女性の就労を妨げているのは配偶者控除ではなく低賃金です。

2014年11月29日 | 日記

女性活躍推進法がどうなろうと知ったことではないが、安倍政権の「全ての女性が輝く~なんたらかんたら」というのが胡散臭いシロモノで、「国民の信を問う大事~な選挙」においては、「そんなもんどころではない」「二の次の次の次」であることがよくわかった。

大企業に女性管理職の比率を義務づけたら、バリキャリとかいう女性がばんばか出てくる予定だったのだろうか。そしてバリキャリは神輿の上に乗っていることも忘れて、神輿に乗れなかった女性を優越感でもって見下すようになるのだろうか。そして大多数の女性が主婦力なるものを生かして低賃金でバンバン働き、子どもやお年寄りはこれまた低賃金の女性や外国人にまかせて、家事なんかもこれまた低賃金の女性や外国人にまかせて……あれ~?何のために働いてるんだったっけ~?って合唱することになるんだろうか?

法案がぽしゃったこの機会に女性が働くということについて考えてみたいです。

デザイナー:コシノ3姉妹を育てた母親の小篠綾子さんが、子育てについて次のように言っています。

子育てとは、子どもを認め信じて放っておくこと。あとは、お母さんがどれだけ輝いていられるか。そのためには働くことが一番。外へ出て仕事をすることだけではなく、家の中でも地域の中でもおかあさんが一生懸命真面目に働いていれば、子どもはしっかりお母さんの背中を見て育つ。

今は働くといえば、当然のように賃金を得ることを意味しますが(あるいは金銭などの報酬を得ること)そもそも働く=お金を稼ぐ、ではありません。昔の人は当たり前にわかっていたことです。産業構造が変化しているのだから働く意味が変わることは当然ですが、報酬を得て税金を納めることそのものが目的となっているのはあまりにも歪んだ考え方だと思います。

報酬が得られない人、税金を納められない人を軽んずる風潮は、すごく稼ぐ人だけのものではありません。

先日知人が、こういうことを言っていました。会社勤めの頃、仕事のことで頭がいっぱいで、学校行事などは「パートの人、専業主婦の人など手の空いている人がやればいい。自分はそこまでやらなくてもいい」と漠然と思っており、会合などには欠席がちだったところ、あるお母さんから「仕事も大事だろうけど、もっと子どものことも考えてあげて」と言われ、反省したそうです。実は私も仕事が大変な時、同じような考えを持っていました。

バリキャリの人はそうではない人を、フルタイムの正規雇用の人はそうではない人を、パートの人は働いていない人を、漠然と「ラクだ」と思っているのではないでしょうか。

男性が、自分は重要な仕事をこなしているのだから、子どものことはパートナーが引き受けるのが当然と思っているのと同じではないでしょうか。

どのような働き方をするかは本人の自由といえども、完全な自由が保障されているわけではありません。私は配偶者控除の見直しは必要だと思いますが、「女性の就労を妨げている」といった決めつけには賛成できません。アンケート調査などで、「夫の扶養の範囲になるよう調整している」といった回答が多かったのかもしれません。でもこれは当然だと思います。最低賃金で働く人が1日8時間、月160時間働いて社会保険料と税金を引かれたらいったいどれだけの手取りになるでしょうか。誰だって考えることは同じですよ。主婦の就労を妨げているのは配偶者控除ではなく、低賃金です。

それに、パートやアルバイト、派遣や契約社員などで働く事情はほんとうに様々です。一部のアンケート結果だけで「時間の自由がきくからという理由がほとんど」などと決めつけてもらっては困ります。なぜ時間の自由がきくといいのか。エステや習い事が理由かもしれませんし、親の介護や障害児の世話かもしれません。雑な調査を利用して結果を決めつけないでもらいたいものです。

また、働きに対して報酬の出ないボランティア活動や町内会・PTA・子供会の世話などを「お金のかからないもの」と思い込むのも無理があります。世の中にタダのものがないのは、早ければ小学生だってわかっていることです。大人である社会人がわからないはずがありません。報酬の出ない働きなのになぜ運営が可能なのか、逃げずに考えてみましょう。

タダ働きが偉いなどと言っているんではありませんよ。念のため。

 

 

 

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