世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

3月の終わり

2013-03-31 06:51:32 | 花や木

今月は本館でお花特集です。先月はできませんでした。いろいろと頭の中を言葉の嵐がめぐって、書かなければいけないことがたくさんあって。でもそろそろ落ち着いてきたので、久しぶりにお花の特集です。

春も深くなってきて、いろいろな花が咲いてくれています。冒頭は小さな白いすみれの花。
ご近所のお庭に生えていたのを、また勝手に撮らせていただきました。



はくもくれん。ご近所のお庭に立っている木です。もうその家は空家になっているのですけど、花は毎年咲いてくれて、見る人を楽しませてくれます。



うちのお庭に咲いている黄水仙です。前に今年は咲いてくれないのかなと書いた覚えがありますが、あれからきっちりとお庭の隅から芽を出してくれて、咲いてくれました。きれいです。お庭の花が、わたしを愛してくれている。



オダマキ。近所のスーパーの売り物である鉢の花を、また勝手に撮らせていただきました。きれいですね。楚々としながらも、華やかで。



スノーフレーク。近所の空き地に咲いていました。白が光っているようできれいだ。



オオイヌノフグリ。火を浴びて何かの宝石のように燃えている。今年の花はことのほかきれいですね。



菜の花。ご近所の空き地で群れ咲いています。前より少し群落の規模がちいさくなっている。それはきっと、その空き地が、そう遠くない未来に、宅地に整備されるからだと思います。菜の花も悲しいんでしょう。でも美しい。



ヒメキンギョソウ。近所の公園に群れ咲いていました。いっぱい咲いているところをこうしてとると、本当にきれいですね。



ハナカイドウ。ご近所のお庭でほぼ満開でした。とてもきれいです。



最後はホトケノザ。厳しいホトケノザも優しい顔で写ってくれている。

花が皆、私に深い愛を見せてくれる。まいったな。これはどうやら。

くるところまできてしまったというレベルではなさそうだ。


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高波

2013-03-30 06:58:01 | 詩集・試練の天使


真実の天使よ 話をしませんか

(これは あなたからお誘いをくださるとは
 めずらしい)

少々疲れを覚えることが
ありましてね

(苦しそうですね
 何かあったのですか
 聞いても教えてはくださらないでしょうが)



(なにか わたしがあなたを
 助けられることがあるのなら
 させてはくださいませんか)

おろかにも 愛する君よ
あなたはもう 何もしないでください
苦しまず 傷つかずにいられる
岩戸にこもっていてください
あなたに何かをされると
わたしのほうが苦しい

(ああ そうですね
 わたしは 苦しみすぎた
 もはやこれ以上 苦しむことができないほどに
 幸せなもの以外には
 なれないものに なるほどに)

もはや 人類の道はひとつ
たった一つ残った あなたという愛のともしびを
なんとかして守らねばならない
だのに
人間のすることは ただ
自分の幸せをもとめることだけだ

(人間はみな 生きることは
 なぜこんなに苦しいのだろうと
 思っています
 その答えは ただ
 生き方を間違えていると言うだけなのですが
 それを わたしは何度も教えたのですが
 誰も聞いてはくれなかった)

ほ 今さら
ああ ここまできても
人間は動かぬか 何もしないのか

(あなたを悩ませているのは
 たぶん 事態が深刻などというものではないと
 いうことですね)

ええ どんなに頭を巡らせても 
それに反論する言葉は見つかりませんね
まことに そのとおり

ああ
人類よ

(ええ 人類よ)

わたしたちは 来る
はるか かなたより
あなたたちのために

(わたしたちは 天使存在
 どのように 傷つこうとも
 何度 倒れようとも
 わたしたちは 来る)

すべてを ありのままの
あなたたちに 教えるために

(愛している あなたたちを)

ええ 愛している

(かなしみを 雪にたとえむ 目をとぢて)

