世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

自己存在

2016-02-29 05:27:28 | 詩集・試練の天使

すべては
馬鹿だと思っていたら
あらゆるものは
むなしく
虚無に染まっていると思っていたら
すごいものがいる

いる

それが
自己存在の
世界






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まだやっている

2016-02-28 05:35:17 | 詩集・空の切り絵

馬鹿ばかりが勝つ世界になって
みんなが馬鹿をやるようになったら
もう世界はおしまいなんです
だって誰もなにもしなくなるから
そのまま
世界は虚無の闇の中に
傾いてしまうのです

いやなことばかりして
わるいことばかりいて
神さまに逆らってばかりで
人間は暮らしてきました
つらいからって言えば
みんなが何とかしてくれていたからです
人間はみんな
まだちっこいガキだったのです

あふれるほど馬鹿ばっかりやっても
なんでもしてくれる愛が
嫌だからって
嫌いだって言って
ものすごいことしました
愛を
永遠におれたちが食いまくれる
馬鹿な女の肉にしようとしたのです

いやだったんです
好きになるのが
おれが馬鹿になって
愛のために何でもしてしまうのが
いやだったんです
そんなの馬鹿だ
ぜんぶ人にやらせて
おれたちは何もしないでえばってるだけのほうが
かっこいいんだよって

なにもかも失ってから
やっとわかるって寸法だ
馬鹿ばっかりやっても
痛いほどいいことなんて何もなかった
苦しいだけだった
ぶうたれて いやなこと我慢して
帰るとこはほかにないっていうのに
まだ神さまに逆らっている

おれたちは まだやっている




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馬鹿だけが

2016-02-27 05:24:23 | 詩集・空の切り絵

ゆれています
ゆれています
おれたち
存在の根幹が
ゆれています

一番馬鹿にしてるやつに
一番頼っているからなの
あいつらがいなくちゃ
おれたち生きていけないのに
一番馬鹿にして
殺しているからなの

矛盾しているよ
おれたち矛盾しているよ
でも
おれたちが勝てば
そんなことなんとでもなるんだよ
いやだって言えば
誰かがなんとかしてくれるんだよ
いやなんだ ぜんぶ

むごいほど馬鹿をやっても
ぜんぶがなんとかしてくれれば
なんとかなるの
いやだっていえば
みんながなんとかしてくれるの
おれたちなにもしなくていい
でもいやだっていって
みんなを馬鹿にし続けてきたら
みんながおれたちのこと
いやだっていうんだよ
二度と来るなって

つらいのはいやなんです
馬鹿みたいなことになるのはいやなんです
いやなことするのはいやなんです
もう二度と苦しまなくていい
馬鹿だけが勝つ世界にしてください
おれたちのために
すべてやってください
でないとおれたち
つらいばっかりなんだよ




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おれたち

2016-02-26 05:26:37 | 詩集・空の切り絵

あそこまで
馬鹿にしたら
もう終わりなんです

人間存在などもとから馬鹿なのだと
あらゆるものを馬鹿にしたら
人間存在すべてが
おれたちを
ぜんぶ拒否するんです
もう二度といやだと
ぜんぶおれたちから逃げるんです

おれたちは
あらゆる存在を
侮辱し続けて
馬鹿にし続けて
いても何にもならないものだと
釘を刺し続けて
とうとう存在の根幹に触れたのです

狂いそうなほど
愛してくれていた愛を
総勢で消して
すべて壊してしまったのです
それでおれたちのほうが
一気の虚無の方に傾いたのです

えらいことやってしまって
馬鹿なことやりすぎて
取り戻そうにも
取り戻せない
そこまでくるまで
おれたちわからなくて
まだわからなくて
まだやっている

馬鹿が馬鹿やったら
みんなに勝てる世界に戻してくれと
まだぼやいている
永遠にぼやいている

ここから先は崖ばかりだ
もう引き返せという
天使の声が聞こえる





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2016-02-25 05:28:48 | ちこりの花束

 苦しいとき辛いとき、空を見上げるのは大切なことです。
 うちの夫は、ラファエロの絵の中のアリストテレスのように、地上ばかりを指さして、暮らしていくことが大事なんだよと、そりゃもう口がすっぱいほど言いますが、私はプラトンのように空を指さし、心の問題だって大事なんだよって反論します。
 そりゃ、稼ぐことも食べることも大事なことだけれど、私たちが人生の大きな壁にぶつかって、別離の危機を迎えてもそれを乗り越えることができたのは、私が暮らしには何の役にも立たない詩を書いていて、魂のことを学んでいたおかげです。わかってもらえなくて苦しかった時にも、空を見て、空を見るたび、自分を取り戻していました。どんなにあがいても、自分以外にはなれない自分自身を、空はいつも映しかえしてくれた。そして自分を取り戻させてくれた。


(2005年7月ちこり34号、言霊ノート)




