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リッキー/Ricky

2010-11-28 02:08:18 | 劇場&試写★6以上

「8人の女たち」「スイミング・プール」「まぼろし」のフランソワ・オゾン監督最新作。

平凡な二人の間に生まれた赤ちゃんに、翼が生えてきた!
リアリティのなかのファンタズム




初日、単館の劇場なのにけっこうガラガラ。大丈夫なの?
お正月公開だったはずがいきなり11月公開に早まったので早速鑑賞☆


母親カティ役を演じるのは、コメディー出身の女優アレクサンドラ・ラミー。
父親になるパコ役を、フランス、スペインで活躍し、2005年「ハリーは見知らぬ他人」でセザール賞主演男優賞を受賞した俳優、セルジ・ロペス。

娘リザ役に、8歳のメリュジーヌ・マヤンス。


カティは工場で働きながら、郊外の団地で7歳の娘リザと暮らすシングルマザー。
生活に追われ、何の楽しみもない単調な日々を過ごしていたある日、勤め先のスペイン人の工員、パコと恋に落ちる。
母娘2人の生活にパコが加わり、やがて男の子が誕生する。
リザは弟をリッキーと名づけ、新しい生活が始まるが、カティとパコは育児疲れや仕事の行き詰まりで言い争いを繰り返すように。やがてリッキーの背中に痣を発見したカティがパコの虐待を疑ったのをきっかけにパコは家を出てしまう。
ある日、母娘はリッキーの背中のこぶだと思っていた所から翼が生えてきているのを発見する。






ネタバレあり

観ていてすごく感じたのは、前半は男女が出会い、惹かれ合って 子供が生まれる。
そこからの現実。 ちょっとしたことで衝突になり言い争ったり。。。好きで一緒になっても
それが一生続くともわからない。    そのリアリティ。
話は驚く程早い展開。出逢いからいきなりトイレエッチ、そして妊娠してる過程は飛ばし 
あっと言う間に産まれた。


そしてある時出て来た赤ちゃんの背中のこぶが、数日でぐんぐん成長して、羽がはえ 
まだ喋れないうちに飛べるようになったリッキー。
そこからは突然テイストが変わって突如、ファンタジーテイストに。

羽の生えて飛べる赤ちゃんの話なんて聞いたことないストーリーで、その後の展開が面白い。
赤ちゃんの背中にこぶを発見した母親、勝手に父である彼が暴行したのだと勘違いして問いただす。
ショックを受け黙って出て行くパコ。
この辺りで既にひどいと思うのだけど、羽が生えて暴力じゃなかったと分かった後も彼には連絡をとるのをためらう。

その後、病院へいくとか専門家に見せるなどせずにいた母親カティ、
あるときスーパーでの買い物中に、赤ちゃんが飛んで行ってしまう。
世間が珍しがって報道され、マスコミも押し寄せる。
テレビで見て戻って来るパコ。

そして今の暮らしが少しでもラクになるように、お金をもらいマスコミの取材に応じることを提案。
いよいよ 空飛ぶ赤ちゃんをこの目でみようと外で待機してる沢山の取材陣の前に姿を現し、
空を飛んでみせたリッキーだったが なんと!!


ちょっと馬鹿すぎですよ、このお母ちゃん!
って思わずつっこみたくなったけど このびっくり展開がこの映画の見どころであり、キーでもある。

これは、「翼が生えてしまい、人と変わった子供を持つ家族」を描いた物語じゃなく、
「翼の生えた天使=赤ちゃんがもたらした、本当に大切なもの」についての物語




父親に捨てられたと思い込んでいる孤独な娘、リザは
新しく出来た母親の恋人と弟が出来たことで、母親の愛情を独り占め出来なくなったと感じてた。
チキンウィング(翼)を食べた時に生まれた潜在意識からか出来た弟の翼で世間は大騒ぎに。

暖かい家庭を知らなかった子。



6/10(68点)


まさかまさか、こういう展開になるとは予想外☆

ブラックユーモアというか、悪い冗談というか。(笑)

でもその存在が気付かせてくれた、家族の大切さ。

カティは、母親としての母性が目覚めて行くのに対し、
自分の犯したミスで最後のほう完全に茫然自失、でもリッキーの幻(もしくは本当にいて)をみて現実にかえったかのように、
ずぶぬれのまま家に戻ってくる。


現実的でありながらも、赤ちゃんの背中にCGで翼という大胆でファンタジーなビジュアル。
しかも、ふつう赤ちゃんに羽がといって想像するのは白い天使のような羽だと思うけど、
この赤ちゃんに生えるのは、娘が食べてたチキンの手羽先のようにリアルな翼!
背中にワシの羽みたいなのが生えてて。
話はファンタジーなのにやけにリアルなビジュアルとのギャップが面白い。

この母親、大事な息子の「命綱」簡単にボーっとして外すなよー!とか他にもツッコミどころは感じたけど、
オゾン独自のセンスが感じられて結局なんだか不思議な面白さが。
しかし 最後の透け透け白いワンピースは狙ってるわ~
この方が女優ではなく、あちらでは人気のコメディアンだなんて、この映画一番の驚きかも。
パコ役の毛むくじゃら男、セルジ・ロペスが、カッコ良すぎず、どこにでもいる平凡なっていうのがぴったりで、
ひどい事言われても戻って来るところに懐の大きさと、暖かさを感じて良かった。


赤ちゃんに羽が生えて来た事で巻き起こる騒動ではなく、家族愛が描かれてるところがオゾン監督らしい。
うだうだ引き延ばすのではなく、90分と短いし展開も早いので、さっくり観られたのも◎。
すごい面白いとか、オススメってほどではなかったかな~。

何にも知らない無垢で無邪気な赤ちゃんが、終始可愛らしかった





 公式サイト
Ricky   2009年     フランス=イタリア   90min
11月27日より公開中






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