアムというより図書館のようだ。
漫画の図書館だ。
流行りものだったり、有名な漫画を読めるところかと思っていたら、
もちろん漫画も読めるがもっと学術的というか、研究機関のような感じだった。


特集展示も流行っている漫画というわけではなく、
もっと深く突っ込んだ、
例えば江戸時代の漫画のルーツのようなものの特集を組んだりしていて、
マンガミュージアムと言ってももっと広範囲の、
文化としての漫画を発信する場だと感じた。

外国人も多く来館していたし、
もちろんミュージアムに入れば収容されている漫画は読み放題だ。


今回のNHK Eテレの「ザ・バックヤード」では
そのマンガミュージアムの裏側を一部紹介していた。

雑誌に印刷された扉の原画は必ずしも正しい色を反映していないという。
印刷の関係でもとの原画の色彩がきちんと読者に届かないのだ。
雑誌に使う紙が上等ではないからではないだろうか。

マンガミュージアムではこの原画に近い色合いを復元するため、
「原画ダッシュ」という試みをしているそうだ。
原画の色合いを出来るだけもとの原画に近い色で再現し、
それを各国の展示会で展示するという動きだ。

この原画ダッシュの運動に携わっているのが、
漫画家竹宮恵子だった。
彼女は京都精華大学の名誉教授でもある。
だから京都で教鞭を取っていたのか、マンガミュージアムでも活動していたようだ。

もとは美しい原画を出来るだけもとのとおり再現するのは、
漫画家としてありがたいことだろう。

後半は「大家さんと僕」という有名な漫画を描いた矢部太郎が、
教育や医療現場で活用される実用漫画の制作現場を探訪する。

マンガミュージアムで漫画を制作していたことも驚きだが、
医療現場で、
病気に関して分かりやすく表現する漫画が重宝されていることも、
初耳だった。

京都精華大学の漫画学部を卒業したとしても、
必ずしも全員が有名漫画家になれるわけではない…、
そういう人たちを救済する意味でも、
このような実用漫画の需要をミュージアムが掘り起こしたのだと思った。

マンガミュージアムといっても単に漫画を陳列するだけでなく、
漫画家さんそのものを補助したり、
漫画家の意に沿った活動をしていて彼らの意志を尊重したり、
裏ではさまざまな活動をしていることが理解できた。

博物館やミュージアムのバックヤードは、
普段表から展示を見ているだけでは分からない、
様々な活動をしているのだと改めて分かった。
「ザ・バックヤード」という番組は
その裏側の学芸員たちの様々な活動を紹介してくれて、
興味深い番組だ。




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おげんさんといっしょ

2023年08月20日 | テレビ

「おげんさんのサブスク堂」の再放送の前に
「おげんさんといっしょ」の再放送を録画しておいた。
2021年の放送だそうで、そんなに前から放送されてたのか、
全然知らなかった。
星野源にあまり興味がなかったからしょうがないが。




何となく録画を見ていたら、
何とかという女優が「デイドリーム・ビリーバー」を歌っていた。
日本語訳はZERRY、つまり忌野清志郎だ。
大昔、モンキーズというアメリカのグループが歌ってヒットした曲を、
清志郎が日本語の訳をつけて歌ったものだ。

星野源さん(おげんさん)は、そのことをちゃんと言ってくれた。
「デイドリーム・ビリーバー」の日本語訳は云々、と。
星野さん(おげんさん)をますます見直した。

清志郎はあの頃、タイマーズというグループ名で活動しており、
ZERRYという名前(キャラクター)を使っていた。
(「あの頃、忌野清志郎と」より)

タイマーズはザ・タイガースをもじったバンド名で(笑)、
ボーカルのジュリーをもじってZERRYという名をつけたということだ。

星野さんはその辺の事情も知っていたみたいだが、
説明していると長くなるからだろう、かいつまんで話してたが、
彼の口から清志郎の名前が出て来てうれしかった。
星野さんの好感度がますます上がった。

