とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

橋本 治

2006年05月06日 08時56分18秒 | 読書感想
買い物帰りに、うっかり町の本屋さんへ寄ってしまった。
それが運のつきだった。本棚をなにげなく見てまわっていた時に、
いきなり、橋本治氏の本のタイトルが目にとびこんできた。

『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』

心の奥底で、 ちょっと笑いたくなりませんか?
(おおっぴらに笑えないのは、やはり最後に悲惨な死に方をしたからです。)


負けました。私はレジに橋本治を持っていきました。
本屋さんが言うには、橋本氏の本はまだそこそこ売れているのだそうです。
しかし、あと一押し、売れて欲しいそうです。

町の本屋さんも沢山つぶれたけれども 頑張って生き残っている所もある。
そこの本屋さんには、リスが一匹籠のなかに いつも いる。

家に帰って、表紙裏の作家紹介を読んだら、本作は小林秀雄賞を受賞したとのこと。小林秀雄はあまり好きでないので、どうでもいいが。
冒頭部分をちょっと読んだら、軽いのりの文章が人をひっぱる。

まず、三島邸の有名なアポロ像も「大階段」も、ちゃちであることをばらし、へんな趣味と言いはなつ。
げらげら笑っていたら、内容はどんどんつっこんでいって、
「今の人間なら、三島由紀夫の知性に対して、「その頭のよさになんか意味があるんですか?」という疑問をたやすく発せられるだろう。その疑問が公然と登場しえてどうなったか?日本人は、ただバカになっただけである」

こんな具合で大変なことになりそうな雰囲気だ。

ちなみに、私は三島はきちんと読んでいない。三島を読んでいないとバカと言われた時代に育ったが、読んでいないものは読んでいないのだ。おざなりに『金閣寺』を読んだか読まないかぐらいだ。内容は全部忘れた。

ついでに、私は、橋本治も論じられるほど読んでいない。ほんの5冊程度がせいぜい。
ただ『桃尻娘』(未読)等のタイトルは、大好きだ。

『恋愛論』は読んだが、文庫本一冊を使って、「恋愛とはなにか?」をめぐって、思い切りのたうちまわってみせ、出した結論は「恋愛は現実に成り立つ隙間がない」というようなものだったと記憶する。がっかりしていると追い討ちをかけるように、解説の末尾に「こんな本を読んでもなんのたしにもならなかっただろう」と逃げきられた。

『宗教なんか こわくない』も読んだが、どう怖くないかも全部忘れてしまった。

橋本治は、人が心の奥底で感じていること、言いたいことを文章化してくれるので痛快だ。そのかわり、正面きって思い切ってつっこんだが、つっこみきれず、開き直ってのたうちまわるのにつきあわなければならないが、また、そこが好き。

★アンデルセンは「小クラウスと大クラウス」を読みました。これにシャレを加えたら落語になるのではないかと、ちょっと思った。
★ゴールデン・ウイークは、まだ続きますね。こちらは、掃除順調。
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