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舞い上がる。

日々を笑い、日々を愛す。
ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

映画「クー!キン・ザ・ザ」観てきました。

2021-12-07 23:23:34 | Weblog




12/7(火)、シネ・ウインドで、「クー!キン・ザ・ザ」を観てきました。

有名チェリストのチジョフと、その甥のトリクは、モスクワから突然キンザザ星雲の惑星プリュクにワープしてしまう。
砂漠の広がる惑星の、怪しい宇宙人達と繰り広げる脱力系の会話と予測不能な大冒険、どういう頭をしていたら思い付くのか分からないシュールすぎるSFアニメ。

真冬のモスクワで謎の宇宙人に遭遇した2人が、彼の持っていた謎の機械を携帯電話と勘違いしていじったら突然砂漠の惑星に転送されてしまう、という突然すぎる始まり方でもうぶっ飛ばされる。
そこに現れるプリュク星人達はまったく違う価値観や文化を持っているのに、相手の脳内を読む力があるから会話が成り立つという、ゆるいSF設定があることで物語が何となく進行していく。

でも、そこでの地球人とプリュク星人のすれ違い続ける会話の一つ一つがシュールな笑いを生むし、地球人の持っていたマッチが惑星プリュクでは超高級で、それによって生きる階級が決まるという妙に人種差別や階級社会に対する皮肉めいた設定も面白い。
ロボットや空を飛ぶ謎のマシーンのガラクタのようなデザインや金属の質感も凝っていて、見ていて妙にSF心をくすぐられる。

「2001年宇宙の旅」みたいなSFでも「スター・ウォーズ」みたいなアクションでもなく、SF設定も常識もお構いなしの予測不能のシュールな冒険と笑いが連発、振り回されていくうちに次第に引き込まれてクセになる。
「不思議惑星キン・ザ・ザ」という実写映画のリメイクらしいのですが、そっちも気になります。

全体的に、チジョフが威張っているような地球の権威も常識も肩書も金も、宇宙に行ったら何の役にも立たない一方で、トリクの口の上手さ、駆け引きの狡猾さ、行き当たりばったりの菖蒲強さは、意外なところで力を発揮してししまうあたりも、風刺を込めて常識を笑い飛ばすような作風だなと思いました。
ただ、最初は地球での権威を見せ付けて威張っていたチジョフが、次第にプライドを捨ててトリクのために奮闘する展開はちょっとぐっときた…かもしれない。

散々行き当たりばったりな冒険を繰り広げた挙句に、ついに念願の地球に帰れる!と思ったら、出発した宇宙船がまったく違う惑星に到着してしまうという、肩透かしなラスト…
…かと思わせて、一番大事なところで序盤に登場したキーパーソンが登場し、「最初からそうすれば良かったじゃん!」という感じで一瞬で地球に帰る。

とはいえ、プリュクではずっと音楽の才能を何にも活かせずに空回りしていたチジョフが、最後の最後に出会った宇宙人に歌で想いを伝える場面は、謎に感動的でもある。
そして何事もなかったかのように、冒頭の地球の場面に戻るラストは、まるで夢から覚めたようで拍子抜けするのですが、冒頭と違ってチジョフとトリクがちょっと仲良くなっているあたり、観終わるとちょっと幸せになれる「映画」というものを表現したのかな、なんて思いました。
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