昨日の夜は、なでしこジャパンの試合をTVで観た後、神林長平の小説『七胴落とし』を読み返しておりました。
神林長平は日本のSF界の重鎮。言葉を使って読者の現実感覚をパニックに陥れる作品が多いですね。
読んでいるといつの間にか物凄い所に引き摺り込まれてしまう……、そんなイメージがあります。
主人公は予備校に通う少年。
彼は誕生日が来て大人になることに不安を覚えていた。
大人になれば(子供の間は誰でも持っている)テレパス能力を失ってしまう。
魂を直に触れ合わせるテレパスを使ったコミュニケーションが出来なくなれば、他人と真に分かり合えるとは思っていないからだ。
(それゆえテレパス能力を失った≪大人≫とは理解しあえると思っていない)
力が無くなるかもしれない事に怯える主人公の少年は、大人になることを拒み、力を使った死のゲームにのめり込んでいく……。
終盤は息が詰まるような展開。
大人とは? 子供とは? コミュニケートとは? そんなお話でありました。
面白いですよ。
お勧めです。