カンヌ映画祭で、パルムドール受賞
「シン・レッド・ライン」のテレンス・マリック監督/脚本×ブラッド・ピット×ショーン・ペン
ブラピは製作にも参加。
maru♪ちゃんのお誘いで試写にて鑑賞。これまでのこの監督作けっこう好きなので楽しみにしてました~
前作はコリン・ファレル主演のポカホンタス物語、「ニューワールド」でもう5年も前になる。
そういえば2002年の「ベアーズ・キス」は脚本作品。あちらも変わっていて面白かったな。
前作同様、賛否というか、好き嫌いでかなり分かれること必至
相変わらずの映像美と素晴らしい選曲で、
生命、愛、家族を壮大なスケールと独特の描き方で魅せるたっぷり2時間18分
まずキャストから。
1950年代の中部テキサスに生きる一家の厳格な父親を演じたのはブラッド・ピット。
近年は「食べて、祈って、恋をして」「キックアス」など数本の製作に参加してるけど
役者としてはタラの「イングロリアス・バスターズ」以来だから久しぶり。
あれほどマヌケでキレてはないけど、ちょっと性格は近い役かな?
ちゃんと三人の息子たちに愛情を注いでいる面も伺える、昭和時代の日本の父親だったらこのくらい
当り前じゃ?ってくらいの躾けの厳しさ。
食事中なんて仲良く楽しく食べた方が子供にとっても皆の為にも美味しく食べられるのに…
ちょっとしたことで怒る。
普段から厳しいのにはそれなりの理由があって…
長男、ジャックの成長した役にショーン・ペン
厳しい父親に不満が募る日々。
登場シーンはけっこう少なめで、もうちょっと見たかったと思わせる所がニクい。
妻にはジェシカ・チャスティン。
優しく包み込む聖母マリアのような愛情で見守る母親。
新鋭ながらも大役見事こなしてました。
三人の息子のうち次男ちゃんが隠し子?ってくらい めちゃくちゃブラピにそっくりで
すっごくキュート。
生命の樹=ツリー・オブ・ライフ
木々、樹木、海、草花、水、太陽、虫たち、、、、そして宇宙。
すべてのものに生命が宿ってる、ということを改めて実感せずにはいられない。
途中からあれ?ディスカバリーチャンネルかNHKスペシャル観てたっけ?と錯覚してしまう
ビッグバンから恐竜時代、そして流星群まで、、、いのちの誕生や、地球にうまれたすべてのもの
美しい映像美と「モルダウ」や合唱曲、クラッシックなどで魅せる
壮大な叙事詩的作品
音楽は、「ハリー・ポッター」や来月公開、ユアン主演の「ゴーストライター」ほか、
様々な作品を手がけるアレクサンドル・デスプラ。
1950年代半ば、オブライエン夫妻は中央テキサスの田舎町で幸せな結婚生活を送っていた。
しかし夫婦の長男ジャックは、信仰にあつく男が成功するために は「力」が必要だと説く厳格な父と、子どもたちに深い愛情を注ぐ優しい母との間で葛藤する日々を送っていた。やがて大人になって成功したジャックは、自分の人生や生き方の根源となった少年時代に思いをはせる……。
8/10(82点)
ちょっと ネタバレ
圧倒的な映像美と素晴らしい音楽
言葉より映像で魅せる家族の繋がり、生命の豊かさ、尊さ、美しさ
ドラマ性追って、"観る"というより"体感する"、感じる映画。
カンヌパルムドール賞だから、とか ブラピ出てるしー、とか
うっかりデートで観たり気軽にエンタメ映画友達と観るようなつもりで行くと、あれ??ってなっちゃうかも?!
いつも参考にして下さってると言って下さる方がもし観ても、もう今回ばかりは完全にその人の感覚や、
どう受け取るかでかなり変わってくる映画だから一概に誰にでもオススメ!とは何とも言いにくいのだけど、、、
わたしは 純粋に見入ってしまったな。
大家族のわたしは父や母や弟たちにも観てもらいたいと思ったし。
ただじっくり、カメラは追う
ショーン・ペン演じた長男のジャックは、父親を「死ねばいい」と思う程に嫌っていた幼少時代。
他の兄弟に母親の愛情をとられることで弟に嫉妬しながら、その厳格な父親と暖かい愛情で包んでくれる母親の間で育つ。
父親は、単にめちゃくちゃに怖い性格だったわけじゃなく、
自分が、夢であった音楽家(ピアノ)になれず、果たせなかった夢を悔やむただの男だという自覚から
息子たちには「力」を持って将来を成功して欲しいという願いから厳格になる。
ショーン・ペンのシーンは最初の回想から始まって、後半の壮大な海辺のシーンへと繋がっていく。
そこには、社会的に成功を収めたけれど何か空しいというような表情を持った彼が。
心の旅をする映像が、、、、
最後の海のシーンでは「神」という言葉や「アーメン」という合唱曲とともに、
とても宗教的な印象も受けるので ここで引いてしまう人も多くいると思う。
近代の高層ビルの狭間で、過去をみつめて その時になってみて初めて父親の気持ちを理解し、
わずか19歳で逝ってしまった弟を想い、若い頃の皆に出逢う。
昨年のパルムドール賞といえば、「ブンミおじさんの森」で
その話題性に惹かれて観てしまったらわたしはほんとダメだった。
カンヌって一筋縄じゃいかない変わった作品が受賞&評価することが多い。
古くは「シェルブールの雨傘」「男と女」や「ブリキの太鼓」「M★A★S★H」
デ・ニーロの「タクシー・ドライバー」やエンタメミュージカル作品「オール・ザット・ジャズ」
「セックスと嘘とビデオテープ」「ワイルド・アット・ハート」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」
どれも好きだけど、わたしの中では1994年のタランティーノの「パルプ・フィクション」に最も賛同
二年前にはハネケの「白いリボン」が受賞。と、ちょっと並べただけでも超個性派作品ばかり。
過去受賞作品 パルムドール賞リスト
なんというか、本作は2時間超えというじっくり描いているにも関わらず家族の絆というにはドラマ性は強調されない。
美しい映像と音楽に酔いながら自分が何を感じ取るかにかかってる作品、かな。
ただ観ていてややこしいところがあり、頭を怪我して髪の毛少しなくなっちゃった子は近所の子か。
後に座っていた高校生くらいの子たちは、「何がなんだかー?でも映像は綺麗!」とかいいながら出て行ってたし
試写ではエンドロール始まったらソッコウで席立つ人が沢山(笑)
日本でのヒットは難しいかなとも思わせるけど、
気になる方、大迫力のこの映像美は、ぜひ劇場で
書いてるうちに思い蘇って来て、また公開したら観たいなと思えちゃった
THE TREE OF LIFE 2011年 アメリカ 138min
8月12日(金)より、全国ロードショー
今年のカンヌ映画祭にて。
今後のこの息子(役)たちの出演作もチェックです☆(特に3男)