いしころとまとの花野果村(はなやかむら)

野菜ソムリエ全国大会金賞受賞料理教室『花野果村キッチンガーデン』主宰 
いしころとまとのベジフルこぼれ話

牡蠣を巡る物語ー最終章

2013-12-21 18:41:16 | 東日本大震災関係

牡蠣を巡る物語も最終章となりました。
牡蠣養殖場を経営しているUさんとの出会いは今から5年も前となります。
と言っても、電話で注文するときにさらっとお話をする程度だったのですが、
震災後に思い切って電話した時には
「あんだの声、おぼえってっと。ほんどひさしぶりだな~」
と嬉しい言葉を頂き、懐かしさにほぼ1時間程もお話をさせて頂きました。
牡蠣工場を震災前最後に訪れたのは、震災の3ヶ月前の事。
丁度お昼時にお伺いしたこともあり、牡蠣剥きのおばちゃんたちと
一緒におじゃっこ(お茶飲み)して、おばちゃん達が家から持ってきた
お漬物もごちそうになったわけです。
姉が「仕事大変だろうけど、いいよね、こういう生活」と言葉を
かけたのですが、
「そんなこどいったって、わがいときからずっと続けてきたからな、、、
この生活ば、おぐるしかないっちゃね。(この生活を送るしかないっちゃね)
うじらのいぎがたはこれすかねえんだ(ウチラの生き方はこれしかない)」と
言っていたおばちゃんたち。
一緒におじゃっこしてから、3ヶ月後にあの震災がやってきて
どんだけ心配したことだろう。
風の便りで、Uさんが元気だと聞き、思い切って電話をしたことが
海の男Uさんとの新たな出会いに繋がったんだと思うと
電話一本でも、思い切ってかけてほんとよかったな~とつくづく思うのです。

そして、今月17日、再度牡蠣工場にお伺いさせていただきました。
坂を降りると懐かしい牡蠣工場が現れました。
以前は仙石線の線路をわたって工場まで行ったのですが
以前あった仙石線はなくなっており、
線路の復旧工事が入っておりました。
あの時見た仙石線電車には石ノ森章太郎さんの絵が書いていて
姉と感激しながら、過ぎ去っていく電車を見送ったのが昨日のように
思い出されます。

工場に入ると、Uさんが工場内をちょっとだけ見せて下さいました。
波のかぶった所に線がひかれていて、大体150㌢ほどの高さまで
波が来たそうです。
電気系統はすべてダメになったそうですが、
工場を持って行かれることもなく、、、
そして何よりおばちゃん達みんながひとりとして欠けることなく
この工場に戻ってきてくれたのが何よりだ、とおっしゃってました。
最後におばちゃんたちに「ちょっとだけ写真撮らせてね」とお願いして
働く姿を撮影させていただきました。









   「牡蠣殻剥きを生業とするおばちゃんたち」



松島湾において津波被害が小さかったのは,点在する松島の島々たち
が,天然の防潮堤の役割を果たしたためと考えられているそうです。


島々にカメラを向けながら、口から自然とでてきた言葉は

「松島やああまつしまやまつしまや」

「松島やああまつしまやまつしまや」


ブツブツブツブツ呟きながら
ぎ~こぎ~こと鳴る桟橋の上から
しばらく海を見つめておりました。


3年ぶりに、やっと会うことができた牡蠣工場の元気なおばさんたち。
3年ぶりに、やっと地元の牡蠣をお世話になった方々へ送ることが
できた幸せ。
3年ぶりに、やっとおもいっきり口に頬張ることができた大粒の牡蠣。
3年ぶりに味わうことのできた、、、
磯の香りと海の塩味だけで頂く松島牡蠣のとろけるような美味しさ。

牡蠣をここまで育ててくれた漁業者の皆様に感謝して


今宵も牡蠣をいただきま~す。

「この記事を書いていて、“たしかこの工場に来た時の様子を
ブログに書いていたな”と思いだし
ブログを検索しましたら、確かに書いておりました。
こちら←が3年前2010年12月10日に書いた記事です。
見て頂くとわかりますが、工場のすぐ裏が海なんですよ。」


