インターネットに傷付いた時は心の中の吉田豪を発動させる。

最近、インターネット上で匿名の嫌がらせに遭っている知り合いが何人かいて、見ていて心苦しいです。
僕がここで何か言ったことで別に何も解決しないと思いますが、何となく、僕が去年そういう目に遭った時に書いたブログのリンクを貼っておきます。



「僕がインターネットで体験したこと、考えたこと、そして何度でも伝えたいこと。」



Twitterの誹謗中傷とか差別とか嫌がらせとか、そういうものを制度で規制しようとしてもはっきり言って抜け道なんて無限にあるわけで（個人が特定されないように固有名詞は出さずに誹謗中傷する、アカウントをいくつも作る、などなど）、結局止められるのは人間のマナーや良心や常識だけなんだよなと思います。
インターネットを利用する自由や楽しさを守りつつ規制も行うのは難しいですよね。何とも言えない気持ちになります。



と、先程このブログのリンクをツイートしたところ、また新たにコメントがあり、一瞬「また悪口か…！？」と身構えたのですが、ありがたいことに荒らしではありませんでした。
正直これ言うのは負けを認めるようで悔しいですが、この被害に遭ってからブログのコメントやTwitterの通知などに対し「悪口か…！？」といちいち反応してしまう人間になってしまいました。多分これは一生治らないんだろうな。人を傷付けるとはこういうことです。



人間なので悪意や心ない言葉には傷付きます。それはネットでも現実でも同じことです。
そういうことはやらずに生きていくのが人間のあるべき姿かと思いますが、それにも限界はあるし、インターネットとは、自由な発言が出来る楽しさがある一方で、結局そういう誹謗中傷が野放しになってしまうことを止められない世界だからやってられないぜ～という気持ちにもなります。



ところで僕は先程のブログに、ネットの匿名性の危険、みたいなことを書いてい」ますが、別に僕は匿名でネットを利用する人を否定する気持ちはまったくありません。それは自由だと思います。
（あと個人的に僕はネットを始めた当初から匿名で投稿したことがほとんどないので、そういう人の気持ちは本当は多分よく分かってないんだろうな、ということは一応言っておきます）

僕の中で、Twitterはコミュニケーションツールでも承認欲求を満たすツールでもなく、人間とは気持ちを言葉にしないとどうにも気持ちがおさまらないことがある生き物なので、その欲求を満たすツールであり、そういう言葉をお互い眺め合って何となくお互いにやにやするツールだと思って利用してます。
なんか色々書いてきましたけど、要するに、基本的にインターネットで何を発言しようが自由だと思います！ってことです。

でもだからって誹謗中傷とか悪口とか差別とかもってのほかだと思いますけどね！
ただまあ、そういう発言をネットで見てしまった時は「ここは天国じゃないんだ　かと言って地獄でもない　いい奴ばかりじゃないけど　悪い奴ばかりでもない」ってブルーハーツの歌詞を自分に言い聞かせたりしています。



まあ、何だかんだ言っても、僕も6年前にあるライブを見に行って、その内容を物凄くバカにしたようなブログを書いて、それを読んだライブハウスの経営者の方からコメントでこっぴどく怒られた（のに、特に謝りもしなかった）ことがあるような人間なので、ネットマナーに関して人のことは言えないんですけどね…
いや、何度思い出してもめちゃくちゃ後悔してます…あの時は本当にすみませんでした…



また、去年は僕が新潟である演劇についてや、新潟演劇そのものについて、かなり批判的な発言をしていたこともあります。
その話について、先日東京で松本卓也監督とイグロヒデアキさんから「ちひろBLUES新潟演劇ブチキレ事件」って言われて正直ちょっと笑ってしまったんですが、まあ何ていうか、僕はツイートする時って、心のどこかで「自分だけが読めばいいや」くらいの気持ちがあるんですけど、意外と色んな人が自分のツイートを見てるんだなあ、と実感させられた出来事でした。

