nemo 折々の自然

折に触れて観察した自然などの記録

ローレンシャン高原

2011-10-03 00:00:00 | 旅行記
 部屋のカーテンを開けると、そこは屋内プールという珍しい部屋。屋外へ出て雨と分かる。
 こちらへ来て連日雨が降るという悪条件だ。
 朝食は初めてのセット料理。トースト、ジャガ芋の空揚げ、スクランブルエッグ、ソーセージ、それにベーコンという献立でボリュームが多い。
 それにオレンジジュースと紅茶。
       *
Img_2470Img_2471  降りしきる雨の中を出発。車窓の景観も、窓の水
 滴に邪魔されて歪んで見える。
 30分ほど走るとダム湖が見えてくる。ここでカメ
 ラ・ストップになったが、雨に煙る湖面は暗く、
 周囲の紅葉も色が冴えない。






       *
Img_2472Img_2478  ホテルから2時間ほどでガティーノ公園 :
         Parc de la Gatineau
に到着。
 広さが 361?ある素晴らしい環境に恵まれた公園の
 ビジター・センターで、トレイルの様子を聞いて
 出発。
 幸いにも雨は止んでいる。小さな流れを渡って林
 の中へ。この辺りの紅葉も未だ早いようだ。
 


       *
 ところで、日本の紅葉との違いは何かというと、カナダ東部は日本と異なり、大きな標高差はない。そのため、日本の紅葉は山間部で見ることが
 できるというイメージが強いが、カナダでは一旦色づき始めると一斉に、広範囲に亘って真っ赤に染まる。このスケールの大きさが日本の紅葉と
 最も異なる点であるという。
 日本の「紅葉前線」のようなものはカナダにはないという。
 また、カナダで多く見られるシュガーメープルの葉は、大きいもので手のひらほどのサイズになる。この大きな葉がそれぞれ微妙な異なる美しい
 色をつれるのだから、美しくないはずはない。
 このメープルの森は、大昔からカナダにあった訳ではないそうだ。
 1800年代に起こった英仏戦争中に、イギリスはカナダを木材の供給源にした。その際、多く生息していたのが、造船や建築資材に最適なホワイト
 パインと呼ばれるシロマツでした。
 そのシロマツが伐採され、姿を消していくにつれて台頭してきたのがメープルとのことだ。その理由としては、発芽率が高いことと、発芽後数年
 は光が少なくても成長するという繁殖力が挙げられるという。
 紅葉の種類
  ・ シュガーメープル …… オレンジ色
  ・ レッドメープル(アメリカハナノキ)…… 真赤、深紅色
  ・ ブラックメープル(シュガーメープルの亜種)…… オレンジ色
  ・ レッドオーク(樫の木の一種)…… オレンジ ~ 朱色
  ・ スーマック(漆の一種)…… 深紅色
       *
Img_2473Img_2474  センター前の植え込みにちょろちょろ動く野鳥を
 発見。良く見ると頭央線がハッキリとしているの
 で、スズメではないようだ。しかも数羽いる。し
 ばしビデオに収めてから図鑑で確かめると〈ミヤ
 マシトド〉のようだ。
 これはまた一つのお土産ができた。




       *
ガティーノ : Gatineau
 ガティノーはケベック州ウタウエ地方の都市で、人口は約23万人、ケベック州南西部、オタワ川とガティノー川の合流地に位置する。
 オタワ川を挟んで隣接するカナダの首都オタワ市と双子都市であり、別々の都市ではあるが共にオタワ・ガティノー首都圏を形成する。
 19世紀初頭、林業の発展とともに製材業で人が住むようになり街が作られた。
 街には多くの自然が残されており、街の至る所に公園があるため、ガーデン・シティーとも呼ばれる。
 2002年にハルなどの周辺都市と合併し、その中で最も大きい街であったガティノーが都市の名前として残った。                                                               【ウィキペディアより】                                 * 
Img_2481Img_2480  公園を後にして10分ほどのピンク・レイクでカメ
 ラ・ストップ。
 湖底には一万年前の湖水があり、この水との境にピ
 ンクゾーンがあって、それより上部でないと魚類は
 棲息できないという。展望台からの風景をカメラに
 収める。




