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阪急トラベルサポート 労働時間管理と時給制を導入

2014年08月29日 12時11分58秒 | 添乗員・旅行業界

(写真:1月24日、最高裁判決についての記者会見)

添乗員の労働について「事業場外みなし労働」の適用を否定した1月24日の最高裁判決・判断。これをうけ、阪急トラベルサポートは2月の団体交渉において、「添乗員の勤務状況を把握し、労働時間の管理を行う」と表明しました。それ自体は当然・妥当な方針です。しかし会社は同時に、賃金体系の変更=時給制への移行を表明しました。これにつきHTS支部は、それが労働条件の不利益変更=賃下げを伴うことが予想される以上、反対であるし、そもそも組合は時給制の導入を求めていない、として反対を表明してきました。

■参考
HTS支部 第34回団体交渉 http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/4f0dc408d05d90b68518875343c8ed02

しかし会社は、組合の反対にも関わらず、「10月より時間管理を導入する」と組合に通知してきました。これをうけ8月27日、HTS支部は第35回団体交渉でこの問題につき会社の説明を求めました。

会社は労働時間の管理を行う、とする一方、賃金を従来の日当制から時給制に変更する、としました。
会社が説明した労働時間管理の考え方は、基本的には「最高裁が指示した東京高裁判決によって示された始業・終業時間」をほぼそのまま当てはめたものでした。その上で、判決が示した始業・終業時間よりも前、後をそれぞれ始業・終業と設定することにより労働時間を長く設定している場面もあります。
この労働時間の基準により実労働時間を算定し、時給をかけることにり賃金が決定される仕組みです。
また、時給は査定により決定される、としました。

会社は「賃下げにはならないように設計した制度」との趣旨を明言しました。

組合は団体交渉終了後、取り急ぎ会社の示した労働時間の基準・時給をもとに、組合員が添乗した最近のツアー(10日間)につき試算を行いました。その結果、あくまでも応急の試算ではありますが、当該ツアーについては約2万5千円の減収となることが分かりました。大きな要素としては飛行機に乗っている時間が、会社の基準では「出発後1時間・到着前1時間のみ労働時間」とされていることが挙げられました。これにより、飛行機に乗って帰ってくる帰着日について言えば、現在は一日分の日当が支払われていますが、それが時給制になると実労働は一日分の日当より短いわけですから当然、賃金(時給×実労働時間)も低くなります。「出発後1時間・到着前1時間のみ労働時間」と判断したのは裁判所です。しかしHTS支部はこの判断を受け入れたわけではありません。

会社は「減収になるツアーもあるかもしれないが、収入増になるツアーもある。平均すると現在と同等の収入は確保できるし、プラスになることもある」と団体交渉で明言しました。しかし、あくまでも1ツアーについての試算ですが、2万5千円の減収という結果が出ました。今回の労働時間管理・時給制が総体として賃下げになるのであれば、それは最高裁の判断を逆に利用して添乗員を苦しめることになり許されるものではありません。組合は今後、さらに検証を深めていきます。

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1 コメント

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各社で始まるようです (現役添乗員)
2014-12-17 01:04:59
2015年から各社で時給制が始まるようです。
機内での拘束時間は時給対象外とされ、腑に落ちない事柄ばかりです。

あるAGTでは事務手続きが煩雑になるため、代行会社を通すようになりました。
その代行会社は事務手数料として1人1日当たり500円程度の手数料が係るようです。
が、その手数料が添乗員負担となるとの連絡が入りました。
日当が500円削られるという事です。

事務手数料なんて事務を依頼したAGTが支払うべきものではありませんか !
手取りが減るのが目に見えています。
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