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【速報】東部労組多摩ミルク支部の刑事告訴で社長らが残業代未払いで送検!

2015年12月03日 09時55分47秒 | 労働組合

写真=「未払い残業代を払え!」と社前で訴える多摩ミルク支部組合員ら(2015年12月1日)

【速報】東部労組多摩ミルク支部の刑事告訴で社長らが残業代未払いで送検!
多摩ミルク経営者は労働基準法を守れ!未払い残業代をただちに支払え!

東京・葛飾の運送会社である多摩ミルクグループ経営者が長時間労働や残業代不払いなど労働基準法違反を重ねている問題で、東部労組多摩ミルク支部の組合員による刑事告訴に基づき、12月1日付で向島労働基準監督署が会社と経営者らを残業代未払いなどの労働基準法違反で東京地検に書類送検しました。送検されたのは次の会社法人と役員2名です。

・多摩ミルクグループの株式会社エイチ・ビー・エス
・同社代表取締役の小島抄智代氏
・同社取締役の小島逸成氏

エイチ・ビー・エスでは、ドライバーが過労死レベル(月80時間の残業)をはるかに超える長時間労働を恒常的に強いられてきました。組合員の1人は残業だけで月206時間という殺人的な長時間労働でした。その背景には給与の半分をも占める同社の「固定時間外手当」の存在があります。

組合員の1人は「給与30万円」と記載された求人案内を見て入社しましたが、実際には基本給15万円と固定時間外手当15万円という内訳でした。同手当をのぞく基本給だけで計算すると時給が最低賃金法を下回っていました。同手当がいったい何時間分の残業に相当するのかは契約書などに明記されていません。残業代と他の賃金は明確に区分しなければならないという最高裁の判例で示されている要件を満たしていません。さらにどれだけ長時間の残業をやったとしても給与はまったく変わりません。

向島労基署は昨年4月7日に同社に以下の是正勧告を発しました。

●労働基準法第32条違反(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準違反も含む)
時間外労働に関する協定の限度を超えて時間外労働を行わせ、かつ1カ月の拘束時間が293時間を超えていること

●労働基準法第34条違反
労働時間が8時間を超えた場合に、労働時間の途中で1時間以上の休憩を与えていないこと

●労働基準法第24条違反
固定時間外手当を就業規則の変更、労働契約の変更を伴うことなく、一方的に減額し、毎月の賃金支払い期日、同減額された分の賃金が支払われていないこと

●労働基準法第37条違反
法定労働時間を超えて労働させた場合、深夜に労働させた場合、休日に労働させた場合に支払われる場合に支払われる割増賃金が法定の割増率以上の率で計算され、支払われていないこと(不足分については過去に遡及して支払うこと)

このように向島労基署は同社が労働基準法に違反していることを指摘し改善するよう求めましたが、同社は従っていませんでした。このため多摩ミルク支部組合員が今年1月23日に同社と役員2人を刑事告訴し、それを受理した向島労基署が役員を事情聴取するなど捜査をすすめた結果、東京地検への書類送検に至りました。今後、東京地検が起訴するかどうかを判断することになります。

そもそも法律を守らず労働者の生活や健康に配慮しない経営者は書類送検どころか逮捕されてもおかしくありません。とくに固定残業代制度は、残業代を払わずに長時間労働を強いる制度として「ブラック企業」の常とう手段として悪用されています。今回の送検という事実を、すべての経営者は重く受け止めるべきです。東部労組多摩ミルク支部は長時間労働とサービス残業の撲滅のために先頭で闘っていく決意です。

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1 コメント

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多摩ミルクは残業代を払え 今すぐ払え (梅木隆弘)
2015-12-03 14:13:18
先日の都労委の傍聴に参加しました田口運送グループユニオン(田口運送・都流通商会支部)書記長梅木隆弘です。
トラックドライバーの賃金は年々下がり続け生活を脅かしています。残業代が時間に応じて払われるのは当たり前です。皆さんの闘い、トラックドライバーの尊厳をかけた闘いに今後も注目、応援していきます。頑張りましょう。
運送業界にこびりつく悪しき習慣をなくしていきましょう。 団結勝利! 
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