       *
ケベック州 : Quebec
 セントローレンス川沿いに発展したケベック州は、フランス系住民が人口の約80%を占め、また準州を除く10州の中で最大の面積(154万?)を
 もつ州です。    
 セントローレンス川沿いの、早くから開拓された南部から、数多くの湖沼が点在するローレンシャン台地、ツンドラ地帯の北部まで、景観は変化
 に富んでいます。
 モントリオール、ケベック・シティなどの主要都市を中心に、約780万人の人が住んでおり、隣のオンタリオ州とならぶ人口の密集地でもありま
 す。
 航海者コロンブスがアメリカ大陸に到着するまでは、この地域にはアルゴンキン族、イロコワ族の狩猟インディへナが居住していました。
 1492年にコロンブスがアメリカ大陸を発見してからはヨーロッパ人による植民地化が進み、1534年ジャック・カルティエが到達した際にヌーヴ
 ェル・フランスと名付け、フランスによる領有を宣言しました。
 18世紀に7年戦争が起こり、フランスに代ってイギリス領となりました。
       *
 バスは昼食のためオタワ市内へ。
 カナダの首都として、選ばれたこの土地は、多民族ニ言語政策を取るカナダの性質をよく表した街で 英語圏のオンタリオ州に位置しながらも、
 オタワ川を挟んだ対岸には仏語圏のケベック州があり、 2つの文化に同時に触れることのできる場所として知られている。
 オタワ川を挟んだ対岸のガティノー市と合わせても人口100万人ほどの中都市であるオタワは、 パーラメントヒルと呼ばれる国会議事堂が建つ丘
 を中心に、世界遺産に指定されたリドウ運河が街を横切り、 さながら街全体が公園かのような美しい景観を誇っている。 
 今日はその中心部にある『Palas Lmperial』で中華料理。
 円卓を囲んでスープから始まり、エビとブロッコリの煮物、麻婆豆腐、野菜炒めの他炒飯、焼蕎麦にデザートと出る。中国の何地方の料理か分か
 らなかったが、味付けは薄く、麻婆豆腐は辛味を感じなかった。
       *
 食後は再び雨の中を国会議事堂やノートルダム寺院で写真ストップ。
国会議事堂 : Parliament Building
 オタワ、そしてカナダのシンボルであるネオ・ゴシック様式の議事堂。
 ひときわ目立つ、高さ92m塔を含め、無料ガイドがあり、ここからの景色も楽しむ事が出来るとのことだ。
       *
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       *
Img_2483Img_2485 ノートルダム寺院 :
  Cathedral-Basilica of Notre Dame

 オタワにある最も古く、2つの銀の尖塔が美しい教
 会です。
 祭壇には200以上の聖人の像が祀られています。
       *
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       *
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       *
Img_2640Img_2642  降りしきる雨の中、1時間余り走ったところにあ
 る『モンテベロ』でトイレ休憩。
 ここの店ではチョコレートの製造販売をしており、
 皆さんの関心を集めていた。






       *
 その後1時間半ほどで、ようやく雨の上がったローレンシャン高原の中にあるモン・トランブラ村に到着。
 周囲の山々の紅葉が、一日のバス旅の疲れを癒すように我々を迎えてくれた。
 今日の宿泊は、ロッジ・デラモンターニュ : Lodge de la Montagne
 いわゆるコンドミニアムで、ベットルーム、リビングルーム、調理器具や食器が揃ったキッチンなどがある広い部屋。ただし2階なので部屋から
 は樹木が邪魔をして展望が全く効かない。
 ここに2晩泊まることになるので、ガッカリさせられる。
       *
 夕食までの時間があるので、村のスーパーに買い物に出掛ける。お土産品の物色というわけだ。
 その夕食は、Le Shuck レストランで。
 メニュー : にんじんスープ、白身魚のグリル、シュガーパイ、紅茶。
       *
 8時25分 ホテル発 → 9時00分 ダム湖 9時10分 → 10時35分 ガティーノ公園 11時30分 → 11時40分 ピンク・レイク 12時00分 → 12時30分 昼食
 (Palats Imperial)13時30分 → 13時35分 国会議事堂 13時45分 → 13時50分 ノートルダム寺院 14時00分 → 14時55分 モンテベロ 15時10分 →
 16時30分 ロッジ・デ・ラ・モンターニュ着(213号室)
       *
ローレンシャン高原 : Laurentian area
 モントリオールの北約60kmにあるサン・サバールや、モン・トランブラン・ビレッジを中心に広がる広大なリゾート・エリア。森と無数の湖か
 らなる大自然の宝庫です。
 とくに秋の紅葉の時期には、メープルやシラカバの木々が燃えるような赤や黄色に色づき、果てることなく続いています。一面の紅葉は、日本で
 はまず見ることのできない壮大なスケールです。

