とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

イラン大統領、イラク訪問 協力拡大訴え、存在感強調

2008年03月16日 15時29分20秒 | 地理・歴史・外国(時事問題も含む)
................(引用開始)............

イラン大統領、イラク訪問 協力拡大訴え、存在感強調
2008年3月2日(日)21:23


(共同通信)


 【バグダッド2日共同】イランのアハマディネジャド大統領は2日、イラクの首都バグダッドを訪問、タラバニ大統領やマリキ首相らと会談した。1979年のイラン革命後、イラン大統領のイラク訪問は初めて。両大統領の共同記者会見でアハマディネジャド氏は、訪問が「両国は文化、政治、経済面での協力を拡大する」と言明。核問題などをめぐり米国と対立する一方で、イラクの安定に不可欠な隣国としての存在感を強調した。

..................(引用終了)..................

自分の言葉でまとめるべきなのですが、ここは、『バグダッド・バーニング』2、(いま、イラクを生きる)のリバーベンドの言葉と酒井啓子氏の言葉のほうが適切であると考え、引用・要約をさせていただきます。

ジャラル・タラバーニ:1934年生まれ。イラクのクルド人独立派武装勢力のクルド愛国同盟の議長、イラク大統領(05年~)(by『イラク 戦争と占領』酒井啓子著)

ジャワド・アル・マリキ:ダーワ党の立役者である--ダーワ党はシーア派政治家のグループで、政教分離を唱えた(=世俗派の)サダム・フセインのバース党指導部に長年にわたって地下で武装抵抗を率いてきた。
 バース党政府がその反対者を取りしまったとき、マリキ氏は他のダーワ党指導者にしたがって亡命した--1980年に国外に逃れ、やがてシリアに避難場所を見つけた(byイラク情勢ニュース)

『バグダッド・バーニング』2よりの引用・要約開始....................
2005年2月12日
 選挙はおこなわれ。終わった。家の近くの投票所は、なんとイラク・イスラーム革命最高評議会(SCIRI)のお抱え集団(バドル旅団)が警備していた。

 親イラン政党SCIRIのアブドゥル・アジズ・アル=ハキームが投票用紙を投じるのを(テレビで)見たときは、文字どおり背筋が凍りついた。
 彼の妻だろうと想像するしかない人物が「清く正しい」女性の姿を見せつけながら1票を投じようとしていた。頭の先からつま先まですっかり覆われていて、どこもかしこも真っ黒のなかから目だけが覗いていた。黒い手袋をはめた手で投票箱に票を押し込むと、自信満々のハキームのうしろにおとなしくつきしたがった。弟が私を見て、笑ってウインクしながら「何年かあとはあんなかも、ね」と言ったので、即クッションを投げつけてやった。

 こんなに多くの人がボイコットした選挙で、結果がどう出てもたいした違いはない。

2005年7月1日「信じられない」
 ブッシュは「自由なイラク」についてぺちゃくちゃしゃべり続けたが、(中略)どうしてアメリカは撤退計画を立てないのだろうか?アメリカ国民は、こんな演説の数々を信じ続けるのか?あきれるばかりだ。
「何だって信じるさ」と弟はため息をついた。「どんなばかげたことを吹き込まれたって、信じるのさ。思いつく限り最高にとんでもない嘘を考えてごらん。それを信じるような国民なのさ」
 これを聞いて、いとこは好奇心を刺激された。「最高にとんでもない嘘だって?こんなのどうかな。イラクは火星からエイリアンを呼び集めてカンフー(中国拳法)を教えて2010年にアメリカをやっつけようとしている」
「信じるだろうよ」と弟は保証した。「じゃこんなのは?イラクは西側諸国へ向けて放とうと、狂犬病にかかった噛みつきウサギを品種改良している。これだって信じるよ」

2005年11月6日「映画と夢」
 私の両親は、教育を受けた同世代の多くのイラク人と同じように、子どもにテレビをあまり観せないようにしていた。弟と私が小さかったころ、両親は子どもが観てもいい番組や映画を慎重に選んだ。彼らは、私たちがプロパガンダにさらされるのをいやがった――アラブのもの、西洋のもの、どちらにしても。いきすぎた暴力や下品な言葉、性的な内容を含むようなものは禁じられた。

           (中略)
 イランとの長い戦争がもたらした苦しみは、現在のイラクの状況を耐えがたいものにしている――とりわけこの1年間の。占領はアメリカによるものではなくなっている。表向きは、また軍事的にはアメリカによるものだけど、実質的にはイランによるものに変わりつつある。ゆっくりだが着実に。
 この状況は、2003年4月に、アメリカの戦車のあとに続いてバドル旅団とイランに本拠を置く政党がやってきたときから始まった。

