映画「カウラは忘れない」観てきました。

シネ・ウインドで「カウラは忘れない」を観てきました。

戦時中、オーストラリアのカウラ地区にあった捕虜収容所から、日本人捕虜が集団脱走、その多くが亡くなった「カウラ事件」を巡るドキュメンタリー。
当時を知る日本人、オーストラリア人の生存者に話を聞く中で、捕虜となることを恥じ、脱走して死を選んだという、当時の日本軍の思想が浮かび上がってくる。

そもそも僕はこの映画を見るまで「カウラ事件」自体を知らなかったし、最初にこの映画で知った時も当然生き延びるための脱走なんだろうと思ったので、当時の日本人の「恥より死」という思想が当たり前に浸透していたことの恐ろしさを知りました。
と同時に、個人の意志よりも集団の空気を優先して行動してしまうあたりも、実は現代の日本人にも通じるものなのか…とも思いました。

日本の女性高校生達が、カウラ事件の生存者の方を取材したり、実際にカウラ地区の現地を訪ねたりして、歴史を学ぼうとする行動力に、すごいことをしているなと感動しました。
また、劇作家の坂手洋二さんが、カウラ事件を題材にした演劇を現地で上演して、オーストラリアをはじめ各国の人達がそれを観劇するなど、それぞれのやり方で歴史を考え続け、後世に伝えていく人がいるのだなと思いました。

中でも、戦時中は監視兵だったオーストラリア人と、カウラ事件の生存者の日本人という、当時は敵対していた2人が、長い時間をかけて握手をするという場面が印象的でした。
戦争という悲劇を繰り返さないために、歴史から学び、平和な時代を作っていく必要性を実感しました。