モン・トランブラン : Mont-Tremblant
 起伏の少ないローレンシャン高原の中で、標高960mという最も高い山、トランブラン山(Mont-Tremblant)を中心に 広がる、ケベック州内随一
 のスキー・リゾートです。
 夏期でもリフトを運行しているので山の上に上ることができます。
 山頂にはカフェテリアもあるので、軽く食事をすることもできます。

ロッジ デ ラ モンターニュ : Lodge de la Montagne
 モン・トランブランに位置するロッジ デ ラ モンターニュはモン・トランブラン スキー リゾート、サーキット モン・トランブランの近隣にあ
 ります。
 サウナ、スキー装着のままアクセス可能な出入り口、フィットネス設備、季節限定屋外プールがあり、コンシェルジュ デスク、スキー用倉庫、
 ランドリー設備も利用できます。
 ロッジ デ ラ モンターニュのエアコン付き客室のアメニティには、コーヒー / ティーメーカー、ヘアドライヤーがあり、室内で電子レンジと
 冷蔵庫も利用できます。
 


アルゴンキン州立公園

2011-10-02 00:00:00 | 旅行記
 6時過ぎ部屋の外を見ると、昨日の夕方の素晴らしい夕焼けとは異なり、雲に覆われ冷たい風が吹いている。
 部屋の前の芝生で『カナダガン』の群れが餌を漁っている。また湖岸や湖の中程にもいてその数100羽余り。
 遊歩道を散歩する人が近づいても逃げる気配はない。人間を恐れないカナダガン、この大自然の中で棲息する鳥たちに自然の悠久さを教えられる
 思いだ。      
 そういえば芝生に上がっている『クロワカモメ』も、湖畔で餌を漁っている『アメリカガモ』も我々を無視している。
       *       
Img_2433Img_2431Img_2436  
       *
Img_2634Img_2438  出発の支度をして迎えのミニバスに乗り、朝食の
 ため本館のレストランへ。
 雲間から柔らかい日差しが漏れ、湖畔の紅・黄葉
 がパステル画のように輝いて見えている。
 レストランからも湖畔が望め、食後そのベランダ
 からの秋の景観を楽しむ。
 また正面玄関前で鳥見をしたが、風が冷たく寒い
 ので、手袋をするほどだった。
       *                   
 今日はいよいよ『メープル街道』の紅葉見物、ハイキングが始まる日だ。
 出発前に[ピクニックランチ]が配られる。
 バスは2人用の座席に1人づつと、ゆったり座ることができるのが何より有難い。
 車窓から見られる紅葉が、日差しを受けて美しく輝いて見える。ただし、あの鮮烈な赤いメープルは殆ど見られない。
       *
メープル街道 : Maple Route
 ナイアガラからオンタリオ湖畔を巡りながらトロント、キングストン、オタワへ。
 そしてセントローレンス川をさかのぼりモントリオールやケベックシティへ。
 この、オンタリオ州からケベック州にかけて続く水際のルートがメープル街道だ。
 その名の通り、この一帯は、秋にはカエデの葉が真っ赤に色づき、また、新緑の季節には、みずみずしい緑が美しい。現地ではヘリテージハイウ
 ェイ(歴史街道)と呼ばれており、フランスとイギリスによるカナダ入植と開拓の足跡が色濃く残された歴史的なルートでもある。
       *
 20分ほどで最初のポイントライオンズ・ルックアウト Lions Look-outの展望台に到着。
       *
Img_2441_2Img_2444_2 ここはハンツビルの町や『マスコーカ地方』の森
 や湖を一望できるポイントだ。
 緑の針葉樹の中の紅葉が彩りを添え、それらの樹
 々に囲まれて瀟酒な住居や別荘が点々と見えてお
 り、雲の切れ間からの日差しがその風景を一段と
 引き立たせてくれている。
 まさにこの世の楽園、心が豊かになる場所だ。
 因みにマスコーカの定住者は5万人、別荘所有者
 は10万人とか。

