加トルドー首相、辞任へ 有権者の支持得られず
ウオールストリートジャーナル 2025/1/7
【トロント】カナダのジャスティン・トルドー首相は6日、辞任の意向を明らかにした。約10年にわたる長期政権が終わる。総選挙を年内に控え、退陣を求める党内の声に屈した形だ。
トルドー氏は、新たな党首が選出されるまで首相を続けると述べた。このプロセスには数カ月かかる可能性がある。
カナダで最も不人気な政治家の1人として退くことになる。与党・自由党は弱体化し、経済の見通しは不透明だ。米大統領に今月就任するドナルド・トランプ氏は、カナダからの輸入品に25%の関税を課すことを公約の一つとしている。
トルドー氏は進歩主義的な政策を掲げたが、景気減速や積極的な気候政策への不満、反移民感情が高まる中、有権者からの反発が強まった。
同氏の政権基盤は昨年12月に不安定化した。少数与党政権を支えていた左派寄りの新民主党が支持を撤回すると表明したためだ。
その数日前には、クリスティア・フリーランド副首相兼財務相が、歳出案を巡り首相と意見が対立したとして辞任していた。自由党の支持率が急落する中、党内からも首相の退陣を求める声が高まっていた