せんそうはきらいだ

私は戦争を知らない子供たちを歌った世代
もちろん、戦争を知らない
しかし、父親は日中戦争の真っただ中で戦った人だ

今思えば、父は戦争で心を犯されていた
戦争の記憶でいつもうなされていた
仕事に夢中になっているときはよいが
終わって家に戻ると私たちに戦争の話を聞かせた
ある時は苦しそうに、泣きながら
ある時は楽しそうに、高揚して

姉はそんな話を聞くのが大嫌いだったという
私は最初は好奇心で、その内真剣に聞くようになった
小学校低学年から中学生になってしばらくのことだ
その内、私は父親に質問するようになった
それが原因で父は話をするのを止めた

私は戦争を嫌う
戦争は暴力だ
人間でなくなる