川塵録

『インテグリティ ーコンプライアンスを超える組織論』重版出来!

コンプラを変え,会社を変え,日本を変える!

『超葉隠論』 執行草舟

2024年10月26日 | 
「論語と経営・コンプライアンス」って本を出します。年末か年始に。

その準備に、論語、儒教、渋沢栄一、陽明学、武士道などを再研究している。当然、「葉隠」にはぶちあたる。

その過程で、執行(しぎょう)草舟さんに出会った。ヤバい。今年出会った一番ヤバい書き手。博学すぎて死にそう。

小学生時代に岩波文庫を読破。それが嘘ではなかろうってくらいの読書量。その膨大な読書量に裏打ちされる、「自分の言葉」。オリジナルの、魂の叫び。

執行草舟さんを知ると、「自分の言葉で語れるようになることが、読書の価値」なんだなと思う。メディアが言っていることをなぞっているだけでは価値がない。

読書人はすべからく執行草舟を目指すべし。こちら

いくつか刺さる、肚にズシンと来る言葉を抜粋。

◆ I can no more live without elegance 
 優雅でなくては、人生ではない
 …ラルフ・エマソン『エッセー』

◆ 本気にては大業はならず、気違ひになりて死に狂ひするまでなり

◆ 「偽りの蔓延する時代には、真実を言うことが革命の遂行になる」
 In a time of universal deceit, telling the truth is a revolutionary act. 
 …英国ジョージ・オーウェル『言行録』

◆ 同じ人間が、誰に劣り申すべきや。
 …運命への愛(Amor fati)。マルクス・アウレリウス『自省録』で初めて語られ、ニーチェによって人類的価値を与えられた。フランス哲学者モーリス・バンゲが日本の武士道に適用した

◆ 内村鑑三「墓に入るまで、独立であらねばならぬ」

◆ フランス哲学者ミシェール・セール
 「私を殺すものが、私を強化している」
 …葉隠は、現世の自己を殺してくれることによって、真の人間としての再生エネルギーを与えてくれた

◆ 非日常の日常化の過程が、常を養う生活を生み出す。常を養うその生活はまた、物質的なものを断つ生活とも言えよう。
 …これが「養常」の考え方。養常の生活は、本音の自己を作り上げる。生(き)の自分だ。
  
  ※ 189頁の養「生」は養「常」の誤植と思われる

◆ 孤独というのは、崇高に向かう人間になるための魂を掴むためにいちばん大切な生き方です。私の言葉で言えば「ただ独りで生き、ただ独りで死ぬ」覚悟です。
 我々人間は、孤独だから人を愛し、人を信じ、義のために立つことができるのです。 
 国家や家族のために本当に生きることができる人は、昔から最も孤独を抱きしめ、自立した自己を築き上げた人々でした。自立こそが、人のために生きられる。現代では「孤独」が「孤立」と混同されている。

◆ 孤独 というのは、わかりやすく言えば「自立」「独立自尊」ということで、「孤立」は幼稚だから、みんなと触れたいけれども、嫌われて、相手にしてもらえない状態、要は社会から阻害されることです。

◆ 真の「道」は、命のやりとりのことです。「道」のつくものは全て、命賭けでそれと対面することを求められていたのです。武士道などは特にそうです。

◆ 人間に与えられたその「宇宙的使命」(神のために死ぬ)のために生きるのが本来の人間だということに尽きるでしょう。

◆ 「般若心経」でいちばん有名な真言「羯諦羯諦 ( ぎゃあていぎゃあてい ) 波羅羯諦 ( はらぎゃあてい )」は、「行け!行け!突進せよ!」という意味のサンスクリット語。
 我々の生命は躍動し突進するためにこの世に来たのです。 こちら

◆ まず「どう死ぬか」を決めるのが、すべての文化の始まりです。死に方が決まって、それに向かってどう生きるかが定まると、後から生き甲斐が生まれます。死生観は「死」が先なのです。

◆ 個人が自分で死に方を決めてしまうと、独立した人生観が自立してきます。

◆ 犬死にとは、自分の人生が「未完」で終わっても構わないという覚悟です。自分の人生が中途で挫折して良いという思想です。この決意によって体当たりの人生が送れるようになるのです。
 自分の人生に価値を持ちたいから、ほとんどの人が臆病になるのです。 犬死というのは結果論ですが、どう死ぬかなんて誰にもわかりません。だからこそ、自分の信じた道に体当たりしていくことができるのです。

◆ 誰にも知られず、野垂れ死ぬのが犬死です。私は逆に犬死したくないという心境がわかりません。むしろ、犬死したいのです。お別れの会なんかやって、いろいろな人に惜しまれたりするのはまっぴら御免です。
 とにかく、現代人が持つ他者に認められたい、わかってもらいたいという現代病を捨てなければ、本当の体当たりはできないのです。

◆ 上を目指さないということは「今の自分でいい、今の自分が最高」、つまり傲慢なのです。

◆ 岩波書店を創業した岩波茂雄は当時一高生で、藤村操のショックから志を立てた。つまり、藤村操の自殺が、あの岩波書店を作ったのです。

◆ 自分が「武士道を断行しなきゃならん」と思っていたら、まだ本気ということです。
 そうではなく、自分が武士道という人類が生み出した文化の中に入り込んでいって、武士道に成り切って、その魂と同一化して生きる段階から死に狂いです。

◆ 現世なんかは問題にしていないということです。私は天の彼方にしか興味はありません。

◆ 読書家というのは謙虚なんですよ。「自分は本を読む必要がない」ということは「自分は頭がいいから」「自分の見方、考え方は正しいから」と言っているようなものです。
 そして、そういうことにさえ気づかないほど傲慢な人間に現代人はなっているのです。

◆ Q 自由とはどういう状態のことでしょうか。
 魂の躍動です。自分の魂が躍動して生命が燃焼していることが、人間の本当の自由です。

◆ 荘子
 「生を殺す者は死せず、生を生かす者は生きず」

◆ 本書思索編93000字(原稿用紙233枚)を4日で書き上げたバイタリティ

 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『魂の燃焼へ』 執行草舟・... | トップ | 自分でスタートアップ始めて... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

」カテゴリの最新記事