仲良くウサギとキジ?の 足跡。
しかも楊柳山への崖っぷちの細い山道に延々と。
それに釣られて急にペースが速くなる。
調子に乗っていると・
天候が急変、かなりの高低さのアップダウンがあり肉体も疲れ始めていたところに、冷たい風まで吹き始める。
その寒さと疲労に、
(楊柳山には登れないかもしれない・・・)
そんな想いが頭をよぎる。
魔が差す
たぶんこの言葉はこんな時の事を言うのか・今振り返るとその時に何が?。機嫌よく登っていて少々の環境の変化でそんな悲観的になるなどありえなく、そのまま引き返していたら今年一回目出鼻からのまったくの腰抜け。実はこの登山に際してひとつ覚悟を決めていた事がありました。それはこの場所が日本最大の墓地の上にある事。三山自体が1700年続く永代供養の日本一のエリアなのを覚悟の、かなりのプロテクト(結界)を張りながらの道中と思っていたのが、まだまだやはり修行が足らないみたいで、そんな時の為の導師O氏。この場所がその中でも特別なエリアであったかどうか?でもキツイ場所であった事は間違いなく、最後の楊柳山へ延々続く急な登りを、無言で私の先を歩き始める。
平坦なところは体力的には楽でも、雪の1センチ下には万年氷の様なぶ厚い氷。ほとんどスケートリンク状態で、最悪な事に雪が降る前に山道を整備したのか・釜で切った笹の鋭い切り口がその氷の至る所からニョキニョキ芽を出している。もし滑って転びでもすれば、プスッ・プスッっと体中が串刺しになる事は間違いなく、日常では味わえないちょっとした恐怖感。登りは登りで雪の中に足が埋まり、通常の何倍もの体力を消費する。なめていると大変な事になるさすが冬の高野山である。
三山の入り口/聖域に入った一瞬感じた身体の一部が熱くなるのを、楊柳山山頂が近づく頃再び感じる。
ようやく抜けた感じ。
その寒い世界からの脱出。
すると・言い合わせたかのように周りにこぼれ始める陽射し。
心と大自然は同じ周波数でツナガッているをとことん学習させられる。