夢夢散歩♪

自然の写真を中心に、日々の出来事を綴ります。

必死剣鳥刺し

2010年08月04日 | 歌舞伎・演劇.・映画
それは必死必勝の剣
 その秘剣が抜かれる時
  その遣い手は、半ば死んでいるとされる


兼見三左エ門…豊川悦司   
里尾…池脇千鶴
帯屋隼人正…吉川晃司
保科十内…小日向文世
津田民部…岸辺一徳

今日、藤沢周平の隠し剣シリーズの一つ「必死剣鳥刺し」を見てきました。

本当に慎ましく細々と暮らしている三左エ門が、海坂藩主の妾を刺殺するところから物語は始まります。

前半は過去と現在の場面をおりまぜながら、本当に地味なほど淡々とすすんでいきます。

妾を殺してから、亡くなった妻の姪である里尾の世話になりながら閉門生活を送っていた三左エ門ですが、閉門が解かれた後、許されない罪を犯したにもかかわらず藩主の傍に仕えることとなります。これは彼が必死剣を使う腕利きの剣術士だったからです。

藩主が煙たく思っていた帯屋隼人正を亡き者にするため、三左エ門を上手く利用しようという津田民部の策略でした。

津田民部は「帯屋隼人正を殺せ」と三左エ門に命令しておきながら、いざそれが上手くいくと「乱心じゃ」と言って三左エ門を切れと言い出しました。

三左エ門はその時全てを悟ります。
なぜ妾を殺したにもかかわらず自分の命が助かったのか、なぜ藩主の傍に仕えることになったのかを。

でも既に遅く、周りは三左エ門を切ろうとする敵ばかり。
いくら剣の達人でも、大勢でよってかかられては、どうすることもできません。
ラスト15分の殺陣は凄まじかったです。

切りさいなまれ、体に刀を突き刺され、誰もが事切れたと思った時…
必死剣鳥刺しを見る事ができます。本当に一瞬の出来事です。


この映画では「人間のままならなさ」「人はいかに命を全うするか」という永遠の問いを投げかけているとのこと。

不条理な事は、今の世の中でも同じようにあります。
そんな中で、どう生きるのか?

この映画に出てきたそれぞれの人間のそれぞれの生き方が、良くも悪くもこれが人間なんだなと思いました。
でも、なんだかスッキリしないモヤモヤ感も入り交じっていて、見終わったあとに、いつまでも考えさせられる作品だなと思いました。
コメント (2)
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