あふるるものは 春の高波



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君子は器ならず

2013-03-29 03:15:15 | てんこの論語

子曰く、君子は器ならず。(論語・為政)
先生はおっしゃった。立派な人物というのは、何かの役に立つ道具のようなものではない。有能であるというよりは、愛そのものの体現なのである。

   *

以前、別館ブログで「半眼の星」というエッセイを書いたことがありますが、これも似たような内容です。その時扱った言葉は確か、「政をなすに徳をもってす。たとえば北辰のそのところにいて…」でしたね。

わたしはその言葉から、「北辰制」などということばを考えてみたのですが。要するに、愛を体現することのできる、徳高い、すなわち深い教養と高い愛を持った人間を北辰として真ん中におき、それを中心として、高い能力を持った人々が集まって政治を運営していくと。
これには、前にわたしが小学校のPTA会長をしていたときの経験がもとになっているのですが、それをひな形に、政治の理想的形として、「北辰制」という言葉を思いついたのです。まだ言葉だけで、それをどういう風に作っていくか、運営していくかなどは、まったくわかりません。わたしは女性で、夢のごとき言葉を織る詩職人であり、政治は専門ではないので、それにぴったりと思える言葉を生み出すことしかできない。

実際に政治に、北辰という考えを取り込んでいくには、わたしよりもほかの、もっと政治に卓越した知識と経験を持つ人の力が必要だと思っています。

北辰とは、総理大臣や大統領や議員など、政治的な技術の持ち主ではありません。プロじゃない。ただ、愛ゆえに皆を愛し、皆の存在の意義を光らせ、皆の本当の力を引き出すことのできる、高い人格を持った、すばらしい人のことなのです。北辰がいれば、才能ある人が、真に才能を発揮することができ、それによって、正しく政治が運営されていくようになる。

北辰は、その人の能力的に有能なことよりも、その人の愛の深さ、高さが、大切だ。国を愛し、国の人々を愛し、国をなんとかしてくれる有能な人を愛し、それゆえにすべてに愛が行き渡り、命の本当のみずみずしい生命力が花開き、人間の本当の力が目覚めてくる。そのような深い愛の体現たるものが、君子であり、北辰なのです。

しかし、この「愛」というあまりにも高く、繊細な概念を、現実の政治の中に、取り込んでいくのは、相当に難しいでしょう。北辰を選挙で選ぶことはできない。その人の愛の深さを、どうして知ることができるか、どのようにして政治に取り込んでゆくことができるのか、実に私には皆目見当もつきません。だが。

わたしは、それをやってくれる、とても力のある天使か人間が、助けにきてくれると信じている。人々のために、もっともよき人を選ぶための、方法を、作ってくれる素晴らしい人がこの世に生まれてきてくれると、信じている。

わたしは甘い人間なので、こう考える。でも、わたしの願いは、本当にかなうのですよ。

子曰く、魏魏乎たり。舜、禹の天下をたもつや、而してあずからず。(論語・泰伯)
先生はおっしゃった。ああなんとすばらしいことだ。舜や禹の時代の政治は。彼らがただ、君臨していたというだけで、国は平和で美しかった。

その人がそこにいた、というだけで、すべてのことがうまくいき、みなが平和に楽しく暮らすことができた。孔子の理想の政治とはこういうものだったのです。北辰とは、君子とは、高い政治的技術を持っていると言う人ではない。高い徳性を持ち、すべての人を愛で豊かに満たすことのできる人のことなのだ。その愛があってこそ、多くの人が、自分の本当の力を出すことができる。そしてその、みんなの力で、国は正しく動いてゆくことができる。

理想論と言われて、軽んじられることも多かった、孔子の言葉ですが、そう、結局はここに帰ってくる。どう考えても、これは正しいことだからだ。本当に、結局は、正しいものが勝つ。たとえ、三千年、四千年と時間がかかろうと、物事はすべて、正しい理想に帰ってくるのだ。

民主主義は今、堕落と荒廃の坂を転げ落ちている。実際わたしは、オバマの次の大統領がいるのか、未来に希望を見ることができない。もう民主主義は限界を超え、ただ、今もやっているだけだという空っぽの制度になっているような気がする。

