昨日の夜は、小林泰三の短編小説集『見晴らしのいい密室』を読んでいました。
「見晴らしのいい密室」・「目を擦る女」・「探偵助手」・「忘却の侵略」・「未公開実験」・「囚人の両刀論法」・「予め決定されている明日」の7つの短編が収録されています。
「見晴らしのいい密室」は本格ミステリと見せかけて……。このオチは読む人によって怒るか喜ぶか分かれるだろうなぁ。禁断の〇〇オチである(〇〇の部分は伏字とさせていただきました)。大胆。
「目を擦る女」はホラーテイストなんだけど考えようによっては読む人の現実感を揺さぶる怖さのホラーです。こんなお話は好きです。
「探偵助手」は少し考え込んでしまいました。最初は「だから何?」と思っていたのです。すぐに気が付かなかった。探偵助手が〇〇とは。orz。不覚でした。気が付くと可愛らしいお話。
「忘却の侵略」は論理詰めで考えて行動する主人公が面白い。
「未公開実験」は下らなくて面白いSF。オチが決まってる。このお話も「では我々の世界は?」と考えたら少し怖いお話。
「囚人の両刀論法」は「利他的か利己的か」・「協調か裏切りか」をテーマにしたスケールの大きなお話。
「予め決定されている明日」は電子計算機が存在しない世界にいる者が電子計算機が存在する世界にコンタクトを取ろうとするお話。
仮想か? 現実か?
夢か? 現か?
そんなお話でまとめられていた短編集でありました。
面白かったですよ。