           (中略)
 アメリカ人はいつも私に言う。「もし、われわれがイラクから撤退したら、何が起こると思う?あなたが恐れている急進派のやつらが、国を乗っ取ってしまうんじゃないの」
 実際には、ほとんどのイラク人は原理主義を好まず、安定だけを望んでいる。ほとんどのイラク人は、イラン化したイラクを支持しない。アメリカ軍の駐留はバドル旅団などと手を取り合うことで成り立っている。なぜなら、イランと協力しなければ、イラク中に広がる、占領に反対するイラク人を鎮圧することができないからだ。もしアメリカ人たちが出て行くことになったら、操り人形たちと武装集団はとっとと荷造りして元いたところに戻らざるをえないだろう。アメリカの保護と指導がないと彼らは手も足も出せないからだ。
 アメリカの政治家たちのイランに対する大変控えめな脅かしを聞いたとき、私たちは文字通り声を立てて笑った。アメリカはもはやイランを脅かし続けることができない。もしもサドルの親奉者たちやイラン法学者のシスターニやバドル旅団がアメリカ人に対して蜂起したら、自分たちがひと月以内にイラクを出て行かなければいけないことを知っているから。イランは何でもやりたいことをやれる――ウラニュウムの濃縮?もっちろん!
 アメリカ人のみなさん、おめでとう。イラン強硬派の法学者たちはイランを取り仕切ってるだけでなく、イラクのことも仕切ってるわ。アメリカからイランへの、この権力の交代は、いつも一番高値をつけた者へ忠誠を捧げるチャラビが、去年忠誠をイランに売り渡したときに、誰の目にも明らかになったはずよ。

2006年2月2日「選挙の結果」
 イラクの選挙結果は、2週間ほど前に正式発表された。イランにコントロールされたシーア派宗教政党が首位の一つに立つことは意外でもなんでもない。
 悲惨な状況にあって人々が宗教にすがるのは、驚くようなことじゃないでしょ?

 これは私の個人的な考えだけれど、多くのイラク人は3年におよぶ占領にすっかり失望して、反アメリカ、反占領に1票と思い、宗教政党に投票したのだ。アメリカの政治家が何と言おうと、ほとんどのイラク人はアメリカ人を信用していない。アメリカというものは、よくて弱小国に独善的な迷惑を推しつけ、最悪の場合は経済制裁を実施し侵略を仕掛けてくる好戦的な恐ろしい国だと思われている。

 イラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)やダーワ党のようなシーア派は宗教政党は昨年、はっきりと姿勢を変えた。2003年、彼らはアメリカの味方だった。彼らは自分たちが「占領者」になり替わると言い始めたのだ。

2006年5月2日「アメリカ人気質」
 (2003年当時)1,2のラジオニュースではサッダムの像が引き倒されたと言っていたが、その映像を観た人は周りにいなかった。電力不足で誰もテレビを観られなかったからだ。

 私たちがついに、サッダムの像が米軍によって引き倒される映像を観たのは、4月11日夜9時ごろだった。サッダームの顔には、アメリカの国旗が貼られた。戦車に乗ったアメリカ兵が見守り歓迎するなかで、男たちの大群がバグダッドを略奪し焼き払っているのを観て、私たちは衝撃を受けた。いまにして思うと、私たちが初めて「バグダッド陥落」とイラクの占領を見たのが、イランを介して、つまりイランのテレビ局を通してだったのは、なんとも皮肉な話だ。(イラクのテレビ局はすでに存在していなかったから)
 
 イランはすでに国内にいて、政府の機関から博物館まで、あらゆるものを略奪し、焼き払うのを手伝っていた。
 いまでは、彼らがイラクを支配している。3年という期間を費やし、共謀な私兵集団、暗殺、誘拐をもちいることによって、彼らはしっかりとグリーンゾーンに根を下ろすのに成功した。新しい操り人形たちが、シリアやサウディ・アラビアやトルコに対して文句を怒鳴り散らすのを、私たちはしょっちゅう聞く。アメリカに対してさえも......。けれども誰1人として、イランがこの国でやろうとしている役割りについては触れようとしない。

 アル=マリキが首相になったとたん、彼は私兵集団をイラク軍の一部とすると宣言した(私兵集団って、つまり、バドル旅団とサドル派のならず者集団のこと)
 数日前、私たちは、新首相任命後におこなわれた儀式のひとつを観た。グリーンゾーンにある広い部屋で、タラバーニが数々の政治家たちの前に立ち、少々あつかましくもこう言った、のだ。イラクはいかなる「タダハル」、つまり周辺諸国によるいかなる干渉も容認しない、なぜならイラクは「外国の影響を受けない主権国家」だから、と。いとこは笑いすぎて失神しそうになったし、弟はというと、涙をふきふき苦しげにあえいでいた......。

 大きな問題がある。アメリカは、イランをどうするつもりなのか?爆撃などの可能性が示唆されている。私はイラン政府を憎んでいるけれども、イランの人々が、空爆と戦争が引き起こす混乱や痛みを受けるいわれはない。でも、私はそれほど心配していない。もし、あなたがイラクで生活をしていたら――アメリカが両手を縛られているのがわかる。ワシントンがテヘランに対して行動を起こすや否や、イラク国内の米軍は襲撃されるだろう。イランは15万人のアメリカ人人質を手中にしているのだ。 

........................(引用・要約おわり).........................

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