舞い上がる。

日々を笑い、日々を愛す。
ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

深夜のノリで書きおろし小説「嘘とウサギ」前編。

2011-06-01 02:05:05 | 小説
おもしろいお風呂のブログを発見しました。


おも風呂





という訳で、深夜のノリだけで小説を書き始めました。



「嘘とウサギ」




教室に入ると、ほこりっぽい空気に朝の日光が差し込み、光の筋を作った。
いつもと変わらない教室の風景。
自分の机に座り、二つ斜め前の席に目をやる。
ヒデオは今日も学校に来ていない。
昨日も来なかった。
もうすぐ大学受験の季節だと言うのに、志望校も決めずに彼は何をしているのだろうか。
「ヒデオの奴、今日もきてねーよ」
俺がそう友人のワタルに言うと、ワタルはニューアクションガンマの答えを写しながら言った。
「ハア、タカイチお前しらねーの?アイツ、学校休んで旅に出てるらしいぜ?」
ヒデオが旅行?初耳だ。
「なんでワタルがそんな事知ってるんだよ」
俺がそう聞くと、ワタルは高校では使用が禁じられている携帯電話の画面を俺に近付け、言った。
「ブログだよ、ブログ。あいつブログやってんだよ。あ、また更新されてる」



一方その頃、アメリカ大陸アリゾナ州の地下では、歴史的な実験が行われていた。
物質を光速に限りなく近付けることで、その物質を未来へと転送することは可能かを検証する実験である。
実験用に一匹のウサギが装置に入れられることになっていた。
ウサギは自分の状況に気付くはずもない。
装置内に固定されると、巨大な扉が閉められ、装置が作動した。



乳製品が豊胸に効果があるなんていうのは嘘だ。
小学一年生の時から14年間、毎日必ず牛乳を飲み続けて効果が無かった私が言うのだから間違いはない。
しかも、身長も中学生の時から止まっているし、未だにお酒を買う時に年齢を確認されることがある。
その話を同棲しているタカイチにしたことがある。
するとタカイチは、
「でも俺はそんなお前が好きだ!」
とか言って私を押し倒して来たので、
「そういうこと言ってるんじゃないでしょ!」
と言って私は買い物に出かけてしまった。

だから私は、スーパーに向かう途中で母に電話をかけて相談する。
母は言った。
「他人より成長が抑えられている人間は、その分のエネルギーが別のところに使われているのだ」と。
ならば、この能力がそれなのだろうか。
帰宅した私にいきなり抱きついてくるタカイチは、今日はバイト先の女性店長に褒められたらしい。
機嫌がいいのはそのせいだな。

「今日バイト先で何かいいことあったでしょ」
私がそう言うと、タカイチは、
「別に大したとこじゃねえよ!」
と言って目をそらす。
私は言ってやる。
「店長さん美人だもんね」
「はあっ!?店長が美人だとかそーゆーことは関係ねーだろ!てか何で俺のバイト先の店長のこと知ってるんだよ!」
途端にタカイチの声が大きくなる。
何かをごまかしたい時の癖だ。
「この前、タカイチがバイト先の飲み会があった時に迎えに行ったでしょ。その時見たのよ」
私も適当にごまかす。
「ああ、あの時見たのか」
「そう」
私の勝ちだ。
「だから、私に嘘ついたって無駄なのよ」

私はこの能力のせいで、常に情報では他人の優位に立ってきた。
しかし、時には知りたくない情報を知ってしまうこともあるのだ。




つづく。
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Kawaちゃん)
2011-06-01 08:56:32
続き気になるぅうぁあああっっ!
返信する
Unknown (ウホッ、いいテルマエ・ロマエ)
2011-06-01 20:45:24
おもけんの入浴姿が見れると思ったのに・・・
騙されたっァ!
返信する
あさイチ (ローメン)
2011-06-02 13:31:40
>Kawaちゃんさん

ぶっちゃけこの時点で続きは何も考えてませんでした。


>ウホッ、いいテルマエ・ロマエ

風呂だけに!
おもケンのブログに直接リクエストすれば、やってくれるかも!?
返信する

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