これからの未来が、どう変わっていくのか、どう動いていくのかは、わからない。ただわたしに言えることは一つ。

わたしはひとつの、あばら家を建てた。

そして新しい国は、種をまいた土地から一本の楠が盛り上がってくるかのように、いつの間にかできてくる。





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いたづらに

2013-03-28 06:47:11 | 歌集・アンタレス



いたづらに 限りある世を 歩み来て 君いづこゆく 月天の丘



うたがひも せずに来た夢 砂と消え 何をよすがと 君は空見る



忘れよと 耳に口寄す ものありて ふりむきざまに 赤き風見る



さいはひを ほしきといひき われのみの かたきさいはひ あほうが叫ぶ




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会ふこともがな

2013-03-27 06:52:11 | 歌集・アンタレス



身をそぎて つくりたる飴 甘きぞと 子らに食はせる しらゆきの鶴




かろがろと をさなのごとく なうたひそ あいしていると あいしていると




あおぞらに とけてきえゆく あはゆきの ごときしらとり 去りし後の野




たまかぎる ほのかに灯る 月の火の しづかにしろき しじまにぞゆく




うしなひて のちの世の歌 さびしきと 歌ふこころは 無き夢の珠




血を吐きて 喉を砕きて 呼び戻す ひとの声泣く 君はまたゆく




さなきだに 空の鳥の音 さびしくも 目をとぢてゑむ 君の沈黙




空高く こころ飛ばさむ あふれだす 涙とまらず 喉も割れよと




白珠の ちひさき飴を まるめては ふたたび君に 会ふこともがな




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西洋絵画史における本物の美女

2013-03-26 11:35:13 | アートの小箱

(だれが考えるんですか、こんな記事。)

ほ。あなたではありませんか? もともと西洋美術はあなたのご趣味だ。

(それにしても、あんまりじゃありませんか?)

何、レカミエ夫人を見て、見破ることができなかった人間が多くいましたので、少し本物を見せてあげたいと思っただけですよ。

(やはりあなたの御企画ですね)

何、あなたも荷担しておりますよ。楽しそうに絵を選んでいたではないですか。
まあみなさん、今日二度目の更新です。ここにあげられる絵は、すべて、モデルとなった女性が本物の美女である絵です。じっくりとご鑑賞ください。

まず冒頭の絵は、「ヴェールの女」、ラファエロ・サンツィオ。モデルはラ・フォルナリーナ、本名はマルゲリータ・ルーティ。賢そうな女性ですな。ラファエロ嫌いの彼女も、このモデルの女性は好きだそうです。



「ゆりかご」、ベルト・モリゾ。モデルは画家の姉、エドマ・モリゾです。なかなかにしっかりした女性のようだ。横顔に、彼女の心を感じませんか?



有名すぎる絵ですが一応解説しましょう。「オランピア」、エドゥアール・マネ、モデルはヴィクトリーヌ・ムーラン。
これも気性のきつそうな女性です。エドマもヴィクトリーヌも画家を目指していたそうだが、さまざまな障害の前に、夢破れたそうです。



「ベアータ・ベアトリクス」、ダンテ・ゲイブリル・ロセッティ。モデルは、エリザベス・シダル。彼女は画家の妻となりましたが、夫の心を愛人ジェイン・モリスに奪われました。ちなみにジェインは偽物です。見比べてみれば、差がわかりますよ。ジェインをモデルにした絵は、どことなく嘘っぽい。関心ある人は、ロセッティで検索してみなさい。



「聖母子と二天使」、フィリッポ・リッピ、モデルは画家と駆け落ちして結婚した、ルクレツィア・ブーティです。なかなかに楚々とした女性だ。画家が一目ぼれするわけです。リッピの絵に愛のころもがほのかにかかるのは、この女性をモデルにしてからです。いや、美しい。