何でも知っている(シンガーだから当然なのかな?)し…


そして「パペトーーク」というコーナーではさらに驚いた。
(コーナータイトルが危ない…笑)
いや、「おげんさんといっしょ」はこんな素晴らしい番組だったとは。。。


ハッチポッチステーションとクインテットという、
NHK Eテレの番組のパペットがゲスト出演して…
グッチ裕三さんも出演していて。
二つの番組の一番良かった(とおげんさんが思う)部分を
放送していた。

(ハッチポッチステーションは見たことがなかったが、
クインテットは知っている。
バイオリンなどのパペットの手の動きがすごかった記憶がある)


今回のおげんさんといっしょで放送された、
グッチ裕三の「ボヘミアンラプソディー~犬のおまわりさん」は
映像も凝っていてすごかった・・・。
グッチさんの歌もすごいし、アレンジもすごい。

今、YouTubeに上がっているグッチさんの動画は、
あらためてバンドで歌ったもの。
これを以前見て、すごかったのでそれがテレビで見られるとは。
しかもクイーンの映像を再現していてすごい。
興奮してしまった。


YouTubeの動画も面白いので─

【グッチ裕三 with グッチーズ】
犬のおまわりさん~ボヘミアン・ラプソディー
グッチ裕三のバイアスかかってます
https://youtu.be/-nASHzcFji0



かりれよ~かりれよ~というところ、
ママみよ、ママみよ、ママみよいずこ~笑のところとか。


同じシリーズで「一週間の歌~スモーク・オン・ザ・ウォーター」(笑)も
面白いので─

【グッチ裕三 with グッチーズ】
一週間の歌~スモーク・オン・ザ・ウォーター
グッチ裕三のバイアスかかってます
https://youtu.be/bVh4TmZPr6Q



これはミュージシャンに実力があるからこそ、
こんなアレンジが出来るし面白くもなるのだ。
いやいや脱帽だ。
グッチ裕三の歌も抜群に上手い。


そして、「おげんさんといっしょ」の「パペトーーク」で
星野源さんの歌を皆(パペットたち)で歌うところ─
ピアノは宮川あきら。
おげんさんもパペットだったのがかわいかった。。
が、星野さんの曲の歌詞がすごかった。


「うちで踊ろう」という歌で、
あんなにポップな曲なのに歌詞がとても考えさせる内容で、
みんな独りだけれど、いつかつながれるように、
というような星野源らしい歌詞だ。
グッチさんも含めてパペットたちが歌うのが素晴らしかった。

「うちで踊ろう ひとり踊ろう
・・・
生きてまた会おう 僕らそれぞれの場所で 重なり合えそうだ
生きて踊ろう 僕らずっと独りだと あきらめ進もう
ひとり歌おう 悲しみの向こう 全ての歌で手を繋ごう
生きて抱き合おう いつかそれぞれの愛を 重ねられるように
・・・・・・」

星野源の思想が端的に表れている気がした。
星野さんをほとんど知らなかったが、骨のある人だと思った。
星野源の良さが分かったかもしれない。



グッチ裕三さんが「おげんさんといっしょ」収録の感想の動画もある。

おげんさんといっしょ【夢の共演】ハッチポッチステーション
https://youtu.be/dOfKUuy3ZOU




*羽生結弦関連テレビ*

・8月26日(土)NHK総合 よる11:00
おげんさんのサブスク堂 
*ゲスト羽生結弦






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歴史探偵・聖徳太子

2023年08月14日 | テレビ

まだ足が治り切っていないので、美術館などへは行けなくて
家でくすぶっている。
テレビを見て我慢してる。


だいぶ前にNHK総合で放送された「歴史探偵」で
聖徳太子の特集があった。



この番組「歴史探偵」は好きで、時々録画している。
今回も録画しておいて見たが、なかなか感想を書く機会がなく、
今になった。

スーパーヒーローとしての聖徳太子ということだったから、
山岸涼子の「日出処天子」を取り上げるのかと思っていたら、
全然なかった笑
(「日出処天子」は始めの方しか読んでないが
厩戸皇子以外の脇役の描き方が雑だったような覚えが…)


「日出処天子」は梅原猛の「隠された十字架」に
影響を受けて描いたと本人が言っていたから、
「隠された十字架」の怨霊説も登場するかと思っていたから、
ちょっと肩透かしだった。



