尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が20日、高級公職者犯罪捜査処(公捜処)の4回目の召喚通知にも応じず、公捜処が強制的に連行を試みた。同日午前、尹大統領が公捜処に出席しなかったため、公捜処の検事と捜査官らは午後、ソウル拘置所を訪れ、強制的に連れてきて取り調べを試みたが失敗した。前日拘束された尹大統領は、囚人番号「10」を与えられ、一般収容棟の独り部屋に収監されている。
一方、尹大統領は憲法裁判所の弾劾審判出席の意志を改めて示した。尹大統領代理人の尹甲根(ユン・ガプグン)弁護士は「21日、大統領が憲法裁(3回目の弁論)に出席する」と述べた。尹大統領側は弾劾訴追された直後から「尹大統領が弁論に直接出席する」と明らかにしたが、1・2回目の弁論には出席しなかった。
弾劾審判の初の証人尋問は23日、4回目の弁論で尹大統領側証人である金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官を相手に行われる。「一切の政治活動を禁じる」という布告令第1号の作成主体が俎上に上がる見通しだ。金前長官は検察の取り調べで「尹大統領が布告令の作成過程で関連法典を探してみた」と供述したと伝えられた。しかし、尹大統領側は憲法裁に提出した意見書で「金前長官が過去、大統領に国会解散権があった当時、例文をそのまま写してきたもので、尹大統領は文言の誤りを不注意と見過ごしたものだ」と明らかにした。布告令作成の主な責任が金前長官にあるという主張だ。「内乱の首領」の容疑を否認することだ。
一方、警察国家捜査本部(国捜本)は「尹大統領が逮捕令状2回目の執行前に警護処部長団の昼食会で銃器使用の検討を指示した」という警護処関係者の供述を確保した。国捜本によると、尹大統領の逮捕令状2回目の執行5日前だった10日、部長団の午餐会で尹大統領が「令状執行時に銃を撃てないか検討しろ」とし、これを受け、キム・ソンフン次長が「分かった」と答えたという供述があった。キム次長が尹大統領の指示に従って、大統領室の秘密通話の記録を削除するよう職員に通報したという供述も受けた。キム次長は「事実ではない」と明らかにした。尹大統領の弁護人も「大統領の銃器使用検討指示は事実ではない」とし「デモ隊が梅峰山(メボンサン)で大統領官邸に不法侵入するという情報提供があり、警備本部長が外郭を警備する官邸警戒所の銃2丁を官邸棟内部の警戒所に配置しただけ」と反論した。
警護処内部ではキム次長が警護処職員に12・3戒厳の正当性を主張する極右ユーチューバーの主張を共有したという証言もあった。