里の家ファーム

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「東京新聞」社説  訪日客と共に生きる

2023年10月22日 | 生活

 インバウンド(訪日客)需要が劇的な回復を見せています。国土交通省の外局である観光庁の調査では、79月期の訪日客による消費額は約13900億円と3カ月ベースで過去最高を記録しました。中国からの訪日客が戻り切っていない中での数字ですから、円安効果を考慮しても観光産業は統計上「コロナ禍をほぼ乗り越えた」といえるでしょう。

 訪日客の消費額は今年、2019年に記録した約48千億円を上回る可能性が出ています。

 19年の訪日客による消費額を日本の製品別輸出額と比較すると自動車(約12兆円)、化学製品(約87千億円)に次ぐ規模。半導体関連の電子部品(約4兆円)や鉄鋼(約31千億円)なども上回ります。インバウンド需要はすでにコロナ禍直前、強力な成長産業へと発展していたのです。

◆当たり前の日常が人気

 米国大手旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー」が3日に発表した読者投票で「最も魅力的な国」の1位に日本(昨年2位)が選ばれました。世界経済フォーラムが発表した21年版旅行・観光開発ランキングでも日本が1位でした。

 美しい自然や街並み、歴史的建造物、おいしい食事…。観光人気の理由として思い付く項目ですが果たしてこれだけでしょうか。

 韓国人の知人は「混雑時を除く日本の電車内が好きだ。お互いを気遣いながら過ごす姿に心地よい緊張を感じる」と明かします。

 ユーチューブなどの動画共有サービスでは、落とし物が手元に戻る体験や礼儀正しい店舗従業員に感心する訪日客の姿がひんぱんに流されます。人々が整然と横断歩道を渡る姿が人気となっているJR渋谷駅(東京都渋谷区)前のスクランブル交差点は、もはや世界的観光スポットです。

 自然や歴史的建造物など典型的な観光資源に加え、新たな投資の必要がない「日本の当たり前の日常」が人気を押し上げているとしたら、観光地として世界有数の競争力を持つことになります。

 ただ、訪日客と共に息長く生きるためには課題もあります。

 観光庁によると、236月の外国人宿泊者数の7割が東京、名古屋、大阪の三大都市圏に集中しています。観光人気が日本人の持つ特質に支えられているのなら、地域間の不公平は許されません。

 同庁の中村広樹観光地域振興部長は「観光地の都市圏偏在は大きな課題。観光先を各地域に広げる工夫が必要だ」と強調します。

 米紙ニューヨーク・タイムズは1月、観光地として行くべき52カ所を発表し、盛岡市がロンドンに次いで2番目に紹介されました。推薦理由には個性的な喫茶店や書店など文化度の高い市民の暮らしぶりが挙げられています。「なるほど」と納得しました。

 海外からの評価による気付きは観光地拡大の助けになります。観光庁や自治体は地域の魅力を紹介するため、各国の有力メディアに強く働きかけるべきでしょう。

 訪日客と受け入れる側とのあつれきも問題になっています。観光客が殺到するオーバーツーリズムや一部の客のマナーの悪さです。しかし、あつれきの萌芽(ほうが)は工夫次第で摘み取ることができます。

◆異国をつなぐ平和産業

 インターネットなど多様な手段を駆使して、各国の言葉でルールを守るよう丁寧に伝えれば一定の効果はあるはずです。観光客が集中して交通が混雑する問題でも、他の行き方を紹介したり、時間帯をずらしたりするよう呼びかければ緩和につながります。

 地元の店舗や観光業者、警察署など多くの組織との調整が必要ですが、行政が大きな役割を果たすべきだと考えます。

 観光産業は雇用や賃金の問題も抱えています。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると22年の年間賃金総支給額は全産業で497万円だったのに対し、宿泊業は346万円と大きく下回ります。総務省の労働力調査では、宿泊業の非正規雇用率は全産業を17ポイントも上回る54%です。

 非正規雇用の多さが低賃金につながる負の構図を修正しなければ長期的発展は期待できません。観光業界の賃金改善に向けて収益力を向上させる戦略を描くため、金融機関を含む企業、大学など教育機関も巻き込んで、地域ぐるみで知恵を絞る必要があります。

 異国の人々をつなぐ観光産業は平和であることが大前提です。不毛な戦争に怒りを感じながら、観光を巡る課題解決のアイデアはないかと思いを巡らせています。


そうですよね。
なのに「戦争」したい「軍拡」路線のキシダ政権は即退場していただかなければ、ニッポンの未来はないでしょう。

丁度下記のシンポジウム観ました。
皆さんにも観ていただきたく、紹介させていただきます。

【ライブ配信 2023年10月22日】シンポジウム「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」―登壇:古賀茂明氏(元経産官僚)東村アキコ氏、田中優子氏、前田佳子氏、望月衣塑子氏

 

園のようす。