8/13(金)、シネ・ウインドで「水を抱く女」を観てきました。
ベルリンの博物館で働く歴史解説者である女性ウンディーネが、恋人ヨハネスと別れた日、ダムの整備をしている潜水士のクリストフと出会い、恋に落ちます。
しかし順調に思われた二人の恋は思わぬところで陰りを見せ、クリストフは命の危機に陥る。
そこでウンディーネはまさかの行動に出る…
実はファンタジー要素もあるラブストーリーでした。
この映画、何か深い意味がありそうで、よく分からない場面がたくさん登場します。
ネタバレを話したところで意味が分るような映画じゃないと思うので、気にせず書いていきます。
まず、主人公のウンディーネが潜水士のクリストフとカフェの中で出会うと、カフェの巨大な水槽が割れ、水の中で二人は抱き合います。
その時、巨大な水槽が割れるのですが、その水槽の中に飾ってあった潜水士の人形が、まるでウンディーネに話しかけるように感じ、その後、ウンディーネは潜水士の人形を大切に持っています。
ウンディーネはクリストフと一緒に潜水に挑戦してみるのですが、クリストフが潜水するとまるで水の精のような巨大なナマズが現れます。
そして、ウンディーネは潜水具を外して巨大なナマズと一緒に泳ぎ出し、それを溺れたと思ったクリストフはウンディーネを救助します。
ウンディーネとクリストフが歩いていると、向こう側からウンディーネの元恋人のヨハネが新たな恋人と二人で歩いてきます。
そこで気持ちが動転したウンディーネは、それが元恋人だとクリストフにバレてしまい、別れたあとで電話で喧嘩になります。
その後、ウンディーネは潜水士の人形を落として足を壊してしまうと、クリストフも潜水中に足を怪我して命の危機に陥ります。
クリストフは事故後に脳死状態に陥るのですが、前日に二人が電話で喧嘩をした時、すでにクリストフは脳死状態だったという不思議な現象が起こります。
そこでウンディーネは、元恋人ヨハネの家に行き、彼がプールで泳いでいるところに突然現れて殺害してしまいます。
その後、ウンディーネは水の中へと消えていき、それと同時に脳死状態だったクリストフは目を覚まします。
2年後、ここからはクリストフが主人公になり、2年ぶりに潜水をすると、水の中にウンディーネが現れますが、カメラには何も映っていません。
しかし、ウンディーネが忘れられずに再び水の中に入ったクリストフは、もう一度ウンディーネと出会い、水から上がったその手にはあの潜水士の人形が握られていたのでした…
ウンディーネは何者なのか?潜水士の人形は何なのか?
正直、ウンディーネの行動理由や、後半の展開の意味など、よく分からなかった部分が多かったです。
しかし、あとで解説を聞いたときろ、そもそもこの映画、ウンディーネというヨーロッパの水の精の伝説を元に作っていて、それが分かれば理解が深まるとのこと。
そう考えると、完全に理解はできないものの、納得する部分がかなりありました。
とはいえ、何も分からずに見ただけでも、ウンディーネが実は普通の人間ではないことは後半の展開で分かったし、水の中という怪しい空間だからこその謎の存在感も醸し出すという、なかなかに丁寧に作り込まれた映画でした。
そして、そんなファンタジー設定が現代のベルリンで起こるという絶妙な違和感も、いい味になっている映画だと思いました。