世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

びい玉

2012-10-21 07:27:08 | 薔薇のオルゴール

森の木の根元に
半分埋もれた
青いビー玉を見つけた
土をかいて かいて
爪で掘り起こして
やっと手にいれた ビー玉
ああ 早速お日様に差し上げよう
光を吸い込むとそれはきれいだから
ああ 幸せを分け合うことほど
幸せなことはないから

お日様 お日様
あなたが こんな小さな
ガラスの玉に入るなんて
ご存知でしたか
お日様 お日様
あなたのひかりを浴びると
ビー玉はまるで
生きている星のようです

だれがあんなところに
ビー玉を埋めただろう
どこからか流れてきて
亀が運んできたのかな
それともカモメが
種と間違えて 運んできたのかな

ああ 幸せを分け合うことほど
幸せなことはないから
分けてあげる
ビー玉を持っていたら
お日様にかざしてごらん
光が星になって
君に秘密の歌を歌うよ
あいしているよと
何もかもが 君を愛するために
見えない魔法の糸で
君の小さな指を 編んでいるんだよ


(オリヴィエ・ダンジェリク詩集『空の独り言』より)


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