       *
 次いでラジット・フォール : Ragged Fallに立ち寄る。
       *
Img_2446Img_2448  250mほどの坂道を上がると、水飛沫を上げて流れ
 落ちる様子を間近に見ることができる。
 滝の水が黒いのは、鉄分を含んでいるためとのこと
 だ。
 周囲の紅葉はイマイチ、それでも遠望の山々のパス
 テルカラーの雰囲気が心を和ませてくれる。
 足元が不安定な水辺まで下りてみたが、カメラに収
 めるようなものは見当たらなかった。


       *
Img_2450Img_2451  次の目的地へ出発する頃になって、生憎と雨が落
 ちてくる。
 バスが進むにつれて、車窓からの周囲の紅葉が目
 立つようになってきた。






       *
 いよいよ今日のハイライトであるアルゴンキン州立公園に入るのだ。
 公園の西門入口で、入園料を支払うために一時駐車、日曜日とあって現地の車が多く駐車している。
       *
Img_2626_2
       *
アルゴンキン州立公園
 マスコーカ地方の北東に広がるアルゴンキン州立公園は、東京都の3.5倍(7725km2)の面積を持ち、オンタリオ州最古の州立公園でもある。
 公園内には、まさに手つかずの大自然が広がっており、ムースやビーバーなどの動物ウオッチング、6km~71kmまで、バリエーション豊かなコ
 ースで楽しむハイキング、大自然の中でのキャンプなどのアクティビティーが可能。
 冬にはクロスカントリースキーやウインターキャンプもできる。
 唯一の道路の沿線には、アルゴンキンの歴史などを展示するビジターズセンターがある。ここには展望台もあり、見渡す限り森が広がる素晴らし
 い風景を眺めることができる。
 また、同公園はカヌーのメッカでもある。無数の湖とそれらをつなぐ網の目のような水路が、総距離2400kmにも及ぶカヌールートを造り上げて
 おり、世界のカヌーイストの憧れの地となっている。
       *
 園内には、ハイウエイ60号線を起点に延びる14本の日帰りトレイルと、一泊以上必要な3本のバックパッキング・トレイルがある。
 雨の中ハードウッド・ルックアウト・トレイル : Hardwood Lookout Trailを歩くことになる。
 一周800mのトレイルだ。ここの紅葉もあの赤いメープルが少ない。橙色の紅葉が雨に濡れて光っている。
       *
 トレイルにはトイレがないので、ポーデージ・ストア : Portage Store(カヌー・センター)で昼食・休憩となる。
       *
Img_2453 Img_2454  公園内に網の目のように広がる湖沼にカヌーを漕
 ぎ出し、島にぶつかったらカヌーを肩に担いで移
 動(ポーテージ)して、島でキャンプをする。
 園内のカヌーセンターで実施されるガイド付きツ
 アーに参加するのが基本とか。
 灰色の空、黒い湖面とあって冴えない景観が残念
 だが、現地の方々がカヌーに興じている姿が羨ま
 しい。


       *
 昼食の‘ピクニック・ランチ’はバスの中で食べる。
 サンドイッチ、スティックサラダ、フルーツ、チョコバーと水が入っていた。
       *
 レイク・オブ・ツー・リバース : Lake of Two Rivers でトイレ休憩の後、ルックアウト・トレイル : Lookout Trailの1.9kmを歩く。
       *
Img_2455Img_2456  ここの駐車場は車が溢れている。雨が止んでいた
 ためか、トレイルを歩く人が多く、静けさを求め
 てのハイキングとはならなかった。
 特に中国からの観光客が目立っていた。






