舞い上がる。

日々を笑い、日々を愛す。
ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

人生は終わったと思っていた。

2012-07-12 15:01:45 | Weblog
ひきこもりアートフォーラムの話。






6月3日のこと。
この日は仕事が休みでした(日曜日は休みです)。



で、この日は万代市民会館でひきこもりアートフォーラムというイベントがあり、見に行って来ました。
というのは、月乃光司さんの講演があったからです。



月乃光司さんは、こわれ者の祭典という団体の主催をされている方です。
今年の2月に初めてこわれ者の祭典を観に行った時にお会いしました。

ひきこもりや自殺未遂、アルコール依存症や、精神病院への入院といった体験を経て、今に至る月乃光司さん。
今では詩の朗読のパフォーマンス、書籍の出版、ラジオの出演など様々な場面で活躍されているのは本当にすごいことだと思います。








これが月乃さんです。
ネットにあった画像を無断転載!



これは侍を表現しているところです。
真面目な朗読の中で、こうやっていきなり笑わせたりしてきます。

自分の"頭髪障害"を自らネタにしたり、生きづらさを感じながら生きることを侍に喩えたりするセンス、本当に脱帽です。
この日も、いくつかの詩の朗読を披露してくれました。

月乃さんのネガティブな感情をさらけ出しながらも、あらゆる人間を肯定するようなある意味すごくポジティブな考え方。
いつもすごく勇気もらってます。




この日、月乃さんの講演の中で印象的だったのが、精神病因を退院してから就職した時の話。
月乃さんはこの時、アルコール依存症を抜け出すための自助グループに参加していたらしいです。

そんな中、人生で初めて正社員の内定をもらい、月乃さんも家族も本気で喜んでいた時のこと。
自助グループのメンバーの一人が月乃さんに言ったそうです。



「就職が決まって嬉しいのは分かるが、そんな何年も引きこもっていた人間が今すぐ就職したら絶対に潰れる。だからまずは、一日2時間くらいのバイトから始めればいい。そのためなら、一、二年親の脛を齧っても構わないから」



この話を聞いた時、月乃さんは「何だよせっかく人が喜んでるのに」って思ったらしいですが、すぐにそれが正しかったと思ったそうです。
というのも、数年振りのバイトは、2時間でも本当につらく、もし正社員になっていたら、本当に潰れていたと思ったそうなんです。



この話は本当に感動しました。
フリーターより正社員を目指すべき、社会の一員としての自覚を持つべき、一般的にはそれが正論でしょう。

しかし、それが上手く出来ない人間もいる。(僕もそうですが)
そういう人間は世間からは格好悪く見えてしまうし、何より本人が誰よりもそれを感じていると思います。

そんな中、たとえそれが常識と逆行するような道であっても、その人が本当に幸せになれる道をすすめる。
これが、本当の優しさなんだと思いました。





講演後に質問コーナーもありました。
その中で月乃さんの発言。



月乃さん「誰も手を上げないと、ここでリストカットしますよ」



出た!
いつものブラックジョーク!






また、この講演の中で、月乃さんの執筆した書籍の宣伝もありました。




月乃さん「私の書いた本の物販も行っていますので、興味がおありの方は是非ご購入下さい。倉庫に在庫がものすごくあるので」



自虐的だ!



月乃さんの書籍「人生は終わったと思っていた」の帯には、精神科医の香山リカさんの言葉が書かれています。
月乃さんと香山先生は、イベント等で何度か共演しているらしいです。



月乃さん「これ、見ていただけると分かるんですけど、香山リカさんからの言葉が書いてあるんですよ。読みますよ……



『精神科医の私は、これまで入院歴のある人をどこか"患者さん"という目で見ていたかもしれない。月乃さんと友だちになって、私はそんな自分のことを猛烈に反省した。これは精神科医の私を改心させた心の友の書いた本です』



どうですか!あの香山リカ先生を改心させたって!すごいでしょう!今度テレビで香山リカ先生を見たら、この人、月乃って人に改心させられたんだぜって思って下さい」



月乃さん、なんかノってきてるぞ!?



しかし、本当に月乃さんの生き方は素晴らしいと思う。
若い頃に失ったものは大人になったら取り戻せないとか言うけど、月乃さんを見ていると、人生は何度だってやり直せるっていう希望をもらえます。




そんな月乃さんの詩の朗読の動画があったので載せておきます。
これ、すごく好きな詩です。





「僕はサバイバー」
You tubeより。




あと、関係ないけどびっくりしたのは、月乃さん俺の中学の先輩だったぜ。
ウッフフフフ!






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