番組は「聖徳太子 なぜ愛される?」と題して、
3つのテーマで展開していた。

1 文明開化の立役者
2 世界最古の木造建築
3 スーパーヒーロー伝説


聖徳太子は大陸の文明を取り入れようと
仏教の普及に力を入れた。
仏教を中心とした国造りを進めた。
仏教は当時の日本において、宗教というだけでなく、
それに付随する経典、
文字や建築、彫刻技術などの芸術をも含む総合文化でもあった。


仏教を取り入れることで、文化を発展させ、
大陸に日本(倭の国)が優れた国であることをアピールする
狙いもあった。
それが日本の文明開化を促すことになったというのだ。


遣隋使を派遣し、有名な国書を渡す。
「日出処の天子、書を日 没する処の天子に致す」・・・。


この書の内容が、大陸(隋)の皇帝とを対等として書いている、
と大論争になったことはスルーで…。
とにかくまあ、歴史バラエティ?なので、深いことまでは追求せず、
歴史の流れを追うという形なのだろうとは思った。

聖徳太子の尽力のおかげで大国・隋と国交が成立し、
大陸文化が日本の国に入って来た。
これが当時の文明開化だったと結論付けていた。


2番目のテーマ「世界最古の木造建築」では法隆寺を取り上げる。

当時、1300年前くらいに
あのような木造建築が日本で建てられたことは驚異である。
そして現存していることも驚くべきことだ。
もちろん、大陸からの技術を学んで、用いたことは当然だろう。
大陸の技術者を招いたのだろう。


番組では法隆寺の紹介の冒頭で、
初期の法隆寺は一度火事で焼失し、
現在のものは8世紀までに再建されたものだと、あっさり説明していた。

法隆寺再建説がかつてガンガンと、喧々諤々と論争されたことは、
ここでもスルー💦。
これが番組の限界かなあ?と思った。


法隆寺が今も再建当時のままの姿を保っているのは、
それを維持して来た、
それぞれの時代の宮大工の努力があったと思う。

宮大工の西岡常一棟梁の本によると、
法隆寺には専門の宮大工がいつの時代にもいて、
法隆寺の近くに住み、
解体修理のための技術を代々受け継いでいったという。

解体修理は何百年に一度という長いスパンで行われる。
その間も宮大工は法隆寺のそばに住み、
建築技術を次の代に伝えてゆく。
自分の代には解体修理は行われず、
何もしないまま死んでゆくという人もいる。
それでも彼らは黙々と法隆寺のために、
次の世代につなぐため、技術を伝えるためだけに
自分の建築技術を保持する。

そしていざその時が来たら先祖代々
秘かに受け継いできた技術を法隆寺修理のために活かす。

そうした宮大工の存在によって法隆寺は保たれて来たと思う。
「歴史探偵」では五重塔の構造を説明していたが…。


そして3番目の聖徳太子「スーパーヒーロー伝説」では、
なんとお札になった回数が日本で一番多い、
という説明に脱力した…。

確かに聖徳太子といえばお札でおなじみだが…。


あと、聖徳太子信仰が盛んになったのは、
浄土真宗の宗祖・親鸞の影響があったとの指摘は確かにそうだった。

親鸞聖人は聖徳太子を篤く信仰していて、
それが真宗信徒にも伝わった。
親鸞が聖徳太子信仰を広めた一端を担ったのは間違いないと思う。
親鸞聖人の展覧会を見に行った時、
聖徳太子関連の展示の多さに納得したから。


そんなわけで今回の「歴史探偵」聖徳太子特集は、
何となく消化不良のままだったが、
五重塔の構造を(地震に強い・崩壊しない構造)
模型で詳しく検証していたのは、
五重塔の建築様式を知るためにも良かったのではないかと思った。



「歴史探偵」は以前の「歴史秘話ヒストリア」から
受け継いだ番組だと思うが、
肩肘張らないで日本の歴史を分かりやすく紐解く番組なので
続いてほしいと思う。



-------

近畿地方は台風が直撃(>_<)
法隆寺は拝観停止だそうだ。
そう、文化財は守らないと。

火曜日はスーパーのポイント5倍デーだが、
バナナも安売りの日だが、行けないなら悲しい(T_T)








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