nemo 折々の自然

折に触れて観察した自然などの記録

高清水自然公園・駒止湿原

2010-06-24 00:00:00 | 旅行記
 『ニッコウキスゲ咲く「駒止湿原」、100万本のヒメサユリ「高清水自然公園」』というテーマのクラブツーリズム社主催のバスツアーに参加しま
 した。
 今年は春になって雪が降るなど、例年より花々の開花時期が一週間ほど遅れているので、心配しながらのツアーでしたが,6~7分咲きのヒメサ
 ユリと、僅か2~3輪ほどのニッコウキスゲを見ることができました。
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 集合場所の上野駅公園口を7時50分に中型バスで出発 。現地の山道の道路が狭いので,大型の観光バスでは走行できないとのことだ。したがっ
 て参加者は30名。座席の幅が狭く、私は膝が支えて帰路は苦痛になりました。
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 バスは千住新橋I.C.から首都高に入り,東北道を那須塩原I.C.で国道400号線に降り,会津田島を経由して約5時間かかってようやく『高清水自然
 公園』にあるヒメサユリの群生地に到着しました。
 昼食は途中の大谷P.A.で積み込んだ宇都宮・松迺屋の[玄気いなり]。これはクラブツーリズム社の東北道利用のバス・ツアーの定番弁当のよう
 で、私どもは3回目のことになりました。決して不味い内容ではないのですが,「仏の顔も三度」となりますと、何か別のものをと注文したくな
 ります。
 時間の関係もあって、この弁当をバスの中で食べるという、どうにも消化の悪い食事となりました。
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 ようやく到着した『ヒメサユリ』の群生地,ここでの鑑賞時間はタッタの40分。何とも余裕のない時間に、落着いて花々を見るという、ゆったり
 とした気分になれませんでした。
 ただ幸いなことに、梅雨の合間の晴れの日となり、しかも標高918mなので、澄み切った青空からの日差しは強いが,吹き渡る風が心地よく,木陰
 に入ると一段と爽やかになり、何よりの花見日和となったことでした。
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 入場券を受け取ると直ぐに20mほどのナラ林を進むと、暗い場所から抜け出したように視界が開け,一面のすり鉢状の草原全体に広がる薄いピン
 クの花々が目に入ってくる。これが『ヒメサユリ』の花々なのだ。満開とはなっていないが,6分から7分咲きといったところか。清楚で可憐な
 花が少し強めの風に揺らいでいるのが目に入る。まさに桃源郷に入っていく感じになりました。
 この草原の中には木道が設置されており、一方通行の順路が示されている。狭い木道を大勢の見物客が順序よく見て回るようにとの配慮なのだ。
 その木道からはみ出して写真を撮っている人が,係員から注意されている。良い写真を撮ろうと,場所を構わずカメラを向ける気持ちも分からな
 いではないが,やはりここまで注意深く管理されてきた地元の方々のご苦労を思えば,その場限りのカメラマンの行動は許されるものではあるま
 い。
 自戒の意味を含めて私も、この心を和ませる花々の様子をカメラに収めることにする。
 種から6年目にして初めて一輪の花を咲かせるという、この地方に生きる植物の姿を何とかしてカメラに捉えてみたいと,右に左に、前にそして
 後ろにとベストポジションを考えながらシャッターを押す。
 10余りの花を支える茎は細く、風に揺らぐので中々静止写真を撮るのが難しい。
 とにかく少しづつ移動しながら撮った花を次に載せてみることにする。
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【ヒメサユリ】
 ヒメサユリは別名オトメユリともよばれ、日本固有のユリ科の植物。
 自生地域は福島,新潟,宮城,山形の深山に限定され,中でも高清水群生地は国内最大級の規模といわれている。
 このヒメサユリは,種から繁殖する。秋に地面に落ちた種が土中に入り,翌年根が生えて小さな球根を付ける。
 3年目の春,一片の葉が地表に現われ,翌年その葉が大きくなり、日光を浴びて球根に養分を蓄える。
 5年目、茎を伸ばし葉も2~3枚に増え,さらに球根が成長する。
 6年目には葉が5~6枚に増え,ようやく一輪の花を付け,翌7年目からは球根の成長に伴い,1年に1輪づつ花 を増やし続けるとのことだ。
 このようにヒメサユリは一輪の花を付けるまでに6~7年の歳月を要するため、この高清水自然公園では生育環境 保全のため保護活動をしてい
 る。
 高清水公園のヒメサユリは、7haの面積の中に約100万本が群生しているという。          【南会津町パンフレット】より
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 上の右端の花は『シロバナヒメサユリ』とのことです。
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 7時50分上野発(バス)→ 8時45分羽生P.A.9時00分 → 10時15分ハニー牧場(那須)10時35分 → 12時10分きらら289 12時25分 → 
 12時55分高清水自然公園13時45分 →

