キャリア教育というのでしょうか、今は中学生でもスーパーや保育所、老人ホームなどで職場体験をするのですね。取組自体はいいと思いますが、子どもたちにとって実のある体験となっているのか、受け入れ先の企業にとってメリットはあるのか、単なる負担と思われていないのか、といったところが気になります。お客様然としている中学生の姿をよく見かけますし、企業側も義務として受け入れているかんがするので…
子どもが親の働く姿を見ることはほとんどなくなったと言われます。雇用される人が大多数を占めるようになったせいもあると思います。経営者が子どもを職場に連れてくることはあっても、そこで働く人が子どもを連れてくることはありません。職場と子どもは相容れない関係といったかんじです。
私が小さかった頃、昭和40年代の終わりから50年代の初めですが、父の職場に母とよく差し入れを持って行ったことを覚えています。父は地元のカントリークラブに勤務していたのですが、事務所のデスクに母と作った造花などを飾りに行ったり、社内のゴルフ大会を見に行ったりと父の職場は身近なものでした。
ホールにしのびこんで遊んだりもしました。(よい子は絶対に真似してはいけませんよ!!大変危険です!!)サマーハウスというのかよく知りませんが、点々と小さな小屋のようなものが建っていて、お客さんがそこで休憩するのです。姉を含む悪ガキ3人は、大人がお金も払わずにジュースを飲んでいるのを見て(当時は自販機がなく、冷蔵庫に入ったドリンクを飲んだらサインをして後で清算していたそうです)「いいな~」と思い、砂糖をなめているのを見て(実は塩です)「なめたい~」となり、お客さんがいなくなるやいなや、小屋に突撃してジュースをごくごく飲んで、白い砂糖をなめて「しおからい~~」と絶叫していました。幸い?勤務中の父にみつかり、大目玉をくらい、「ジュースはタダではない」ことを知らされました。
それ以降も懲りずによくしのびこんで遊んでいました。冷水器の水の冷たさにどれくらい耐えられるかガマン比べをしたり、芝生の上をごろごろ転がったり、バカバカしくも面白かったです。(絶体に真似をしてはいけませんよ!!)
今は自分の親がどこでどんな仕事をしているのか全く知らないという子どもが多いのではないでしょうか。キャリア教育もけっこうですが、親の働く姿をもっと見せることができたらいいのになと思います。