12/31(木)、ユナイテッド・シネマ新潟で「私をくいとめて」、観てきました。
予告編はこちら。
頭の中の声「A」と常に会話しながら生きる主人公の女性の不器用な恋を描いたドラマ。
まず一番に思ったのは、僕自身が頭の中の自分と常に会話してる人間なので、この設定からしてまるで自分を見ているみたいで「俺以外にこういう人いたのか!」って本気でびっくりしました。
恋愛ドラマって相手との関係性が大事だったりするけど、この映画の場合はほとんど主人公の頭の中で事件が起きている。その感じが本当に自分みたいだったんですよね。
恋愛に不器用な感じも、したいことができずに後悔するところも(女性芸人さんに絡んでる人を怒りたかったけど怒れなかった下りが最高!)、過去の失敗を思い出して自己嫌悪が連鎖するところとかも、本当に自分を見てるみたいで驚きました。
主演ののんさんが僕は大好きなんですけど、「この世界の片隅に」でも思ったけど、本当にそういう人がそこに生きているような存在感を放つ役者さんで、だからこそ映画の中の登場人物を本気で応援してしまう。
で、そこに今回は感情移入までしてしまうので、まるで自分が自分を応援してるみたいな不思議な映画体験でした。
何はともあれ、のんさんがめちゃくちゃ可愛いのでそれだけでスクリーンに釘付けになってしまうんだけど、途中でローマで結婚した親友に会いに行く下りで登場する親友役が橋本愛さんなんですよ。
二人とも本当に大好きな役者さんだし、何より「あまちゃん」を見ていた人間からすると本当にあの二人が親友役という物語に本気で感動してしまいました。尊い!能年玲奈さんと橋本愛さんのコンビはもはや国宝!
のんさんと恋をする林遣都さんの、彼は彼で不器用な感じも良かったし、たとえ恋が実ったとしても主人公の頭の中では常に事件が起きているという物語の展開も本当に良かったです。
不器用な主人公を支える同僚の臼田あさ美さんや上司の片桐はいりさんの存在、心の声「A」は中村倫也さんのいい声(個人的に声優さん以外で一番いい声の俳優さんだと思ってます)、本当にみんな素晴らしかったです。
自分自身に振り回されながらも、それでも自分と向き合って生きていくしかないこの感じとか、そんな一人で絶望を抱えている中でふと誰かから優しくされたり支えられたりすることに微妙な情けなさもありつつも嬉しさを抱えてしまうこの感じとか、本当にすごく気持ちが分かったし、こういう気持ちを描いてくれる映画があって本当に良かったなと思いました。
思えば、綿矢りさ原作×大九明子監督コンビの傑作「勝手にふるえてろ」を観た時も似たような気持ちになったしめちゃくちゃ感動してしまったので、僕は綿矢りささんの原作を早急に読む必要があるなと思いました。
来年は「勝手にふるえてろ」「私をくいとめて」どっちも必ず読みます!
そんな目標もできたところで、これが個人的に2020年最後の映画だったので、一年の最後に自分自身の気持ちと向き合い、自分で自分を応援したくなるような、そんな前向きな気持ちになれる映画に出会えて本当に良かったです!来年もよろしく!