 かくして,慌ただしい『ヒメサユリ』の見物を終え,次の目的地『駒止湿原』へと向かいました。
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【駒止湿原】
 昭和村と南会津町にまたがる駒止湿原は、ブナ林に囲まれた10数個の湿原が点在しており、その代表的なものが 大谷地(約14ha)、白樺谷地
 (約5ha)、水無谷地(約8ha)で、国の天然記念物指定保護区域面積は148haあります。
 この3つの谷地を結ぶ木道と道路は約2kmです。標高1000~1200mの平原状の湿原です。
 この湿原は、地方公共団体が管理する国有財産で,昭和45年12月28日に天然記念物保護区域として104.67haの国 指定を受け,さらに天然記念物
 を含む周辺一帯の自然環境保全のため、民有地56.711haの公有化を図り,平成12 年3月7日に43.3291haの追加指定を受けました。
 この湿原の特徴は,低層から高層へ3種類の湿原があり,幅広い種類の植物を見ることができるのです。その数は 471種類。4月下旬のミズバ
 ショウに始まり,初夏のワタスゲ,ニッコウキスゲが湿原一帯を彩るさまは見事です
 また、秋の紅葉シーズンも見どころです。
 ただシーズンによっては、クマに遭遇することもありますので、気を付けてください。           【昭和村観光案内より】
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 バスは往路の道を戻り,約1時間で湿原の入口にある狭い駐車場に到着。
 添乗員が先導して取りあえず『大谷地湿原』を回ることになる。ここでの散策時間は90分、時間に余裕があれば『白樺谷地』まで行くことも可能
 とのことだ。
 また、今回のツアーの目玉である肝心の「ニッコウキスゲ」は、残念ながら未だ開花していないとのこと。
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 急坂を登って『大谷地湿原』に入ると,先ず湿原一面に広がる「ワタスゲ」の白い 穂が目に飛び込んでくる。
 これほど大量の「ワタスゲ」を見るのは初めてだ。
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【ワタスゲ】
 高山の湿原に群生するカヤツリグサ科の多年草。高さ30~50cm。葉は針金状の三角形。小穂のはじめは卵状楕円形で、のち綿毛に包まれた球状
 となる。      
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 その湿原の林際には朱赤色の「レンゲツツジ」が彩りを添えているのが目立つ。まさに自然の配色,済んだ青空,木々の緑、赤のレンゲツツジに
 白のワタスゲと、眼福の一時を味あわせてくれる。
 これに「ニッコウキスゲ」の黄色が加われば言うことはないのだが、見渡す限りの湿原に一輪か二輪では目立つはずもない。これ以上を望んでも
 詮方のないことだが……。
 その代わりといっては可哀想だが「ズミ」が花盛りだ。
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【レンゲツツジ】
 高山に生じ,また観賞用に栽培される落葉低木。高さ1~2mで、葉はへら形で有毛。初夏に径約6cmの朱赤色・黄色の花をつける。
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 湿原内は木道があるが,幅が狭いので人間のすれ違いができないので,ここも一方通行になっている。その木道も、所々腐食しているので、雨天
 の際などはトレッキングシューズを使用した方が良さそうだ。
 次々に現れる湿原、その何れにも「ワタスゲ」が主役になっている。
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 上空には「ハチクマ」が飛来し,遠くに「ホトトギス」や「カッコウ」が鳴き,まことに長閑な時間が流れてゆく。
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 『大谷地湿原』を過ぎて時計を見ると,残り40分ほどあるので『白樺谷地』まで行こうとしたが,早くも戻って来た方がいるので、谷地の様子を
 伺うと、大谷地と同じような感じだとのことで、農道をのんびりと駐車場へと帰ることにする。
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 標識には必ず〈熊出没注意〉とあり、ここは熊の生息地であることが分かる。
 上右の写真は『ノリウツギ』。
 途中の水溜まりには〈オタマジャクシ〉がいたが、何の種類かは分からない。
 また、駐車場の付近の林では「キビタキ」や「コルリ」の鳴声がしていた。
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 かくして晴天の1日の花々の見物を終え,往路と同じ道を戻ることになる。
 今年は例年になく春が遅かったせいで、花々の咲く時期が遅れているが,どうにか最大の目的であった「ヒメサユリ」が見られたので,満足した
 一日となった。
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 帰りは『道の駅・たじま』でトイレ休憩,西那須野I.C.から東北道に入り,出発点の上野駅に帰着しました。

 14時45分駒止湿原16時15分 → 17時00分道の駅・たじま17時20分 → 19時30分羽生P.A.19時45分 → 20時50分上野駅 着


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1 コメント

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ヒメサユリ観察記興味深く拝見しました。図鑑では... (つな)
2010-06-27 22:00:35
ヒメサユリ観察記興味深く拝見しました。図鑑では見たことがありますが、本物を見たことはありません。慎ましく美しいユリですね。写真を見ていると芳しい匂いが漂ってくるようです。駒止は「こまど」と読むようですね。今の時期が一番いいのでしょうか?
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