伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

ビートルズ リマスター

2009年12月27日 | 本・書評
またビートルズ話。

今年の話題、
ビートルズのリマスター版が出たことに衝撃を受けたのは、
「まだビートルズで商売が出来るのか」ということだった。





まだビートルズは商売になるのか。
いや、それどころか、
レコード会社(ディスク会社?)は永遠に
ビートルズで商売をするつもりなのだ。
今回リマスターが出たということは、
では今までのCDは一体何だったのだろう。
「レット・イット・ビー・ネイキッド」は何だったのだろう。

そして、リマスター版にステレオとモノがあるとかいう。
一体何のことなのだ。
情報のない世界に生きている私には、
全くわけが分からない状態だ。
初回限定生産とか、初回特典とか。
NHKのテレビで突然ビートルズの特集をしていたので、
一体なぜ今?と見たのがリマスター版について知った最初だ。


ビートルズの前にも後にもいろいろ音楽家がおり、
ポップスやロックだけでなく、
ジャズやクラシックの世界にも広げて考えてみると、
例えばカラヤンなんかも同じように「永遠に商売になる」
クチなのだと思う。

初めにLPレコードがあり(SPなんていうのもあった)、
それがモノラルからステレオになるとプレスし直し、
それがCDに変わると、また新たにCDにプレスし直す。
そうやって新しい録音メディアが登場するたびに、
一からプレスし直して改めて売り出す。
きっとビートルズやカラヤンは
そんな風に永遠に繰り返し再生され続けるのだ。

↓こんな本があったのを思い出し、読み直してみた。

http://hb.afl.rakuten.co.jp/hgc/095751bb.b4f9c287.095751bc.d211a14e/?pc=http%3a%2f%2fitem.rakuten.co.jp%2fbook%2f1539135%2f&m=http%3a%2f%2fm.rakuten.co.jp%2fbook%2fi%2f11140886%2f" target="_blank">

古いカバーのままだ。
今でも絶版にならずに売っているのだろうか。

もう少し個人的な感想よりも、
ただ淡々と機械的な解説をしてほしかったと思う。
でもこれを読んでいると聞きたくなってしまうので困る。
というのも、私のコンポが壊れてしまい、
スイッチを入れると唸り出して全然動かなくなってしまったのだ。
何年も(3、4年?)使わず、
ほったらかしにしていたのが悪かったのか。
ソニーなのに。いやきっとソニーは壊れやすいんだな。


それにしても、ビートルズのLP時代が懐かしい。
CDになって初期のアルバムが整理されてしまい、
全世界共通ジャケット、共通タイトルになってしまった。
でも、ビートルズの日本でのデビューアルバムは
「ミート・ザ・ビートルズ」というタイトルだったはずだ。
やっぱり日本人なら
「ミート・ザ・ビートルズ」というタイトルが欲しいよねえ。
と言っても私はビートルズデビューの時は全然知らないのだけど
(ほんとだってば)。




美術館・ギャラリーランキング


京都府ランキング


フィギュアスケートランキング


↓ブログ村もよろしくお願いします!

にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ
にほんブログ村

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村




水底の歌

2009年12月16日 | 本・書評
不眠症になり、夜、寝られないので
退屈で難解な本を読めば眠くなるかと思い、
ほっておいた梅原猛の「水底の歌」と言うのを読んでみることにした。

「隠された十字架」にハマった時に、
勢いで上巻だけ買い、
1、2行読んで放りっぱなしだった本だ。
何だか難しそうだったので読む気にならなかったのだ。


あの本なら、絶対退屈で難しそうだから眠くなるはず、
と読み始めたらあまりにも面白くてどんどん読んでしまい、
完全に逆効果になってしまった。

上・下巻になっていて本屋で上だけ買っておいたので下巻を持っていない。
このままならあっという間に上巻を読んでしまう。
その時になって下巻がなかったら、
ものすごい禁断症状が出てしまうだろう。

下巻も手に入れておいてから読まなくては、と思い、
とりあえず読むのを一時ストップし、
下巻を手に入れるまではもっとつまらなそうな
同じ梅原猛の「神々の流竄」という本を読むことにした。
そうしたらこれもひどく面白くて読むのをやめられない。
困った困ったこまどり姉妹。





歩ける範囲で行ける本屋へ行き、
「水底の歌」の下巻を探したが、
そもそも「水底の歌」自体が置いてない。
どこへ行っても梅原猛の本では「隠された十字架」くらいしかないのだ。
前に買った時には「水底」もそのほかのものも、
新潮文庫の梅原氏のものはほとんど置いてあったのに。
何という時の流れの速さ。

そんな感慨にふけっている場合ではない。
このまま中途半端な所で読むのを止めることには耐えられない。
何とか下巻を手に入れなければ。
というわけで、楽天で探したらあっという間に見つかり、
あっという間に送って来た。
このような時にはインターネットの有り難さが身に染みる。



下巻を手に入れてご機嫌になり、安心して続きを読む。
とにかく、
始めに斉藤茂吉をけちょんけちょんにけなしている部分が面白すぎる。
「茂吉に恥をかかせるつもりはない」
とか言いながら充分に辱めている。
もし茂吉が生きていたら訴訟ものだろう。
いや、死んでいるからこそ書ける訳だろうけれど。


そもそも私は柿本人麻呂と言っても、
名前を知っているくらいで、詳しくは何も知らないし、
興味もないのだった。
それは「隠された十字架」の法隆寺も同じだ。
人麻呂? 平安時代の歌人だろうくらいに思っていた。
そうしたら実は奈良時代の人だった。


大昔に「猿丸幻視行」という推理小説は読んだのだが、
そこで「水底の歌」がネタにされているのだが
(「水底」に頼り過ぎという評価もあったくらいだ)、
すべて忘れ去ってしまった。