これも捨てがたいので入れました。「すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ」エドゥアール・マネ。美しいが勝気な感じの女性ですな。良い絵を描きます。才能ある女性らしい、何か強いものを持っている。マネの周りには、こういう女性が多かったようだ。ベルトはエドゥアール・マネを愛していたが、彼の弟、ウジェーヌ・マネと結婚したそうです。この絵を見ると、彼女の、画家への気持ちが感じられます。人を深く愛することのできる、いい女性だ。愛に耐えることもできる。この瞳を、画家はどういう心で描いていたのでしょうねえ。

ということで、西洋美術史における、本物の美女を描いた絵を紹介してみました。

よく見てごらんなさい。レカミエ夫人と、目が違うでしょう。

いいですか、みなさん、心を見なさい。うそとほんとのちがいくらい、わかるようになってください。

女性のみなさん、今日は厳しかったですねえ。いやあ、わたしは、辛いなどというものではない。

でも、これも、あなたがたのためにいうのです。そろそろやめないと、大変なことになりますから。

女性は、心です。心の美しさこそが、美です。本来ならばそれが、姿そのものとなって出てくる。心の形がそのまま表に出ているこれらの美女たちを、よく見てください。女性の美とはどういうものかを、学んでほしいものです。

これがわかる人が、いればいいのだが、まだまだ、見栄えにだまされる人間は、多いのですねえ。どう思いますか、真実の君。

(……何をどういえと言うのですか。こんなことをして、いいんですか?)

いや、忘れておりました、あなたを。あなたも真実の美女でしたな。

(もうだめです。わたしは。あなたはやることが、ひどい。)

愛ですよ。これも。

ふ。





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たをやめの

2013-03-26 06:09:46 | 歌集・アンタレス


たをやめの しろき花なる かたちして まなこにうごく 青黒き蛇




ほほゑみを 花のこぼるる ごとくして 仮面がずれる 心がばれる




しらゆきの ごときましろの ころもきて なよそほひそ 天使の顔を




白粉を 塗りて隠せぬ その心 そのままの顔 悲しき夢よ





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準備をせよ

2013-03-25 06:59:13 | 歌集・アンタレス



くりかへす 準備をせよと くりかへす まことのみづの たかなみは来る




きたぐにを あらひしみづの 神ゆゑの まことを知るは ももとせを待て




恥づべきを 恥と思はず もてあそぶ 金は一夜で 馬鹿の思ひ出




情熱と 金をそそぎて 建てし塔 昔の馬鹿が のぼる煙突




くりかへす ふたたびみたび くりかへす 今準備せよ あほうがばれる




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いつはれもせず

2013-03-24 07:18:40 | 歌集・アンタレス


愛すれど かひなき道を 歩みきて ほほゑみのまま こほりつく君




かひなきも しらたまはあり 身のうちの 星のこころは まだ歩みゆく




ますぐなる こころもてゆく 君の背の 孤独に膿みし 赤き傷見る




愛なれば ゆかむとのほか いふべきの ことばをしらず わらふてもよし




甘き夢と 責むるこころは 痛けれど いつはれもせず 君追ふこころ




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あこがれの

2013-03-23 07:00:14 | 詩集・試練の天使


あ こ が れ の
あ の ひ と に
な り た か っ た
あ こ が れ の

あ こ が れ の
あ の ひ と に
な り た か っ た
わ た し は

おもき つみの 
てつの りんごを せおい
くらき やみの ならくへは
いきたく ない

く る し い の は
い   や   だ

だから

すべ てを
わた しが
ただしい こと に
すれば いい

わ た し は
な り た か っ た
あ の ひ と に

あ こ が れ の
あ の





わたしが わたしで
なくなれば
やってしまったことなど
きれいさっぱり なくなるのだ
つみの つぐないなど
しなくて よいのだ
なにも
 せずに
ただ
 ひとを
ばかにして いればいい

あ こ が れ の
あ の ひ と の
顔 を 盗 み
足 を 盗 み
頭 を 盗 み

今の わたしは どうだ
りっぱな ものだ ろう









ふう

ばあかめ



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