昨日の夜はアラン・ワイズマンのノンフィクション『人類が消えた世界』を読んでいました。
いま人類が姿を消したら世界各地では何が起こるのかをシュミレーションしたノンフィクションです。
人類が誕生してから生み出したもので、人類が消え去っても最後まで残るものは何か?
ニューヨークの地下鉄は数日で排水不能となって水没する。
二・三年後には亀裂の入った舗装道路から草が芽を出す。
住宅は住人が居なくなれば直ぐに腐り始め、百年後には崩れ落ちる。
プラスティック粒子や放射性物質などは長期間、生物に被害を及ぼし続ける。それでも地殻変動の過程でそれらも消え去るかもしれない。
人類が消え去っても地球が太陽に飲み込まれても、最後まで残っている人類が存在した痕跡は私にはちょっと意外なモノでありました。
緑豊かな環境と思える場所も、ほとんどが人間の手で改造が終わっている人工的な風景で私達はそれを愛でている。
人類が守ろうとしている環境は人類が生存に適した環境に過ぎない。
本書に述べられてる主張は私は同意できない部分もあったりする。でも、人類の為している事は不完全で制御不能なシステムの上に成り立っている。私達は天や大地に頭を垂れて生きてゆくべきである、という点は同意します。
人類が消えたら世界はどうなるのかという思考実験をさまざまなジャンルから考察していて面白かったです。
お勧めでありますよ。