コメント (8)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« かきを巡る物語パートⅢー韓国... | トップ | アスリートフードマイスター »
最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
牡蠣 (ひすじみ)
2013-12-21 22:41:13
以前いしころさんも書いてましたが
私も2度当たったことがあります
20代のころ、漁師さんにもらってきたと牡蠣好きの私を誘ったのは加治屋さん
彼はワインが好きで2人で飲みながらたらふく食べました
次の日腹がツーン大変な苦しみでしたが
しばらくして浜で忘年会
またもやツーン
それ以来生は食べてません
今ではフライや鍋でたらふく食べてます
最初妻は食べなかったのですが
今は、油断してるとムシャムシャ食べられてしまいます
美味しいですよね牡蠣
でもUsann無事でよかったですね松島の島が防波堤になってくれた
最終章!楽しかったです (エリオ)
2013-12-22 01:53:50
さすがは いしころさん!
良いネタをいっぱいお持ちですね
牡蠣工場の復活も良かったですね!
まだオイラの知らない3年前のブログも拝見しました!
回転寿司もやすいですね~~さすが宮城!

最近は関東が震源の地震が頻繁でTVでもやたら取り上げられていて少し不安です。
地震大国日本とは言え 辛いですよね!
こちらは津波より火災の被害が大きいと予測されてますが 呑気に育ってるから緊張感が足らないのでしょうね

大きな地震が来ないように祈ります!
Unknown (チョロピコ)
2013-12-22 11:05:21
3年前の「こちら」版を拝見しました。
まさか、まさかの前とその後・・・。おばちゃん達の言葉とダルマストーブが正直さと逞しさと温かさを伝えていますね!松島でいしころちゃんをハグし、一層宮城への想いが強くなりましたもの!!
ひすじみさん (いしころとまと)
2013-12-22 20:29:30
ひすじみさんも牡蠣に当たった苦い経験があるんですね。
わたしゃ、もう死ぬかと思いましたよ。
学生だったのですが、翌日から冬休み。
あとで聞いたら、その時一緒に飲み食いした人たちが
家に帰ることができなく苦しんだそうです。
我が家は明日牡蠣フライして食べようと思ってます。
イカフリャも作るよ。
今から明日の晩飯が楽しみ♪
エリオさん (いしころとまと)
2013-12-22 20:41:40
こんばんは、エリオさん
ここのお寿司はお安い上に新鮮でプリプリなんですよ。
そちらは九十九里浜の貝がいっぱい食べられていいですよね。
地震心配ですね。2次的に発生する火災は竜巻のようになるようですから、、、怖いですね。
いざというときのためにお水と乾電池&ガスボンベ&昔の石油ストーブは用意しておいたほうがいいですよ。
チョロピコさん (いしころとまと)
2013-12-22 20:43:32
ブログはいいですね。
3年前の情景が目の前に現れるんですから、、思わずおばさんたちの顔見比べてしまいました。
松島チョロピコさんと初対面。
坂を下って行くと、、チョロピコさんと会った旅館があるので、ちらっと横目で見て咲きへと行きますよ。
Unknown (あけみ蝶)
2013-12-23 14:27:19
こんにちは。
3年前のブログ拝見しましたよ。

震災の時は、びっくりでしたが・・・
工場を持って行かれることもなく
おばちゃん達みんながひとりとして欠けることなく
本当によかったですね。

「牡蠣殻剥きを生業とするおばちゃんたち」
写真背中をみていると皆さんうれしそう~~。

磯の香りと海の塩味だけで頂く松島牡蠣のとろけるような美味しさ。
わぁ~~写真綺麗に撮れています。

「松島やああまつしまやまつしまや」
海をみて私もつぶやきたい・・・
あけみ蝶さん (いしころとまと)
2013-12-24 07:50:36
おはようございます。
3年前のブログ、、、私も感慨深く
みました。
昨晩、京都のみぶ漬け頂きました。
ダシが効いた優しい味のおつけものです。次はなににしようかな。。。
多分千枚漬けに箸が伸びそうです。
あけみ蝶さんぜひとも
まつしまやまつしまやまつしまや
と言いにこちらにいらっしゃってください。
いつでも大歓迎です。待ってますよ

コメントを投稿

東日本大震災関係」カテゴリの最新記事