来月新作「ブラックスワン」が公開の、ダーレン・アロノフスキー監督×
今週末に主演作「ミスター・ノーバディ」が公開のジャレッド・レト主演の2000年の作品
日本公開は2001年の夏。公開からもう10年。劇場で観た直後の感想を友人と語り合ったのを今でもありありと覚えてる
そのくらいインパクトあった。ずっとレビュー書きたいなと思ってて、久しぶりに観直したので。
同じく、ダーレン・アノロフスキー監督の最近の話題作といえばミッキー復活!でも話題になった「レスラー」。
「π」と「ファウンテン 永遠に続く愛」はわたしは好みじゃなかったけど、どれもインパクトのある映像を切りとる。
本作では、次第に麻薬に犯されていく人たちを独特のテンポと映像で魅せる。
どんなものでも中毒とは恐ろしい。自覚がないまま続けるものもあるしね。
やめられなくなったが最後、人間やめますか?と問われるような状況にどんどんハマっていく恐怖。
原作著者のヒューバート・セルビー・Jr(終盤の看守役)とのダーレン・アロノフスキーによる共同脚色。
「ジャレッド・レト、若い!」10年も前だもんね~
友人とつるんで母親のテレビを盗んでは質屋に持ってく。
ヘロインで闇の商売にハマっていくうち、自ら中毒に犯されていく、、、
黒人の友人、タイロン役にはマーロン・ウェイアンズ
ジャレットとこのマーロンは、演じるにあたってアノロフスキー監督から30日のセックス断ちと
シュガー抜きダイエットを命じられ、結果ジャレッドの方は11キロ減で挑んだ。
その数年後には「チャプター27」で激太りの激変体当たり役作り。お見事
ジャレッドの彼女にはジェニファー・コネリー
こちらも薬物中毒になり、、、、
ジャレット演じるハリーの孤独な母親は、テレビと近所の人たちと日光浴くらいが日課。
出演依頼の電話でテレビに出るために痩せなきゃという固定概念に囚われて
どんどん錠剤を口にしていきしまいには…
「エクソシスト」での母親役、エレン・バースティンが本当に素晴らしい
左右二分割、1秒のシーンを数分かけて撮ったコマ撮りショット、魚眼レンズ使用でリンチ風映像、
手持ちミニカメラによるアップ、薬物を繰り返し摂取する度、何度もテンポ良くアップで捉えるシーンなど多用。
一連の流れはどんどん破滅へ向かう。
ブルックリン。孤独な未亡人サラのもとに電話抽選によるTV番組出演の話が舞い込む。
昔着てて死んだ夫が気に入っていたスリムなドレスを着こなそうとダイエットを開始したサラは、医師に処方されたダイエットピルで瞬く間の減量に成功する。
一方、ドラッグ漬けでの文無し生活を送っていた一人息子のハリーは、仲買人から得たヘロインを不当に捌く密売で、
恋人のマリオンと共に成功者気取りの羽振りの良さを見せるようになっていた。
ドン底の生活から見違える までの活気を取り戻した母子は、やがて束の間の再会を喜び合うのだがーー
8/10(85点)
ネタバレ込み感想。
改めて観るとやっぱり凄いわ。
母親のピル常用に気付き、注意するも 本人も自分のことでせいいっぱい、
そういう自分もどんどんクスリなしじゃやっていけなくなる。
お母さんがとくにやっぱりね、可哀想でみてられない。
仕事で長い間父とは離れて暮らし、子供たちも大きくなって今一人で住んでる母親がだぶっちゃう。
最近太めになってきたのも気にしてるし、、、
まさかこんな過度なダイエットに走ったらどうしよう?!とか
いや即刻止めるけど。
数年前に観た時も、重く暗い映画だけど面白かった、という印象を持つのは
上でも書いたように独特の映像センスもあるけど加えて、全編にかかる音の効果、音楽も素晴らしい。
終盤に連れ、4人が悪夢の状態が加速。
実際自分がやらずとも頭の中でわかっている 薬物中毒による人間の崩壊、
こんなはずじゃなかったであろう一人の人間の破滅が、孤独が、描かれている。
結果、注射跡が化膿したハリーは片腕を失い、タイロンは差別の激しい刑務所行き、恋人は麻薬の為に売春を、母親は電気ショック治療で廃人となっていく。
監督は、この映画をホラーとして描きたかったようだけど十分ホラーとしての怖さは成立してる。
壊死した腕の特殊メイクや冷蔵庫が襲って来る、TVの司会者たちが家の中を割って入ってくるような幻覚。
昔面白いと思っていなかったような作品でもこんな面白かったっけ、となる場合もあるし、
当時面白いと思ってたものがそうでもなかったかなって思うのもあるけど
大体にして自分の好みってそう簡単に変わらなくて、改めて10年経って見直してもいい作品だった。
観ていない方は是非
ジャレッドの澄んだブルーの目がインパクト大
DVDは廃盤になっちゃったのね。 Amazon
Requiem for a Dream 2000年 アメリカ 102min
【追記】DVDその後再リリース中!!
2009年には英エンパイア誌が選ぶ「落ち込む映画」ランキングのなんと1位。
この映画ももちろん落ち込むほどとことん暗く、救いのない映画だけど
わたしの中では「落ち込む映画」の筆頭はハネケだな。
ちなみに、「落ち込む映画」トップ10は以下の通り。
1.「レクイエム・フォー・ドリーム」(00)
2.「ひとりぼっちの青春」(69)
3.「リービング・ラスベガス」(95)
4.「道」(54)
5.「21グラム」(03)
6.「火垂るの墓」(88)
7.「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(00)
8.「冬の光」(62)
9.「リリア 4-ever」(02)
10.「ミリオンダラー・ベイビー」(04)
わたしの中では、落ち込む映画といえば筆頭は断然ハネケ作品だなー。
あとs.キング原作、フランク・ダラボン監督の「ミスト」とかね。
またジャレッドの目。↓
4/30公開 5/11公開
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