       *
Img_2457Img_2458  このトレイルへ来て初めて、赤色の紅葉が多く見
 られるようになったのが何よりも嬉しかった。








       *
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       *
 今日の最後はアルゴンキン・ビジター・センター Algonquin Visitor Centreへ。
 ここの日本人ガイドの佐久間氏から、館内展示物の説明を受ける。
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 このセンターはアルゴンキン州立公園創設100周年を記念して、1993年に建設された。
 館内は3つの展示スペースに分けられ、森の地勢や動植物の生息状況、人と森との係わりなどがジオラマなどで分かり易く展示されている。
       *
Img_2463Img_2464  このエリアの特徴はオオカミが300頭ほど棲息し
 ていることで、[オオカミの声を聞く会]が催さ
 れるとのこと。
 夜間、人間の発する声に応えるオオカミの声を録
 音したものを聞かせてくれる。
 自然を大切にする国、広大な自然があるから棲息
 できる動物がいるのだ。



       *
Img_2465Img_2466  説明の後、センターの展望デッキから、しばしば
 見られるというムースを探したが、見ることはで
 きなかった。
 それでも入口の掲示板には、園内各地でムースを
 見たことが記されていた。





       *
Img_2467Img_2468  今日の宿のあるペンブローク : Penbrokeに向かう
 途中のブレバー・レイク : Brewer Lake でカメラス
 トップ。
 この付近の紅葉もどうにか見頃を迎えていた。






       *
 再び本格的な雨の中、ベスト・ウェスタン・ホテルに到着。
 夕食はホテルのレストランで、全員が一つのテーブルについて戴いた。
 メニュー : 生野菜サラダ、チキングリル、ケーキ黒い森、コーヒーor紅茶。
       *
ベストウェスタン ペンブローク Best Western Pembroke Inn & Conference Centre
 オタワ峡谷に位置するイン。美しい芝生の上に建っている屋根の傾斜が個性的な白い建物。
 ロビーはゆったりとしており開放感がある。
 絨毯敷きの客室には白い家具が配され、花柄のリネン使いが清楚な印象。
       *
 9時20分 ホテル発 → 9時40分 ライオンズ・ルックアウト 10時00分 → 10時40分 ラジット・フォール 11時30分 → 11時45分 アルゴンキン州立公園
 ・西ゲート 11時55分 → 12時00分 ハードウッド・ルックアウト・トレイル 12時40分 → 12時50分 ポーテージ・ストア 13時10分 → 13時25分
 レイク・オブ・ツーリバース 13時50分 → 14時00分 ルックアウト・トレイル 15時10分 → 15時15分 アルゴンキン州立公園ビジターセンター
 16時05分 → 16時10分 ブレバー・レイク 16時20分 → 17時55分 ペンブローグ・ベスト・ウエスタン・ホテル着


ナイアガラ・オン・ザ・レイク

2011-10-01 00:00:00 | 旅行記
 起床してカーテンを開けると、何と雨が降っている。
 昨日トロントに着いた時にも雨だったが、ナイアガラ・フォールに近づくにしたがって晴れ間が広がっていたので、まさかとの思いだ。
 朝食は10階の展望レストランで、滝を眺めながらと何よりものご馳走だ。
 重苦しい雲に覆われているが、これもまた一つの自然現象と自分を納得させる。
       *
Img_2384Img_2385 目の下にあるのはカナダとアメリカを結ぶ全長
 300mのレインボー橋
 橋の両側にカナダ、アメリカそれぞれの税関があ
 る。
 国境は橋の中間地点にあり、プレートと国連旗、
 カナダ国旗、星条旗が並んで掲げられている。
 カナダからアメリカ、またアメリカからカナダ
 のどちらの場合も橋の往復通行料として50セン
 トのトークンを購入する必要があるとのことだ。

