昨日の夜は佐藤賢一の小説『アメリカ第二次南北戦争』を読み返しておりました。
佐藤賢一は中世ヨーロッパの歴史小説で有名ですね。
この『アメリカ第二次南北戦争』はアメリカを舞台にした近未来小説です。
歴史小説と思い込んでいたのでちょっと吃驚。
2013年、アメリカで内乱が勃発するという設定。
近未来に勃発したアメリカ第二次南北戦争を通して語られるアメリカ論と日本論と日本人論のお話です。
終盤で述べられるあるフランス人のアメリカ論はドキッとする。
う~む。小説の中のキャラクターが述べているのでフランスの人が「そう」考えているかどうかは分かりませんが、ヨーロッパの人間から見たアメリカ論は「そんなもの」かもしんない。
アメリカで内乱が勃発する過程は現実にありうるかもしれないと思わせるほど見事な筆致。
ここでありえないと思わせたら小説は失敗だもんね。お見事です。
この小説はロードノベルでもあります。
キャラクター同士の会話が軽妙。
悲惨で重たいトーンと軽妙な部分とのバランスが絶妙です。
面白いですよ。