夢夢散歩♪

自然の写真を中心に、日々の出来事を綴ります。

坂田藤十郎襲名披露①

2005年12月14日 | 歌舞伎・演劇.・映画
12月11日(日)、京都南座へ顔見世興行の昼の部を見に行ってきました 今年は231年ぶりに坂田藤十郎復活で盛り上がっています

私はいつも通り3階席で、照明室の壁にはりつきながらの観劇となりました。10時半~16時15分までの長丁場。
南座の座席は前の座席との幅がとても狭く、膝を90度以上には絶対伸ばせないので、身動き出来ません。休憩時間ごとに歩かないと、エコノミークラス症候群になりそうです

話がそれてしまいましたが、今回の演目と感想です。

「女車引(おんなくるまびき)」

千代…中村魁春(加賀屋)
春…中村扇雀(成駒屋)
八重…片岡孝太郎(松嶋屋)

「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」の松王丸・梅王丸・桜丸の三兄弟による車引を、それぞれのお嫁さんの千代(魁春さん)・春(扇雀さん)・八重(孝太郎さん)を主人公にしたものです。
車引のような重々しさはなく、とても楽しく華やかな踊りでした
魁春さんは、だんだん歌右衛門さんに似てきた気がします。と言っても、私はテレビでしか歌右衛門さんを拝見したことがないのですが…
孝太郎さんは、ピンクの振袖姿がとても可愛らしく若々しかったです


「夕霧名残の正月ー由縁の月ー」

藤屋伊左衛門…坂田藤十郎(山城屋)
扇屋夕霧…中村雀右衛門(京屋)
扇屋三郎兵衛…片岡我當(松嶋屋)
扇屋女房おふさ…片岡秀太郎(松嶋屋)
太鼓持鶴七…片岡進之介(松嶋屋)
太鼓持亀八…片岡愛之助(松嶋屋)

新 藤十郎さんの登場です。
この演目は初代 藤十郎がスターとなった演目だそうです
豪商の若旦那だった伊左衛門(藤十郎さん)は、いまや家を勘当され零落した身。大坂新町の扇屋へやってくると、恋人夕霧(雀右衛門さん)の四十九日であると聞く。死に目にも会えず悲しみ、座敷にかけられていた夕霧の打掛に香を手向ける。
するとそこへ夕霧が姿を現す…というお話。

今回話題になっていたのが、伊左衛門が着ていた紙衣です。
紙を染めて作った物で、やつしの芸を活かしています



↑ロビーに展示されていました。
落ちぶれてはいても、品の良さが出ていました

雀右衛門さんは、この世を去った夕霧役。
いつもの雀右衛門さんとは全く違って、本当に幽霊のようでした。儚くて、すぐに消えてしまいそうな感じで、そこが私にはとても優美に思えました

最後に劇中口上がありました。
この演目は、雀右衛門さん以外は全員上方役者で固められています。藤十郎さん、我當さん、秀太郎さんの口上があり、同じ舞台にズラッと並ぶのは上方役者のお弟子さん達。
8月の上方歌舞伎会での皆さんの活躍ぶりを思い出しました。これからも益々上方歌舞伎の発展に頑張ってもらいたいです


「義経腰越場―五斗三番叟―」

五斗兵衛…中村吉右衛門(播磨屋)
泉 三郎…中村梅玉(高砂屋)
源 義経…中村翫雀(成駒屋)
亀井六郎…尾上松緑(音羽屋)
錦戸太郎…中村歌六(萬屋)
伊達次郎…中村歌昇(萬屋)

これは豊臣と徳川の争いを、義経の世界に変えて書かれたものだそうです。
とっても不思議な世界でした。奇妙な雀踊りは初めて見ました。更にかけ声にも驚きました。最初「アリャ、ニャンニャンニャン」と聞こえていて、「どうして雀なのに猫みたいなことを言うのかな?」と思っていたら、番付を見ると「アリャリャンリャンリャン」と言ってることが分かりました。「ありゃせ よいせ よいせ よいせ ありゃりゃんりゃんりゃんりゃんりゃん やっとな よーいよい」が1セットです。でも意味は不明です。

五斗兵衛(吉右衛門さん)のお酒の飲みっぷりは見事でしたグデングデンに酔っぱらってしまい、義経を怒らせてしまった後に踊る姿は、フラフラなのになぜか上品
奴達に追い払われようとしても、強い。ここに出てきた奴達も、顔が落書き風になっていて、笑ってしまいました
しかし、この奴達の動きは、とても素晴らしいものでした。トンボを返るのも、あの狭さじゃとても難しいと思います。しかも編み笠をかぶってるのでなおのこと。感心してしまいました。
最後、奴達を馬代わりにし、お酒の樽を馬の頭にして去っていく五斗兵衛は軍師らしく、とてもかっこよかったです

お芝居同様、観劇記も長くなりそうなので、続きは後日にします
コメント (6)
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