メトロコマース支部 第４回団体交渉の報告

写真＝メトロコマース支部の第４回団体交渉のようす

東京メトロ駅売店員は「奴隷」労働からの解放をかちとろう！
契約社員への「いわれなき差別」を撤廃させよう！

東京地下鉄（東京メトロ）の駅売店「メトロス」契約社員らでつくる、私たち全国一般東京東部労組メトロコマース支部は株式会社メトロコマースとの第４回団体交渉を７月１７日、東京・東上野にあるメトロコマース本社で開きました。

組合側は支部から６人（うち初参加１人）、本部から３人の計９人が出席しました。会社側は土佐取締役はじめ５人が出席しました。

団交の冒頭で、７月１２日にあった支部臨時大会で決まった新たな役員態勢（後呂良子委員長、藍川則子副委員長）を会社側に報告しました。

その後、前回の団交で会社側が提案した「有給での忌引き休暇」と「食事補助券の支給」を正社員・契約社員Ａと平等に契約社員Ｂにも今年１０月をメドに適用することについて、組合側は「均等待遇に大きな一歩」と高く評価したうえで労使であらためて実施を確認しました。

また、前回の団交後、会社側が実施に移した直営全店（８８店）への送風機の設置と発熱を抑える蛍光灯への取り替え（これも全店で当面は店員の頭上にあるものから順次）についての説明を受けました。組合側は「売店員の暑さを緩和するのに役立つものだ」と歓迎しました。

その一方で組合側は、前回の団交で明らかになった親睦会「協和会」をめぐる契約Ｂへの差別をなくすよう迫りました。協和会は正社員と契約Ａのみを対象に月３７０～４００円程度払えば、慶弔見舞金が支給されたりレクリエーション費（野球部・駅伝部・バレーボール部）がもらえたりします。

「契約Ｂも加入対象にするべきだ」という組合側の要求に会社側は「協和会は社員独自でやっているので会社の組織ではない」として突っぱねました。しかし、会社が会費を給料から天引きし、見舞金の支給を会社が補助するなど、実態は会社そのものの組織です。「契約Ｂへのいわれなき差別だ」という追及に会社側は「そうした意見があったことを協和会に会社として問題提起します」と回答しました。

その他、契約Ｂへの差別は枚挙にいとまがありません。ビジネスホテル「東急イン」に正社員・契約Ａが宿泊するとシングル４７００円、ツイン７７００円を会社が負担します。地方クラブ（静岡・伊東にある宿泊施設）は３２００円、契約旅館（関東７ヵ所）は４０００円、民宿（関東２ヵ所）は２５００円をそれぞれ会社が援助します。しかし、これらは契約Ｂが利用しても一切の援助が与えられません。

正社員や契約Ａと売店で同じように働いている圧倒的多数の契約Ｂも家族や友人といっしょに海水浴にも行けば民宿にも泊まります。何を理由にこのような差別を受けなければならないのでしょうか。不条理で理不尽と言わざるをえません。会社側の出席者は「みなさんのおっしゃる趣旨は分かります」と述べるにとどまりました。

契約Ｂがもっとも差別と感じているのは賃金です。正社員にはきちんと昇給しているのに、契約Ｂには１０年間で１０円も賃上げがありません。「この１０年で売店で販売しているキャラメルもせんべいも全部値上がりしているのに上がらないのは私たちの時給だけだ」「手取り１３万円では暮らしていけない。住民税を払うために貯金を取り崩しているほどだ」と組合員から怒りの声があがりました。

賃金を低く押さえる考え方を変えようとしない会社側に対して、組合員からは過酷な労働への告発が相次ぎました。

「私たちはお客さんがいない時でも１日中立ちっぱなしで仕事をさせられている。なぜ座ってはいけないのですか」「５時間もトイレ休憩に行けない。みんなガマンして膀胱（ぼうこう）炎に何度もかかっている」

座らしてほしい、トイレに行かしてほしい……こんなささやかな要求を団交でしなくてはいけないほど彼女たちは非人間的な労働を強いられているのです。販売員は「奴隷」でも「ロボット」でもありません。

会社側はこの日の団交で「立ちっぱなしを強制しているわけではありません。座ってもらっても構いません」と答えました。

すべてのメトロ駅売店員のみなさん！明日から堂々と座りましょう！東部労組メトロコマース支部で団結し「奴隷」労働からの解放をかちとりましょう！いわれなき差別を撤廃させ、正社員化と均等待遇を実現しましょう！