
11/19(木)、ユナイテッド・シネマ新潟で「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」を観てきました。
新潟市内ではユナイテッド・シネマ新潟のみでの上映で、上映期間も短かったのですが、最終日に観てきました。
予告編はこちら。
2012年の国連会議で「人間は発展するためではなく幸せになるために生まれてきた」とスピーチし世界的に注目されたウルグアイのホセ・ムヒカ大統領。
その言葉に心を動かされた日本のテレビディレクターが彼に会いに行くことから始まるドキュメンタリーです。
日本のテレビディレクター(この映画の田部井一真監督)が2015年がウルグアイを訪れ、貧困対策の工事(失業者に住宅建設という仕事を提供し、働いた人はその住宅に住めるらしいです。いいね!)を視察中のムヒカ大統領にインタビューすると、彼は日本の文化や歴史に深い理解を示します。
その理由を知るため、大統領引退後のムヒカを再び訪ねると、彼は元大統領とは思えない普通の農家に住んでいました。
「大統領は多数決で選ばれるから大多数の人と同じ生活をする」と語るムヒカ氏は、元大統領というより普通の農家のおじさんのような雰囲気。
そこからムヒカ氏とウルグアイの歴史が語られるんだけど、ウルグアイは戦前日本からの移民が多く、当時貧しい農民だったムヒカ氏はそこで交流し、日本の文化や歴史を知ったそうなのです。
そこで聞かされる、若い頃ムヒカは反政府ゲリラに所属し軍と銃撃戦を繰り広げたという話題にはぎょっとしたけど、そうすることで、クーデターと軍事独裁政権の誕生を防ごうとしたという説明を聞いて納得できるものがありました。
しかし実際にクーデターは起こりムヒカは12年間投獄され、軍事独立政権が倒された時にやっと解放されたらしい。マ、マジか…
その話を聞き、監督はムヒカを日本に招待します。
日本の文化を実際に見たり(欧米化が進んでいるという鋭い指摘をしていた)、広島の原爆ドームを視察したりして(日本に来て広島を視察しないのは日本の歴史に対する冒涜だと厳しい発言をしていた)、最後に大学の講演会で若者達と交流します。
ユーモアも交えながら厳しい言葉を若者に伝え、質問コーナーでは一人一人と丁寧に言葉を交わすムヒカ氏の姿が印象的でした。
中でも、「人生で大切なのは成功することではなく歩むこと」という言葉が心に残りました。
諦めないで生き続けようというその言葉は、12年の投獄経験を経て大統領になったムヒカ氏が言うからこそ強く伝わってくるものだなあとも思いました。
というか、こんなに市民の目線で物事を考え、一人一人の幸せを考えられる政治家がいたのかと本気で驚きましたよ!
この映画を観たらムヒカ氏のように生きたいと思うし、そんなムヒカ氏を尊敬する監督の気持ちも伝わってくる映画でした。
そんなわけで、生きる勇気をもらえるいい映画でした!