       *
 バッゲージ・アウト後、しばし部屋の窓から『アメリカ滝』を見物する。
 雨、風とも強く滝の飛沫の大きな塊が、川の上流へと流されている。
 『カナダ滝』は、左端の一部が見えているのみで、大きな飛沫の塊が滝全体を覆っている。
 目をホテルの前にある公園に移すと、芝生に黒いリスが跳ね回っている。川には多数のカモメ類が飛翔し、中にはウの姿も混じっている。
       *
 今日の午前中の観光は、この『ナイアガラの滝』が中心だ。
 バスに乗ると、現地ガイドの小山氏が紹介される。
 早速淀みのないガイドが始まる。滝の観光船『霧の乙女号』にも乗るので、レインウエアの着用を勧められる。
 初めに昨夜花火を観賞した『テーブル・ロック』へ向かう。この雨の中、大勢の観光客が見える。
 幸いにも現地に着く頃には雨が小降りになり、ここでの観光が終わる頃には止む。
 ただし、気温が低く寒い。この程度の気温が平年並みで、今年の秋は暖かい日が続き、未だ夏の花、カンナなどが咲き残っているという。
       *
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       *
ナイアガラの滝
 ナイアガラの滝は、エリー湖の水がオンタリオ湖に注ぐ、その途中のナイアガラ川にできた巨大な滝で、南米のイグアス、アフリカのビクトリア
 と並ぶ世界三大瀑布のひとつ。
 かってこの地に暮らしたインディアンが呼んでいた『ニアガル(雷轟く水)』がナイアガラの名前の語源という。
 落差52m、幅675mで馬蹄型をしたカナダ滝と、落差34m、幅320mでまっすぐ落ちるアメリカ滝の2つがある。
 アメリカ滝の横には、その姿からブライダルベール滝と呼ばれる細い滝も流れている。
 この巨大な滝の形成は、1万2千年前の氷河期にまで遡るという。
 ナイアガラ川の中流にあった、氷河が削った断層に滝ができたのが始まりで、現在の位置はその水勢により少しづつ侵食され、形成当時より約
 13kmも上流に移動しているとのことだ。
       *
 滝が流れ落ちる付近まで行くと、その水の流れの凄まじさに魅入られる。
 先日この付近で日本人の留学生が落ちたという。柵はあるが低いので簡単に上ることができるが、なぜそこに上がったのか、世界中にこの日本の
 若い女性の行動が知らされたのは、何とも情けないことだった。
       *
Img_2388Img_2394  滝の正面に回ると、大きな飛沫の塊があって、滝
 の全貌を眺めることができない。
 とにかくその様子をビデオに収めようとしたが、
 この滔々と流れる 水の威力を画面に捉えることは
 できそうもない。滝の一部を切り取ってはみたが、
 結果はどうか ?




       *
Img_2393Img_2392  近くの『テーブル・ロック・コンプレックス』の
 テラスから『アメリカ滝』と『カナダ滝』を眺め、
 カメラに収める。その川には既に何隻もの観光船
 が出ており、カナダ滝の落ち口付近にいる船も見
 える。
 今ツアーのハイライトの一つ、この雄大な景観を
 飽きることなく見続けていた。



       *
Img_2396Img_2397  雨が止んだのが何より、バスは『霧の乙女号』の
 乗場へ向かう。
 ここは大変な待ち行列だ。入場券売り場からエレ
 ベーター乗場まで延々と長い列が続いている。
 そのエレベーター乗場への途中から、対岸に『ア
 メリカ滝』が見えてくる。遠くに『カナダ滝』も。