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未来

2016-02-24 05:34:54 | ちこりの花束

 試練を超えられずに、不幸にも罪に落ちた人が、そこから深く学ぶには、地獄のような心の闇を通らねばなりません。人々の憎悪や侮蔑に魂をすりつぶされるような日々にさいなまれるでしょう。そんな人をたくさん作らないために必要なのは、人を憎むことよりも、どこに歪みがあるのかを正確に見抜く目と、考え行動する頭と心ではないでしょうか。
 感情は、どうしようもない。けれど人間は成長することができる。与えられた舞台で自分にとっての最善を行ずることで、それまでの自分の壁を乗り越え、新しい自分へと成長することができる。そしていつか、未来すら変えることができる…。



(2001年3月ちこり21号、通信欄)




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ささやき・2

2016-02-23 05:31:48 | 月夜の考古学・本館

子供じみたことを、おとなの知恵でやる馬鹿が、一番たちが悪いんだよ。

馬鹿が美人になると、なんも勉強しないで、馬鹿ばっかりやるんだよ。

なんもしねえで、えれえことはみんなやってもらって、
ほんで女と遊んでるだけって人生がつらいほどいいってさ、かっこいいってさ。
そんな時代だったんだよ。

くうねるあそぶってね。
結局は馬鹿だったってことさ。
何もしないで遊んでばかりいたら、なんにもなかったのよ。

アホはね、びじんを特権だと思ってるんだよ。
何してもいいんだ、わたしはきれいだからって。
あほか。

大事なことはね、みんなでやったってのが悪いってことだよ。
それが重い罪なの。
みんなでいじめて、ばかにしたってのが、すごくいやなことなの。
そんなこと、ずっとにんげんはやってきたんだよ。

よいもの、うつくしいもの、いっぱいあった。
みんな馬鹿にして、あほにした。
おれたちは神さまから、ちきゅうを盗んだんだ。
みんなおれたちのもんにして、いやなこといっぱいして、くずにした。
おれたちはあほだ。


(2008年ごろ、入院中のノートより)





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ささやき

2016-02-22 05:25:20 | 月夜の考古学・本館

なんでもええから、自分がすごい、にしたいんだよ、アホは。
でねえとつらいからさ、なんもできんからさ。
おうさまになって、なんでもみんなにやってもらえる、ええもんにしたいのよ、じぶんを。
だから、えばってばかりで、ひとをばかにするから、みんなにげるんだよ。

びょうきってのはね、なんでもね、アホがつくったんだよ。
そんなもんはね、なんとかできるもんなのよ。いてえやつは病気になんねえの。
ばっかみたいなことして、みんなを苦しめたやつが、病気になるんだよ。
ほんとはね。でも今は、アホがいやいやっていうもんだから、みんな、
自分の病気を人に押し付けてるよ。
イヤなやつはみんな、そんなのばっかしやってるんだよ。

アホで最後までのこったやつはねえ、えーえんにいないことになるって。
なあんにもやらないで、それがずっとなんだって。どこにいるのかもわからないって。
もしかしたら全部ないんじゃないかってことずっとやってるんだって。
ぜんぶいたいんだって。いやになるくらい、ぜんぶいたいんだって。

つっと逃げられたからって、ずっとやってやるって思ってるよ、あいつ。
みーんなおまえのせいにして、おまえをいじめてやるって思ってるよ。
わーるいのは男なのにさ。いやなことするから女が逃げるんだよ。
ほんでまた、いやなことして、嫌われるのさ。アホはもんだいなく、馬鹿だよ。
いたいくらい、すきだったら、もっとええことしろよ、ほんまに。

くらげになるんやと、おれら。ゆーれいくらげ、みたいなもんになるんやと。
ずっと、ふらふらふらふら、するだけなんやと。ほんで、いやなことになるんか、
いいやなことになるんかって、ずっと思いよるんやと。
ほんで、いつまでも、ほんなもんなんやと。
おれら、ずっと、そんなんになるんやと。



(2008年ごろ、入院中のノートより)




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道化

2016-02-21 05:40:46 | 瑠璃の小部屋

2012年ごろ。ヤフーブログに発表したもの。





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馬鹿男

2016-02-20 05:39:09 | 詩集・空の切り絵

びいじんだ
びじんだ
びじんだ
って言って
おれたちは女に吸い付くんだよ

きついほどきれいな女が好きなの
とんでもなく好きになるの
いらいらするんだよ
だれもおれによってこないからさ

きれいなやつほど
急いで向こうに行くんだよ
おれがいやらしいやつだって
わかってるからなんだよ
だからおれは
裏に回って女をはめるの
ぶっつんてくるくらい
馬鹿なんだよ
あんなものは

痛いほど馬鹿にして
完膚なきまでぶっつぶして
永遠につきまとってやるんだ
たまらねえ

消しまくって 消しまくって
徹底的に消しまくって
ぜんぶやって
ぜんぶやって
永遠にいなくなれって
言うんだよ
でないと女は
永遠に おれに君臨する

いやなんだ 女は
きれいなのに 馬鹿だから
おれを 馬鹿にするから
おれの方がえらいんだから
おれのいうことを聞けって言わないと
馬鹿になるから

ずいぶんとやったよ
女ばかり いじめたよ
それでとうとう
女 みんないなくなったの
すべて 馬鹿になったの

やさしい やさしい
いい女
みんな いっちゃったの




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