いろは歌が出て来て、暗号になっていて、
折口信夫が主人公ということしか覚えていない。
ほんとうに我ながらこまどり姉妹…


その推理小説を読んだ時に、
「水底」も読んでみようという気にはまったくならなかったのだから、
当時から、よっぽど梅原猛を難解で退屈と思っていたのだ。
何しろ哲学者なので…

斉藤茂吉をさんざんに攻撃しているが、
それは何も茂吉が憎くてけなしている訳ではない。
茂吉というのはひとつの例であって、
例えば有名な歌人であり、
学者でもある「権威」が言うことなら何でも正しいだろう、
何ひとつ間違いはない、すべて鵜呑みにしてしまう、
という我々の態度をこそ、梅原猛は批判しているのだと思う。


つまり、偉い人の言うことだからそれは正しい、
と思考停止してしまい、自分では何一つ確めず、
考えず、偉い人の言うことをそのまま信用してしまう。
そういう態度が、真理を追求する哲学者として我慢ならなかった。
もし、偉い人の言うことが独善的で、
独り善がりで、間違いだったとしたら?

どんな偉い人の言うことでも、
どんなに世間で常識とされていようと、
自分でまずそれが本当に正しいのか、本当のことなのかを確める、
それが我々にとって最も大事なことではないのか。
梅原猛はそう言いたかったのに違いない。


梅原氏の主張する説が正しいのかどうか、
それはむしろどうでも良く、
何百年も「常識」とされて来たことに挑戦する、
その真理の追究の態度が美しい、と思うのだ。
まだ全部は読んでいなくて頁が残っているのだが、
読み終えるのが惜しくて、なかなか読み進まない。



隠された十字架






美術館・ギャラリーランキング


京都府ランキング


フィギュアスケートランキング


↓ブログ村もよろしくお願いします!

にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ
にほんブログ村

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村




HELP!

2009年12月04日 | 映画
更新しようと思うがなかなか実行出来ない。
ビートルズ関連について書く。

ビートルズの映画「HELP!」がテレビで放送された。
録画して何度も見る。

ビートルズたち本人はこの映画が好きではなかったようだけど、
でも私は好きだ。
コメディ映画としてとてもよく出来ている。
いつ見ても面白いし、今見ても面白い。
もう44年も前の映画だなんて、信じられない。

DVDも出ているみたい↓


リチャード・レスターのイギリス人らしい感覚が、
随所に、
というかどの場面からも溢れていて、興味深い。
アメリカ映画ではこのような味わいはないはずだ。

当時のユナイト映画だったと思うので、
007のテーマ曲が使えたのだろう(詳しく正確には知らないが)。
スコットランドヤード、バッキンガム宮殿、
ビートルズの住む市街にすらも英国の匂いが濃厚に漂う。

レスターはのちに「三銃士」や「ジャガーノート」などの
娯楽作品を作るが、特に「ジャガーノート」は素晴らしい出来で、
マイ・フェイバリットのひとつ。忘れられない作品だ。
随所に皮肉っぽいユーモアがあるところが彼らしさだろう。


「HELP!」はまずタイトルバックが素晴らしい。

私が見たすべての映画の中の
ベスト3に入るかと思うような見事なタイトルバックだ。

Where is the ring?と言うセリフにかぶるように、
「HELP!」の曲がいきなり始まり、ビートルズの演奏風景。

そしてストーリーのキイとなる
リンゴの嵌めている指輪(リンゴのリング!)がアップになる。
画面はなぜかモノクロで、
まるで前作の映画「ハード・デイズ・ナイト」を思わせるが、
そう思わせておいて、
あっという仕掛けをこのタイトルバックに施している。
なんと粋でシャープ。


今考えると、このタイトルを
ビートルズと彼らのマネージャー、エプスタインがよくオーケーを出したなと思う。
彼らのクローズアップ画面にダーツの矢が刺さるなんて!
それ以外にも、「ナイト・ビフォア」の演奏風景に、
その曲が突然ぶつ切りされて「シーズ・ア・ウーマン」の曲がかかり、
交互に2つの曲が流される。
映画の場面転換の上で必要なことなのだが、
こんなぶつ切りをよくビートルズサイドがオーケーしたと思う。


レスターは、ビートルズのメンバーを
完全にギャグの素材として扱っており、
それが映画的に成功している。
ドライな扱いではあるけれど、
それ故に映画が今見ても耐えうる出来になっていると思う。

当時、1965年はビートルズは完全にアイドルで、
世界的な人気者で、
スクリーンの画面に向って女の子がキャーと騒ぐことが普通だった、
そんな存在だった。
普通ならそんな存在を、腫れ物を触るように、大物として扱うだろう。
今の日本のSMAPみたいに。
でもレスターにはそうした遠慮がない。
それが、とても心地よい。


しかも、毎回この「HELP!」を見るたびに、
演奏中のビートルズのメンバーの表情が
とてもビビッドに映されているのに感心する。
スタジオの外、野外やバハマの海岸でも演奏風景があるが、
その時のビートルズの表情も良い。

こんなギャグ映画ででも、
彼らのナマに近い表情を撮影出来ていることが素晴らしい。
おそらくズームを使ったのだと思うが。

「HELP!」という映画は、
ビートルズファンの間ではわりと評価が低く、それが少し不満だ。
コメディとして良い出来なのに不憫なので、褒めてみた。
まあ少しやりすぎな面もあるけれど、クロージングも素晴らしいし、
もっともっと語りたいところだ。

あと、この映画で初めてカーリングという競技があることを知った。

CD





美術館・ギャラリーランキング


京都府ランキング


フィギュアスケートランキング


↓ブログ村もよろしくお願いします!

にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ
にほんブログ村

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村