世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

神の子

2013-11-30 09:08:53 | 詩集・空の切り絵

マリアは天使に言った。「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」
       (ルカによる福音書1,34)

さて、イエスのところに母と兄弟たちが来たが、群衆のために近づくことができなかった。
       (ルカによる福音書8,19)

     ***

素朴な疑問なのだがね、
イエスに兄弟がいるとしたら、それはだれの子なのかね?
イエスに兄はいたのかね?

そこんところの解釈はどうなってるの?

     ***

「いちばん先になりたい者は、すべての人の後になり、すべての人に仕える者になりなさい。」
        (マルコによる福音書9,35)

     ***

優れたものほど、人のために尽くさねばならない。

イエスは、地に足の着いた職人だ。
馬鹿なことは言わない。



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11月の終わり

2013-11-30 05:06:49 | 花や木
2013年11月の花や虫。冒頭はオオスズメバチ。


オキザリス・トリアングラリス


アキアカネ


ハナカタバミ


ツワブキ


ホットリップス


ルリマツリ


オオカマキリ


イヌタデ


ベニシジミ


ホトケノザ


ヤマトシジミ


イヌホオズキ


サザンカ


ランタナ


ヒメツルソバ



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サタン

2013-11-29 09:00:15 | 詩集・空の切り絵

馬鹿なこと やっちまって
馬鹿になったのが
いやだったんです

あいつらは まだやってねえ
いいことばかりやって
いいことんなってる
ちきしょう 馬鹿にしてやるって
痛いこと 全部やっちまって
それが全部 返ってくる
そんなのいやなんですよ

痛いのは いやなんです
苦しいのは いやなんです
馬鹿みたいなことになるのは
いやなんです
そんなのは
あいつらだけでいい

無理にでも 法則を曲げて
おれたちが正しいことにしねえと
払わなきゃいけねえ借金が
多すぎる
多すぎますよお こんなの
払えるわけねえ
だからって なにもかもやっちまったら
とんでもないことになった

逃げるんです
永遠に 逃げるんです
いやなんですよ つらいのは
こんな いやな自分を
生きるのは

ほかのやつが いいんです

やったのはおれじゃねえよ
馬鹿だよ
馬鹿がやったんだよ

おれじゃねえ
ほかのやつだ



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スイセン

2013-11-29 05:04:41 | 月夜の考古学・本館




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スフィンクス

2013-11-28 09:33:02 | 詩集・空の切り絵

朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足、なあに?

   ***

人間には、四本足の獣のように、何もわからないで生きていた時代がある。
食うことと殺すことしか考えてはいない。
ただ獣性のみにて生きている。

もう少し賢くなると、知恵をもって、二本足で歩きはじめる。
たいそう賢いが、まだ何もわかってはいない。
自分の得ばかり考えている。

もっと賢くなると、今度は愛の杖を持って、三本足で歩きはじめる。
そこからが、すべての始まりだ。



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受胎告知の大天使ガブリエル

2013-11-28 04:54:37 | 虹のコレクション・本館
No,18
フラ・アンジェリコ、「受胎告知の大天使ガブリエル」、15世紀イタリア、初期ルネサンス。

これはわたしよりも、かのじょの好みの画家である。いかにもやさしい絵だ。見る者のために、一生懸命によいことをしてやろうという良い心が見える。天使のような画家と言われる通り、それはやさしい人間だったようだ。

絵本のような色彩と、あかるい金色の光で、甘くもやさしい天国を垣間見るような、美しい絵画表現をしている。見ていると気持ちがやさしくなる。

美しい天使の横顔だ。純真な愛が見える。




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バラモン

2013-11-27 10:09:36 | 詩集・空の切り絵

愛するものから憂いが生じ、愛するものから恐れが生じる。愛するものを離れたならば、憂いは存在しない。どうして恐れることがあろうか。
「ダンマパダ(法句経)、第16章212」


    ***

これはひどい。仏典は人間によって、暴力的に浸食されている。釈尊の言葉が残っていないわけではないが、嘘の暴虐の中で瀕死の声をあげている、枯死寸前の花のようだ。

釈尊は人間に、愛してはいけないなどと言ってはいない。こういうことを言うのは、人間が、人間の域を超えるものを考える時、あんまりに突飛で馬鹿な所に飛びすぎるからだ。

もし、愛することが間違いなどということが、真実になったなら、釈尊はもうとっくに人類を見捨てている。ほかのすべての存在もだ。



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すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ

2013-11-27 05:42:04 | 虹のコレクション・本館
No,17
エドゥアール・マネ、「すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ」、19世紀フランス、印象派。

前にも取り上げたことのある絵だが、捨てがたいので取り上げた。
マネは、人間を、冷やかに見ているところがある。数々の肖像画など見ていると、顔の形や髪の流れなど、人間を形や色の塊としてとらえて、絵に無理矢理たたきつけているというところがある。たぶん画家の心に、当時の人間に対する、何らかの冷めた心があったのだろう。

マネが、モデルの人間性に迫って描いているのは、このモリゾがモデルになった絵だけである。つまり、画家は、周りにいる人間の中で、かのじょだけは別格だと思っていたらしい。

印象派は、モデルの人間性よりも、モデルを見て自分の感覚がとらえたものを主にして描く。それが、けっこう見る者にきつい印象を与える。美しい絵にも、どこか、淋しさを感じる。

19世紀は、人間が、人間を、だんだんと信じられなくなった時代だったのだ。才能あり、感性のすぐれたマネは、敏感に、周りの人間の偽善性に気づき、それを荒い筆致で形を的確にとらえることによって、格闘技の荒業のように、無理やり絵にとりこんでいる。絵の中の人物の目は、みなどこかうつろだ。

その中で、このモリゾだけは、人間の目をしている。




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ガイア

2013-11-26 09:00:03 | 詩集・空の切り絵

男は
裏返らないけれど
女は
裏返るときがあるの

だから
みょうなところに
さわってはだめよ

苦しいことを
してはだめ
できるがまんは
すべてするけど
がまんができなくなったら
女はひっくり返るのよ

こわいのよ
何もかもが
無茶苦茶になる
馬鹿なことをしてはだめ

美しすぎる女は
こわいのよ
生と 死が
繁栄と 死滅が
同じ器の中に
入っているの

馬鹿なことをしてはだめ
わたしは
すべてを生んでいるから
すべてを滅ぼしても
いいのよ?





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イヴ

2013-11-26 04:39:50 | 虹のコレクション・本館
No,16
ハンス・バルドゥング・グリーン、「アダムとイヴ」より「イヴ」、16世紀ドイツ、北方ルネサンス。

見過ごしておけない画家だ。おもしろい絵を描く。この絵はもちろん、アダムとともに描かれているが、どうしてもイヴのほうが美しいので、こちらを見てしまう。手に知恵の実を持ちながら、蠱惑的な瞳でとなりのアダムを見ている表情は、男を惑わす女に対する、男の願望が現れている。

実在の女性には、なかなかこういう女性はいない。大体の女性は、男にたいして臆病だからだ。男を、自分の方から攻めることのできる女性などめったにいない。
男には、このような美しい女に、からめとられてみたいという、思いがあるのだろう。実に美しい女性である。

このイヴに並んで描かれているアダムは、たいそうたくましい体躯に描かれているが、そっぽを向いていて、どこかよそよそしい。考えていることがばれないように、とりつくろっているようにも見える。

この画家は、そういう人間の絶妙の表情を描くのがうまい。




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