近所で豆腐屋を営んでいたおっちゃんが何故か金物屋を開いている。
そこに売っていたのは桐製のちりとり。
店の中央にどーんと何個も置いてある。
四千円もする。
桐のちりとり職人の手作りなのだろうか?
しかし、高い上に機能が低い(^○^)
しかも雨にも汚れにも弱いだろうから長持ちはしないだろう。
迷わず、パスだ。
この店には桐のちりとりしかないのか?
じゃ金物屋じゃなくて『桐のちりとり屋』じゃんか!
よく見ると何も置かれていない棚の下の方に手垢のついた一冊のノートが無造作に置かれていた。
この店のメモ用ノートかと思ったが、よく見ると値段を記したシールが小さく貼ってある。
売り物なんだ。
手に取ってみる。
それはコロナ禍に於ける近所の蕎麦屋の日誌だった。
なんでこんなもの売ってるんだ?と思いながらページをめくる、、、。
日々違うスタッフが書き込んでいたらしく、どのページにも何種類もの癖のある文字がギッシリと詰まっている。
文章は稚拙だけれど一様に緊張感が漂っていた。
ある文字には嘆きがあり、ある文字には諦めがあり、ある文字には絶望があった。
筆圧が強い殴り書きや逆に弱くて薄い小さな文字。乱れに乱れてほぼ読めない文字や、定規で書いた様な文字。
私はそのノートが猛烈に欲しくなった。
猛烈に!
なのだ、、、。
シールに記された200円をポケットから出して、金物屋で働いている豆腐屋のおっちゃんに渡そうとすると
『220円』と言われた。
税別表記なんかい!
それ今禁止だよね?
いや、そこ?
そこじゃないだろ?
なんで蕎麦屋のノートを金物屋で豆腐屋のおっちゃんが売っ
てるのか?ってところだよね?
そこ聞けよ!
聞き出せよ!
で、目が覚めた。
今年初めて記憶に残っていた夢かもしれない。
昨年一月に亡くなった父はいまだに夢に出てこないのに、店は閉めたがまだ元気に散歩している豆腐屋のおっちゃんは何故金物屋として私の夢に出てきたのだろうか?
果たしてこの夢は私に何を言おうとしているのだろうか?
さっぱり、わからん!
ま、夢だからいっか、、、。