       *
 エレベーターを降りると、青色のビニール合羽を渡される。
 それをレインウエアの上に着用して『霧の乙女号』に乗り込む。
 既に船縁は満員。その人たちの頭越しにカメラを回すことになる。
 上空や川面には無数のカモメ類(クロワカモメ)ガ見られる。時折ウ(ミミヒメウ)の仲間の姿も…。
       *
Img_2408Img_2404 Img_2406
]       *
霧の乙女号 Maid of the Mis
 滝の真下まで行く遊覧船。ビニール合羽を着用するが、滝壺では豪雨のようにふりかかるしぶきを受け、全身ずぶ濡れになる。
 所要30分。15~30分おきに出航。  
       *
 船は先ず『アメリカ滝』に近づく。川面から見上げる滝は一段と迫力を増す。
 流れ落ちる滝から発生する水の飛沫が風に流され、上流に靡いている。
 対岸のアメリカ側では、我々と同じような合羽を着た人たちが、滝の中流部分で景物する姿も見られる。
 本流の右端から少し離れて『ブライダルベール滝』が一条流れ落ちている。
 この滝の滝壺の見物に向かう人の姿もある。飛沫で忽ち人もカメラも濡れてしまう。
       *
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       *
 やがて『カナダ滝』の落ち口の前に到着。
 その滝の流れ落ちる圧倒的な轟音もさることながら、荒れ狂わんばかりの水面の波立ちの凄まじさ。
 水飛沫が滝全体を覆い隠して何も見えないが、僅かに両サイド部分の流れが目に入る。
 ガイドの小山氏からは、全身ビショ濡れになるので、カメラは事前に隠すように言われていたが、風向きが滝に向かっているので、殆ど濡れずに
 済んだ。
 あっという間の20分間の滝見物は終わった。この滝の水量の豊富さを、充分認識させられた。
       *
Img_2630  
       *
 昼食は、その船の発着所の正面にある『シエラトンホテル』の14階にあるレストラン。
       *
Img_2412Img_2415  ここには日本の修学旅行の高校生が先着しており、
 バイキング・スタイルの食事に大分時間がかかっ
 てしまう。
 このレストランのベランダからの滝の眺めも素晴
 らしく、ここでもカメラに収める。





       *
Img_2413Img_2414









       *
 午後は現地ガイドの小山氏と別れ、19世紀の英国風の建物が保存されているという美しい街『ナイアガラ・オン・ザ・レイク』へと向かう。
 街外れの駐車場にバスを止め、そこから歩いて街並を見物することになる。
        *
ナイアガラ・オン・ザ・レイク
 ナイアガラの滝から北へ車で約30分。ナイアガラ川がオンタリオ湖にそそぐ河口部分にある小さな街がナイアガ ラ・オン・ザ・レイク。
 街は英国植民地時代の19世紀、アッパー・カナダ(現在のオンタリオ州)の最初の首都がおかれた由緒ある古都。
 今も当時の建物がそのままに残され、古き良き英国のチャーミングな面影が漂います。
 湖畔のリゾートタウンとしても人気が高く、中心となるクイーン・ストリート界隈には、情緒あふれるカントリー・インやB&Bをはじめ、人気の
 レストランやギフトショップなどが集まりひときわ華やか。
 ここを中心にした湖沿いのエリアは、カナディアン・ワインの中心地ともいえる場所。
 気候や土壌などの条件がフランスのボルドー地区とよく似ており、周辺は一面のブドウ畑。30以上のワイナリーが密集しているという。
 特に、シャルドネ、メルロー、カヴェルネソーヴィニヨンなどのブドウ作りに最適で、それらを中心にした質のよいワインが作られているとのこ
 とだ。       
       *
Img_2631Img_2632  街の中心部にある交差点まで行き、その街並をビ
 デオに収める。
 シックで落ち着きのある街並は見応えがあり、多
 くの観光客で賑わっている。






       *
 その交差点の近くにある公園のベンチで一休みしていると、目の前を青い野鳥が横切り、近くの枝に止まる。
 図鑑を調べると『アオカケス』と分かる。街の雰囲気とも似合う鳥で、思わぬプレゼントになる。
       *
Img_2418Img_2420Img_2421
       *
 次いで青空が次第に広がり、景色も一段と明るくなる中、ブドウ畑が広がる『STREWNワイナリー』に立寄る。
 ここはドイツからの移民が持ち込んだ苗木から始まったというブドウ栽培。しかも【アイスワイン】発祥の地とのことだ。
 このワイナリー所属の日本人女性の案内で醸造所を見学。そしてワインのティスティング。
 普通種のワインの白と赤の試飲後、アイスワインの白と赤も……。
 特にアイスワインは、日本のお猪口一杯程度を食後に飲んで、その豊かな甘味を味わうこと、また従来は白のみだったのを、赤の醸造にも成功したが、原料が白の数倍を必要とするため、価格がそれにしたがって高いとの説明があった。
 最後にワイナリーの脇にあるブドウ畑を見て、ここを後にする。
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Img_2424Img_2425  特にアイスワインは、日本のお猪口一杯程度を食後に飲んで、その豊かな甘味を味わうこと、また従来は白のみだったのを、赤の醸造にも成功したが、原料が白の数倍を必要とするため、価格がそれにしたがって高いとの説明があった。
 最後にワイナリーの脇にあるブドウ畑を見て、ここを後にする。



