舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

衝撃のサスペンス映画『スリー・ビルボード』観て来ました!

2018-03-05 22:29:03 | Weblog


3/3(土)、ユナイテッドシネマ新潟で『スリー・ビルボード』を観ました。



ひとまず予告編はこんな感じです。





この映画の率直な感想として、かなり衝撃的な映画だったなあ…と思いました。
映画の中で起こることの一つ一つが衝撃的すぎるのですが、その一つ一つを自分がどう受け止めればいいか判断できないうちにストーリーが進んでいくのでただただスクリーンを見つめ続けることしか出来ず、そのまま映画が終わってしばらくは茫然としてしまった…そんな感じでした。



一つ前に観た映画『デトロイト』もかなりの衝撃作だったのですが…
実話を元にした衝撃作『デトロイト』を観て来ました。



『スリー・ビルボード』もまた衝撃的な映画でしたねえ…



どんな物語かと言うと、ある田舎町で一つの事件をきっかけに巻き起こる様々な騒動や新たな事件を描いたサスペンスであり群像劇、という感じです。
「スリー・ビルボード」というタイトルの通り、3つの看板から映画は始まります。

ある田舎町の見晴らしのいい道路沿いに絶っている3つの看板に、突然、警察を訴えるような文章が書かれます。
この田舎町では、ある少女が強姦され殺害されるという事件が起こっており、被害者の少女の母親が、その事件が未解決なことに対する怒りから、このような看板を立てたのでした。

この3つの看板がきっかけで、マスコミが動き出してこの町の警察署長は頭を悩まされたり、過激な考えの警察官は看板を立てた会社を脅したり、被害者の母親は警察に対する行動がどんどん過激化していったり、とにかく小さな田舎町では様々な騒動が巻き起こります。
色々な立場の人達が、それぞれの考え方から動き出し、一つの出来事がきっかけとなりまた新たな出来事が起こったりと、事態はどんどん複雑に、そして騒動はより過激化していきます。

この映画の特徴として、誰が正義で誰が悪、みたいなものを分かりやすく描かないということがあると思います。
主人公である被害者の少女の母親に肩入れして観ればいいのかと思いきや、途中から彼女の行動は理解しがたいものになっていったり、彼女に訴えられる警察署長も決して悪役ではなく、それどころか彼には彼の事情というものがあり、同情すらしてしまうわけです。

暴走する過激な警察官も、途中までは完全に嫌悪感を持って見ているんですけど、徐々にそれだけでは語れない一面を見せて来ます。
そして、(ネタバレを防止するので詳細は書きませんが)あんなことやこんなことがあったにもかかわらず、まさか最後にあの人物とあの人物があんな行動に出るとは…本当に最後まで一つも予測が出来ずに、驚きの連続の映画でした。



この映画が描いていることの一つに、世の中の複雑さがあるのではないかなと思います。
エンターテインメントの映画の多くは、敵と味方、悪人と善人が分かりやすく描かれたりしますが、現実の人間関係はそんなに分かりやすく分けられるものではなく、ある局面では加害者となった人間が別のある局面では被害者になっている、なんてこともあるわけです。

また、映画の中の物語では、起承転結や伏線回収、クライマックスなんかが用意されていたりしますが、現実の世界はそんな風に映画みたいに出来ているわけではないのです。
だから、この映画で、同時多発的に次々と予測不能の出来事が起こることはある意味リアルだと思うし、その都度びっくりしてしまう気持ちも、要するにテレビのニュースを見て驚く気持ちとすごく近いような気がするのです。

私たちが色々な事件に対して抱いてしまう「何でこんなことが起きたのか」という疑問の答えは、多分どんな事件でもそんなに分かりやすいものではないと思うのです。
何かきっかけとなる出来事はあると思いますが、それも複数の要因が複雑に絡み合っているものだと思うし、「これ」という分かりやすい真実が見付かることはなかなかないと思うのです。

で、この「スリー・ビルボード」は、そういう混沌とした世の中の複雑さ、残酷さ、予測できなさ、などを描きながらも、ちゃんと一つの物語にまとまっているのがすごいなあと思います。
最後の展開とかも、よくこんなこと思い付いたな…(でも世の中ってこういうことも起こり得るかも知れないよな)と思わせるものだし、カタルシスを感じていいのか悪いのか、どういう気持ちになっていいのかよく分からない結末だったのですが、ちょっとだけ救われる部分もあったような気がします。



はい、そんな感じで、思い付いたことを書いてみましたが、正直あの映画についてちゃんと書けた感じが全然しません。
要するに、言葉では説明できない映画だということなんですけど、それはそれだけ色々なとらえ方が出来る豊かな映画であるということなのかも知れません。
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