昨日の夜は、和田竜の小説『小太郎の左腕』を読んでいました。
時は1556年。
西国の戸沢家と児玉家は勢力争いを続けている。
戸沢家に仕える林半右衛門は主家が危機的状況に陥った時、領内に住む11歳のある少年を戦場で戦わせるのだが……。
面白いです。うん。面白い。
でも、私には違和感があるのです。
あの性格設定のキャラクターがあんなことをするだろうか? という疑問が中盤以降で幾つも感じました。
その行動をしてもらわないと物語が進まないのかもしれませんが、説明があまりないので引っかかってしまいます。
そして主人公達の幾つかの決断も私は好感が持てません。
好意的に描かれてはいますが実は周囲の人達にとっては迷惑な決断、というのも幾つかあります。
「えっ?!」と思わせるような行動ではなく安易な決断と言えなくもない、ような気がします。
それと林半右衛門のようなキャラクターは好漢といえるのかもしれないけど、このタイプの人が後先考えずに暴れまっくったが為に戦国期が続いたともいえるのでこのタイプの人を評価してもいいのかなぁ? とも思ったりします。
でも、まあこのタイプの人は起伏に富んだ人生を送った人が多いので面白いというのは確かではあるのですが……。
でも、ま、それは私の好みの問題なのかも?
私は情けなくてもいいからしぶとく生き残る人のお話のほうが好きなのかも。
少年が戦乱に巻き込まれてしまう、というお話なら酒見 賢一の小説『聖母の部隊』がありますね。
メッセージ性なら『聖母の部隊』のほうが強烈です。
和田竜の小説を読むのは初めてで楽しみにしていたのですが、う~ん??
面白かったですよ。でも私には違和感あり。
『のぼうの城』はどうなのかな?
読んでみることにいたします。