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 これで今日の観光を終え、夕闇迫るマスコーカ地方、ハンツビルにある『ディアハーストリゾート』へ。
 リゾートの本館前でバスを降り、ミニバスに乗換えて湖畔に建つホテルへ。
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Img_2428Img_2427  部屋からは湖が眺められ、ちょうど日
 の入り直後の燃えるような空をカメラに収める。
 これぞまさに‘ カナディアン・サンセット’だった。







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Img_2426_2Img_2624_2  夕食は、再びミニバスを利用して本館のレストラ
 ンへ。
  (マスサラダ、アスパラガススープ、サーロイ
 ンステーキ、レモンタルト)
 食事を終えて部屋に戻ったのは22時を大きく回
 っていた。
 長い一日ではあったが、今ツアーのハイライトの
 一つでもあり、満足感に浸ることができた。                                        
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 9時00分 ホテル発(バス)→ 9時10分 テーブル・ロック(ナイアガラ滝見物)9時50分 → 10時00分 霧の乙女号 11時15分 … 11時30分
  シエラトンホテル・レストラン(昼食)12時45分 → 13時10分 ナイアガラ・オン・ザ・レイク(散策)14時20分 → 14時25分 STREWN
 ワイナリー 16時45分 ハイウエイ・サービス 16時55分 → 18時50分 ディアハースト・リゾートホテル着
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ディアハースト : Deerhurst Resort
 湖畔に建つディアハーストリゾート。
 広大な敷地内に客室であるコテージが点在し、静かで落ち着いた滞在が可能。
 リゾート施設では各種のアウトドアアクティビティーが体験できる。春から秋にかけてはゴルフ、テニス、ハイキング、乗馬、そして湖での各種
 ウオータースポーツが、また冬には一面の銀世界を舞台に犬ゾリ、スノーモービル、アイスフィッシングなどが楽しめる。インドアテニスコート
 やスカッシュコート、プールやエステサロンなどの施設も充実している。
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ハンツビル:Huntsville
 ハンツビルはカナダのオンタリオ州中北部、マスコーカ地域に属する町で、人口およそ1万8,000人。
 1869年、ジョージ・ハント(George Hunt)が小さな農場センターを開いたことが街の起こり。
 19世紀後半には、同地域では重要な産業基地として発展した。
 町はアルゴンキン州立公園へ入る玄関口に位置しているため、観光地としても人気が高い。
 2010年6月には主要国首脳会議(サミット)が開催されたとのことだ。
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マスコーカ地方 : Muskoka
 トロントの北、ヒューロン湖の東側に広がるマスコーカ地方は、美しい自然の中に大小1600もの湖が点在する広大な丘陵地帯だ。
 湖の畔にはリゾートホテルやカントリーイン、そしてプライベートコテージなどが建ち、オンタリオでも最も人気のあるリゾートエリアとなって
 いる。       
 一帯には見渡す限りカエデや白樺などの木々が茂り、秋の紅葉も見応えがある。その自然の美しさは開高健の著書『オーパ』でも紹介され、日本
 でも注目された。
 トロントからは車で1時間半程度の距離。ハンツビル、ブレースブリッジ、グレイベンハーストなどをベースにすると動きやすい。
 マスコーカ地方はアウトドアのメッカとして知られ、エア・ツアーや動物ウォツチングなどのアクティビティーが盛んだ。ほかには、ハイキング
 ラフティング、フィッシングなども楽しむことができる。