去る平成29年4月13日,JAみやぎ登米りんご生産部会会員7名を対象に,りんごジョイント栽培接ぎ木講習会を開催しました。
ジョイント栽培とは,神奈川県農業技術センターで開発されたこれまでにない「樹と樹をつなげる」仕立て方法で,従来の仕立て方では定植後10年を要していた基本樹形の完成を,定植後5年で完成させ成園化にできる超早期成園化技術です。また,単純な樹形で一定方向に管理できるため,授粉や摘果等の作業時間が短縮されるほか,高度な技術が必要とされるせん定作業は側枝の更新のみと単純化され,栽培経験の浅い方でも取り組みやすく,樹体にとっても樹勢が均一な勢力で揃えられるといったメリットがあります。
今回の講習会では,この「樹と樹をつなげる」作業である接ぎ木について,宮城県農業・園芸総合研究所から講師を招き,実際に接ぐ作業をしながら,作業のポイントについて解説をいただきました。
接ぎ木作業そのものは,ベテランのりんご栽培者であれば多くの生産者が経験したことのある技術ではありますが,ジョイント栽培においては接ぎ木作業の前準備,段取りが重要とのことで,苗木の育成手法や定植のポイント,作業の進め方のコツなど,細やかにかつ丁寧に講義いただきました。
特にジョイントするためには接ぎ部位の枝の太さが同じことが重要であり,そのためにも育苗時の管理でいかに揃いをよくするか,また主幹部の水平誘引の位置を考慮した切り戻しの高さがポイントであること等,指導いただきました。
このジョイント栽培は,なしについては県内で取組事例がありますが,りんごに関しての取組はまだ少ない状況です。JAみやぎ登米りんご部会でも会員の1人が取組の意向をみせ,今回接ぎ木講習会の運びとなりました。これをきっかけに,部会の現地検討会等で巡回しながら,生育状況や導入の善し悪しを追跡,検討していきたいと思っています。
<連絡先>
宮城県登米農業改良普及センター 先進技術班
〒987-0511 宮城県登米市迫町佐沼字西佐沼150-5
電 話:0220-22-6127 FAX:0220-22-7522