昨日の夜は司馬遼太郎の小説『燃えよ剣』を読み返しておりました。
司馬遼太郎先生の小説や山岡荘八先生の小説や吉川英治先生の小説は幼い頃に読みまくって影響を受けすぎて、思考が硬直化しそうな気がして「このままではいかん!」と暫らく読まずに封印していた時期があった。
最近、久々に司馬遼太郎先生や山岡荘八先生や吉川英治先生の物語を読んだりしている。
ようやく司馬遼太郎先生や山岡荘八先生や吉川英治先生の物語を純粋に楽しめるようになった……のかもしんない?
でも読む前に気合は入れた。
そうしないと司馬遼太郎先生の世界観に飲み込まれそうで怖いからだ。
『燃えよ剣』は、新選組副長土方歳三を主人公にした物語。
格調高い文章。う、美しい。
新撰組は結成当初の目的から隊の存在意義が二転三転して、でもその間、隊の存続が第一義で主導権を巡って内ゲバを繰り返すので、新撰組の物語を読むと「仲間内で殺し合いをしている場合か。こら~」って気分になる。でも『燃えよ剣』ではぐいぐいとその物語に引き込まれてしまう。す、凄いっす。
でも私はしぶとい人間のほうが好きだな、と思ったりする。
滅びの美学の話は物語としては面白いけど、でも私はずるくしぶとくでも人には迷惑をかけずに生き延びる人のお話のほうが好きだ。
燃え尽きちゃったらその後は何も出来なくなるではないかと思ったりする。
でもそれは私の趣味の問題か……。
私のようなものが書くまでもなく、文句なく面白いです。
お勧めでありますよ。