昔、昔、獣医さんの奥さんと、ちらっと接触したのですが、彼ら
夫婦は、動物の熱帯病の 研究のため、赤道地帯をわたり歩いてい
る模様で、アフリカから葉書が舞い込み、
「子供に毎日抗生物質を飲ませている。子どもたちの言語教育に
迷っている。フランス語 をとらせるか、それとも、日本語を学ば
せるかを、考えている。ただいま、サハラ砂漠の 砂嵐で、空が暗
い」
という内容で、仰天しました。思わず、アフリ . . . 本文を読む
ベランダの向こうで、雨が降っています。
突如、今は亡き、義父(夫の父親)のことを思い出しています。
夫の父親は、日赤を渡り歩きながら、結核と闘ってきた内科医です。
最終的には、開業医となりましたが、ポリシーは、「医者は、ただ
そこにいるだけでいい」というもので、粗末な診療所にひょこんと
座り、決して儲けようとせず、一生を貧乏医者で貫ぬきとおした人
です。
薬学部と医学部の両方を出ていましたの . . . 本文を読む
わたしは、まだ学童期にならないときには、音楽をやる男が軟弱
に思えて憎しみさえ感じていた。
というのは、祖父の家の隣のボンボンが、なよなよとしていて、
ヴァイオリンを習っていたからです。
彼は、私が祖父の家に遊びに行くと、子供用のヴァイオリンを
手に持ってなよなよと、ヴァイオリンを習いに出かけていくの
です。わたしは、その姿を、いまいましい気持ちで、いつも眺
めていました。
そして...じつは . . . 本文を読む
父の卒論は「自動車のエンジン」だったとか
したがって、父は自動車をエンジンで買う
決してオートマチックを買わない
エンジンがぶーんとまわると、うっとりと音にききほれる
ギアチェンジする時の歯車ががちっとかみあう感触を楽しむ
笑うっちゃうのは、それでいて運転がものすごくへたくそだ
がつんばたんして、父の運転する車に乗るには勇気がいる
小型のオートマチックを買ったらどうかという周 . . . 本文を読む
私の父母は、戦時中は東京にいた。
父は戦時は、外地には行っていない
日本にとどまって、陸軍の幹部候補生の教育をし飛行機を設計していた。
空襲がはじまると、一般市民は防空壕に入り、兵隊は、地上に残る。
アメリカ兵は、ヘリコプターに乗って自動小銃でだだだだと打ってくる。
日本兵は、物陰にかくれて身をかわす。
ヘリコプターの中の人間の顔が見えたという。
絨毯爆撃で、東京は焼け野原になった
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