執行草舟の本の中で一番わかり易い本。
いい言葉、刺さる言葉、魂の叫び、肚にズシンとくる、脳天をガツンと挑発してくる言葉を、いくつかシェアします。
◆ 「自分の顔」を作るのが読書の価値。一瞬見ただけで、その人の価値はほとんど分かる。
◆ 読書というのは、問いを見つけること。
答えは、その人の生き方で証明しなくてはならない。
◆ 人間ってのは、ごまかすとき必ず新しい言葉を作る。
昔の人が使っていた言葉を大切にすると、必ず本当のものが分かるようになります。
◆ 小学校を卒業するまでに、当時出ていた岩波文庫を全部読んだ
◆ 人生っていうのは、答えを求めて生き続けることに尽きます。
自分の心の中に、何十個も何百個も問いがあって、それを常に抱えて生き続ける。
問いさえ持っていれば、禅的に言えば、自分なりに物事にぶつかっているうちにつかめる、悟れることがある。
そうして掴んだものだけが、その人にとっての本物なんです。
◆ 何かがあったときに、発奮できる自分を作っておくのが読書なんですよ。
◆ 最初の志が壮大だったからこそ、未完になるんです。ちっちゃな答えとかくだらないものを求めないで、みんなには未完で終わるような壮大なものに向かってもらいたいですね。
◆ 魂は、磨くものではないんです。一番近い表現は、「偉大な魂に自分を合わせる」ということかな。偉大な魂と波長を合わせるということです。
どんなに涙が出ようが突き進む、遠い何者かへの憧れをそう呼んでいるんだ。到達不能の憧れですね。
◆ 大修館の社長鈴木一平の息子たちは、東大を中退して、諸橋轍次『大漢和辞典』の出版を支えた。70年以上かかって刊行した。中韓にもない世界最大の辞典。こちら
◆ アランが言った。
「青春時代に『ジャン・クリストフ』を読んだ人かどうかは、会ってみればすぐに分かる」。
『ジャン・クリストフ』を読んだことがある人は、人格的にもそれらしい何かがあるし、人相だって違うってことですよ。
◆ 良寛上人は、極貧で、でも優しさがあった。泥棒に入られたけど、何も盗るものがないので、泥棒を気の毒に思って、自分が寝ている毛布をあげた こちら
◆ 人間ってのは霊性がすべて。19世紀にアメリカが世界を席巻するまでは、世界中みんなそう思っていた
◆ 福沢諭吉は、アメリカかぶれしている連中を、「アメション」と言って馬鹿にしていた
◆ 亀井勝一郎「人生というのは自分の言葉を持たなければならない」
…亀井勝一郎については「言葉は精神の脈搏である」という評伝もある。買おう。
◆ 横の力に負けないためには、縦の力を鍛えなきゃいけない。
横:横並びで、勇気のない腑抜け。自己固有の精神の敵。情報。友達。
縦:「絶対のもの」「他と比較できないもの」。親、祖先、祖国、なぜ自分がここにいるのか。歴史観。
◆ 友達に好かれようとしていると自己を失う。
◆ 横ばかり気にしている水平人間を「横野郎」という。渋谷なんかに行くこと自体が「横野郎」なんだよ。
◆ できそうなことに挑戦してる人って、やっぱり魅力ないですよ。悪いけど、地位や名声を求めているように見える。
不可能に挑戦しなきゃ。これは未完になるってわかってて、それでもやるんだ。そういう人の生命は、宇宙に実存しているという感じが伝わってきますね。
◆ 戸嶋靖昌「美味いものを食いたがるやつと、柔らかいベッドを求めるやつを俺は信用しない」