シネ・ウインドで話題の映画「恋の渦」を観て来ました!
結論から言うとすごく面白かったので、感想書いていこうと思います。
「恋の渦」は、岸田國士戯曲賞を受賞したポツドールの三浦大輔が原作とか、モテキの大根仁が監督とか、何かと話題になった映画。
なんでも、超低予算で4日間で撮影された映画なのに、東京では連日満席で、急遽追加上映され、全国でも上映することになったそうです。
その時点ですごく気になるところですが、僕が最も心惹かれたのは、「ゲスでエロくてDQN」というキャッチコピー。
なんでも、チャラ男とギャルばかりが登場してひたすらゲスくてエロい映画らしいのだ!これは見たい!
という訳で、12月25日、「恋の渦」観に行って来ました!
てか、クリスマスにこんなゲスの極みみたいな映画やってくれるシネ・ウインド本当愛してる!
はい、映画の感想ですが、期待以上の面白さでした。
2時間半というやや長尺にも関わらず、全く飽きることなく最後まで楽しめました。
まず、ストーリーが素晴らしい。
アパートの一室で合コンを行った男女9人の、1週間後、2週間後の恋愛模様を、テンポよく描いていきます。
この恋愛模様というのがですね、とにかく生々しい!
若い男女が集まったら考えられ得るゲスな展開が、これでもかと詰め込まれた濃厚な2時間でした。
今思うと、役者は前述した9人+1人しか登場しないし、舞台は4か所のアパートしか登場しないし、基本的に会話劇です。
だから確かに低予算なんだなあって思ったりしますが、それも全く気にならないほど面白いのは、やっぱり会話が面白いからだと思います。
この映画には、男女の気まずい瞬間の面白さがこれでもか!って登場します。
例えば“女の子から「この子すごく可愛いよ」って紹介されて期待してた男が、いざその子に会ってみたら不細工でテンションが急に下がる”みたいな。
現実にあったら絶対笑っちゃいけない状況なんだけど、思わず「ああ~あるある!」って笑ってしまう感じ。
そういう男女の、切なさと笑いの絶妙な瞬間を切り取るのが本当に素晴らしかったと思います。
それから、役者さんたちもみんな素晴らしい。
演技の一つ一つが本当に生々しすぎるというか、本当にこういう奴いるよ!いるいる!ってキャラばかりでした。
だからこそ、本当にこういうゲスい奴らの恋愛模様を覗き見ているような気持ちになって楽しめるんですね。
脚本の話にもなりますけど、基本的にリアリティがとんでもなく秀逸な映画なので、全体通して「覗き見ている感」がとんでもないですね。
映画にありがちなドラマティックな展開というのよりも、リアリティを追求しているなあってのをすごく思いました。
例えば、浮気現場を彼女に目撃されて修羅場、みたいな状況はドラマではありがちですが、この映画ではそういう展開は描かない。
寧ろ、バレずに浮気をした後で、彼女と会った男の会話に生じる、微妙な違和感。
「ああ、こうやってごまかすのね」とかそういうのを観察して楽しむ映画だと思います。
あと、何度も書いてますが、この映画、本当にゲスな奴らしか出て来ません。
それでいいなって思ったのが、キャラ達に対して、変な善悪とか、好き嫌いとか、そういう描き方をしてないんですよね。
例えば浮気したからコイツは悪い奴とか、ヤリマンだから嫌な奴とか、そういう感じじゃないんですよね。
あくまで、キャラの一人一人は自分の理論で生きてるだけで、それをそのまま見せてるって感じがしました。
だから見る人によってキャラの好き嫌いがかなり分かれる映画かもしれないです。
あと、「あ、ヤバいこれ自分にもあるわ」ってのに気付かされてどきっとする瞬間とかもあるかもです。
そして、後半になるにつれて徐々に明かされていくキャラ達の本性も、見ていて驚かされます。
ゲラゲラ笑っていたはずが、油断すると人によってはちょっと泣きそうになる瞬間もあるかもしれないです。
とにかく、こんな感じでエロくてゲスい奴らを2時間半全く飽きずに見続けられる映画です。
まあ、色々ごちゃごちゃ書きましたが、とにかく面白い映画です。
勃起する映画であることは間違いないと思います。
あと、エピソードの絡め方とか伏線の回収の仕方とかも上手いので、伊坂幸太郎とか好きな人は好きかもしれないです。
全員が勝手に恋愛しててすれ違ってるって点では、ハチクロとかにも近いかもしれません。
DQNしか出て来ないゲスなハチミツとクローバー、とか言ったら羽海野チカ先生に怒られるかもしれません。
新潟では12月27日までしかやってないので、気になる方は今すぐシネ・ウインドへ!
19時10分からです。全力でオススメです!