東京メトロ・メトロコマースは非正規労働者への差別の拡大をやめろ!
写真=今年3月の東京メトロ本社前座り込み行動で非正規労働者の生活と権利を守るよう訴える東部労組メトロコマース支部組合員(2015年3月24日)
東京メトロ駅売店の非正規労働者らでつくる全国一般東京東部労組メトロコマース支部は、東京メトロ子会社で直接の雇い主である株式会社メトロコマースが計画している契約社員Bへの差別・格差の拡大を許さず、すべての販売員がともに声をあげるよう呼びかけます。
10月23日に行われた第56回団体交渉で、会社側は販売員を正社員・契約社員A・契約社員Bに分断してきたこれまでの雇用区分のうち、来年4月から契約社員Aを「職種限定社員」と名称変更し、労働条件を変更する考えを明らかにしました。
これまで契約Aは1年契約だったのを無期雇用とし、ケガや病気の際の休職期間や深夜労働手当などの割増率を正社員と同じように向上させるとのことです。これまで1円も支給されなかった退職金も支払うとのことです。いずれも東部労組メトロコマース支部が2009年3月に結成して以降、要求してきた雇用の安定と差別の是正を行うものです。職種限定ということなので、その職種がなくなれば雇用もなくなるという点で正社員よりもクビを切られやすい雇用形態ですが、労働条件が現状より改善されることは間違いありません。
ところが、もっとも人数が多く、もっとも劣悪な処遇に置かれている契約社員Bについての労働条件を見直す考えはまったくないというのです。これでは契約Aと正社員との差は縮まっても、契約Bと契約Aとの差はさらにひろがることになります。組合側は契約Bも含めてすべての非正規労働者をただちに正社員化もしくは正社員と同じ待遇にすべきだと訴えました。販売員は雇用区分にかかわらず同じ売店で同じ仕事をしているのですから当然の要求です。
しかし、会社側は「一定以上の能力がある人で事業展開していくための措置」と言うだけで、なぜ契約Bだけを低い処遇に留め置くのかの合理的な説明はありませんでした。契約Bから職種限定社員への登用試験は実施するとも言いますが、このかんの登用試験が公正に行われていない以上、差別を正当化する理由にはなりません。
契約Bへの賃金差別については、現在、労働契約法20条を使った裁判を東部労組メトロコマース支部組合員が原告となって闘っています。そのさなかに、契約Bへの差別・格差をさらに拡大する施策を行おうという東京メトロ・メトロコマースのやり方は裁判と社会への挑戦と言わざるをえません。
また、同日の団体交渉では、今年8月から駅売店をコンビニのローソンに転換していく中で、その「ローソンメトロス」売店内で会社側が派遣会社を通じて派遣社員を使っていることが明らかになりました。ローソンメトロスに転換していく過程で人手不足を一時的に補うための措置と会社側は言いますが、人が足りないなら組合側がずっと要求している65歳以降で雇い止めになる非正規労働者の販売員を使うべきだと求めました。
さらに、会社側はローソン化にあたって、契約Bに現行支給されている早番手当(1回150~300円)をなくす意向を示しました。とんでもない話です。契約Bはフルタイムで働いても月の手取りが13万円台、祝祭日が多い月は12万円台に落ち込みます。このような低賃金を、正社員との差別を是正させることで改善させようと裁判までしている中で、手当をカットすることはいっそうの生活苦に非正規労働者を追いやることになるのはだれの目にも明らかです。東京メトロとメトロコマースの経営者はいったい非正規労働者の生活をなんだと思っているのでしょうか。
そもそも、売店のローソン化は労働者が望んだ話ではありません。会社側が一方的にローソン化を強行しておきながら、労働条件のいっそうの不利益変更を非正規労働者に押しつけてくることは絶対に許せません。組合側は手当カットの反対と、慣例となっている月末の棚卸し時の残業代も含めた月の手取り額は最低限維持するよう求めました。
メトロス売店で働くすべてのみなさん!会社側は非正規労働者への差別を是正するどころか拡大しようと画策しています。また売店のローソン化にあたっても労働者の声に耳を傾けることなく、犠牲を押しつけようとしています。今こそすべての販売員が団結し、経営者に対して声をあげるときです!労働者の生活と権利を守るため、東部労組メトロコマース支部とともに立ち上がりましょう!