あなたについていきます。

子供の頃は
野に咲く雑草が、かっこうの遊び道具でした。

たんぽぽは茎を抜いて
切り口に縦に切り込みを入れて
水に入れるとくるんとまわるのを楽しみました。

オオバコは太い茎を選んで
茎と茎を交差させて
茎を使った大相撲
負けると悔しくって、必死になって
太い茎のオオバコを探し回りました。

ペンペングサの名前で親しまれている雑草「ナズナの花」は
三味線のばちのような三角の果実を茎から少しはがして
耳元で振り
果実がぶつかり合って
「ペンペン」とした音が出るのを楽しんだものです。

野原で朝から晩まで遊んで、
真っ暗くなる頃に、やっと帰路につき、
「ただいま～」と
既に電灯がついた明るい家に着くと、
ズボンにびっちりと付いている
細長く黒い物体を発見して
よくこう言ったものでした。


「あ、『ばか』が付いている！」


先日畑に行くと、子供の頃に「ばか」とよんでいた
植物を発見しました。
懐かしくって画像に収め、
家に帰ってから調べたら
正式には「センダングサ」という名前でした。
これがもう少し経つと、
黒い棘のような細長い種の鞘を作り
野原を遊びまわる私達を待ち構えて
帰路も一緒に、家まで付いてきた訳です。


そして・・・




我が家の庭では、「みずひき」が、今を盛りと咲いております。
赤い線がご祝儀袋の水引に似ていることから
このような名前がついた訳ですが
これも雑草の１つ。



実の先には鋭いカギが付いていて
これが人や動物にくっついて新しい生息地を見つけては
繁殖するというわけです。

半日ばかりの庭の雑草取りをやっと終え
家に入って、初めて気がつきました。



麻のズボンにくっついきた「みずひき」の一粒の種
たった一粒の種ですが
私が気が付かずに他所に運んでいったら
そこでどんどん増えていった訳です。


雑草の持つ逞しさを

羨ましく感じたり。。。

疎ましく感じたり。。。


ってね。。。




短い命
それでも空を飛び回る
あなたが羨ましい。