僕は批判と悪口は似ているけど全然違うと思っていて、僕が去年投稿したのは批判であって悪口ではないと自分では思っているのですが、でも言葉の受け取り方は人それぞれなので、僕から悪口を言われたと思った人が僕のことをすごく怒っていたとしても仕方ないんだろうなあ…と思います。
正直、当時は出来るだけ冷静に批判したつもりなのですが、それでも一年近く経つと言葉が足らなかった部分に気付かされたりもするので、もし万が一僕の投稿に怒っているような人達にお会いしたら、ちゃんと話し合えたらいいなあ、と思う部分がなくもないです。



まあそんな訳で、インターネットに意見を書くということは、誰からどういう受け取り方をされるか分からない危険が伴う、ということは、常に頭の片隅には入れておきたいですね。
自分にできるのは、ひとまず自分だけはそういうことをやらないように心掛けることだけなのかなあと思いますが、それが一番大事なことかも知れないですね。

とは言え、心掛けていたとしても、自分では悪意のない言葉で人を傷付けてしまうこともあるんだろうなあと思います。僕が誰かの悪意ない発言に一人で勝手に傷付いてしまうこともあるように。
そんなことばかり考えていると、インターネットなんかやってられないぜ～って気持ちになるのですが、結局、色々な人がいる世界で生きていくということはそういうことなのかも知れません。



少し前に、そんなことを考えていた僕はこんなことをツイートしたことがあります。

人間なので、苦手な人もいるし苦手なツイートもある、苦手なものを見ているだけで気持ちがしんどくなることもあるんだけど、そんな時、心の中の吉田豪を発動させると、意外と冷静さを保てるということが最近分かってきました。（自分が吉田豪さんだったらこんな時どうするだろう、と考えるという意味）

— ちひろBLUES (@Chihiro_BLUES) 2017年12月24日

するとなんと、このツイートを吉田豪さんにRTされ、その後に吉田豪さんがこんなツイートをしていたではないか！

ボクの場合は人を嫌いになるという感覚が欠落していて、その代わり「好きじゃない」「嫌いじゃない」枠が多いんですよね。そして岡田斗司夫とかに対してもそうだけど、嫌いになるよりも好奇心が勝って、課金してニコ生を見て粗探ししたりするようになっちゃうタイプ。もしかしたら好きなのかも！

— 吉田光雄 (@WORLDJAPAN) 2017年12月24日

豪さん強いぜ…以前、成宮アイコさんが「傷付かない人間なんていると思うなよ」と言った時にある人が「吉田豪さんがいるよ」と言っていたことを思い出します。
まあ、吉田豪さんみたいになることはさすがに難しいですが、まあ、常に心の中に吉田豪さんを携帯するくらいの余裕は欲しいですね。





…そんな訳で、真面目にインターネットのマナーについて考えていたはずが、気付いたら吉田豪さんについて考えていたわけですが…
そんな時、吉田豪さんがアーバンギャルドにインタビューしていた記事が上がってきて面白かったので、もはや全然関係ないですが、最後にそれだけ紹介しておこうと思います。



「アーバンギャルドCDデビュー10周年記念ロングインタビュー│吉田豪と振り返る、メンヘラバンド10年の歩み - 音楽ナタリー」



ナタリーの、アーバンギャルドへのインタビュー記事なんですけど、松永天馬さん、浜崎容子さんがバンド活動の紆余曲折や心境を振り返っています。
「アングラ」「サブカル」「メンヘラ」と言った扱いが難しい話題への鋭い言及も興味深いです。

インタビュアー吉田豪さんの話の広げ方も流石です。
読んでいて、何故か元気をもらいました。結局僕は、音楽でも何でも、作品とともに、時代背景や作り手の人生などをセットで楽しむのが好きなんだなあと思いました。







全然話がまとまってないしオチも思い付かないので、いつものようにカレーの画像でも貼っておきます。